先日、弟の入院医療費助成についての記事を書きましたが
思い出したことがありましたので書いてみます。
(長文です)
十数年以上前のことです。
入院費用を毎月負担するのは大変です。
(現在は約9万円→慢性期治療)
初めのうち何年かは毎月約20万円近くもかかっていました。
(急性期治療のため高額)
このままでは経済的に実家は破綻する、と危機感を感じ
私は障害年金(障害基礎年金)の申請をしました。
数ヶ月して回答が届きました。
結果は、却下です。
「初診日に国民年金に加入しておらず、制度上支給出来ない」
「障害の程度としては2級である」ということが書いてありました。
当時の私には、意味がよく分らなかったので
社会保険事務所に行き、詳しい理由を聞きに行きました。
弟の年金の納付は20歳から支払っていることになっていました。
だったらなぜ?
社会保険事務所の担当の方に詳細に調べてもらったところ
加入日は22歳になっており
20~22歳分を一度に全額納付していたことが判明しました。
確かに、形式上は20歳から支払っていたことになりますが(未納期間無し)
初診日には、未加入(22歳で加入)でした。
弟の「初診日は20歳と5ヶ月目」で「年金加入日(22歳)が遅すぎ」ました。
弟の「初診日は20歳と5ヶ月目」で「年金加入日(22歳)が遅すぎ」ました。
20歳以降に初診日&年金未加入>>>最悪!
障害年金受給の条件として、障害・疾病を持ち
①初診年月日が20歳誕生日より前であり、20歳の誕生日に国民年金加入
①初診年月日が20歳誕生日より前であり、20歳の誕生日に国民年金加入
あるいは
②20歳の誕生日に国民年金加入済み、初診年月日が20歳誕生日以降である
のどちらかを満たせば支給されるのです。
普通に...ごく普通に...20歳の誕生日に国民年金に加入させていれば
こんなことにはならなかったのです。
このとき、両親を恨みました...というか呆れた...力抜けた。
このとき、両親を恨みました...というか呆れた...力抜けた。
ドン引きするやら...疲弊するやら...
自分の子どもの年金をきちんと加入させていなかったのかー!!
ついでに調べると、兄(長男)も私(次男)も
20歳で国民年金に加入されていませんでした。
あちゃ~、20~22歳は未納期間になったままで
お互いに就職して初めて年金に加入しました。
(私たち3人兄弟はルーズな親の元で育ったのか?)
しかし、全国には私の弟と同様に
「初診日」と「年金加入日」の食い違いで
障害基礎年金を支給されてない方達が相当数いるそうです。
それから4年もの年月が経過し
もう一度、障害年金の申請をしようと思いました。
初診日よりも前、つまり
「20歳になる前に病気になっていた」
ということを証明すれば良いのです。
なので、弟が高校2年生時(退学した頃)の担任の教師に
生活態度の変化を第三者の目から
一筆書いてもらおうと探し出しました。
何度か転勤されていて、当時とは違う高校にいることが分りました。
予め手紙を書いて送り
後に電話をして、お会い出来る日を伺いました。
とても親切な先生で快く引き受けてくれました。
その場で当時の生活態度などの記録簿を出して
文章をまとめて書いて頂き、印も押してくれました。
菓子折りを手渡してお礼をし、高校を後にしました。
この文章と、家族から見た弟の生活態度の変化を
文章化して、申立書として添付し
再度、社会保険事務所に申請しました。
約2ヶ月後、回答が来ました。
「第1級精神障害者を認め、障害年金を支給する」と。
やれば出来るものです!!
(現在の自分では、ここまで頑張るエネルギーがありませんが・・)
「教師」の書く文言は、「医師」が書く診断書と同様に
公的な効力を持っているのかも知れません。
以前、却下された時は2級だったのですが、1級と認定されました。
幻聴幻覚により、家族や看護師さんへ暴力を振るい
社会性が乏しく(モノを盗む等)常時援助・監視が必要なほどの
精神障害者は1級になることが常です。
(1級、2級、3級の違い→障害の状態の違いにより支給額が変わってきます)
※障害年金・精神障害者1級の基準(統合失調症の場合)
統合失調症によるものにあっては、高度の残遺状態又は高度の病状があるため高度の人格変化、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験が著明なため、常時の援助が必要なもの
これで1ヶ月当り、約8万円が支給されるようになりました。
実際は2カ月に1度支給で約16万円です。(口座振り込み)
とてもありがたいことです。
とてもありがたいことです。
5年がかりでやっと受給が認められた弟の障害年金でした。
ぶっちゃけると、弟が入院してから障害年金支給開始までに
合計800万円以上は病院へ支払いをしたと思います。
恐ろしや~!マジやばかったっす!!
あれから...障害年金支給から...10年近くが経過しました。
実家は破綻せずに済みました。
現在は月8万円の障害年金と月16000円の補助のおかげで
入院費を賄う事ができております。
どなたかの参考になればと思い、書いてみました。
精神障害者保健福祉手帳は(こちらも1級=年金の等級が適用されます)
障害年金が支給されていることに加え
病院で代行申請して頂けたので簡単に頂けました。
昨年まで手帳は作っていなかったのですが
制度改正により2021年(令和3年)4月から
入院医療費の補助申請には障害者手帳が必須条件となりますので取得しました。
※障害基礎年金、精神障害者保健福祉手帳を検討されている方々へ
(年金と手帳の等級について)
障害年金の1級や2級という等級は
障害者手帳の等級とは、違う等級制度です。
(申請も審査も別々です)
もし障害年金と精神障害者手帳の両方の申請を考慮されている場合は
先に、障害年金の審査を受けることをおすすめします。
障害年金と手帳の申請は別々に行う必要はあるものの、
年金受給が決定しますと手帳の取得も確実ですし
障害年金の等級がそのまま手帳の等級になるからです。
〇年金を先に申請→障害年金1級=手帳1級、年金の等級を適用
✖手帳を先に申請→手帳1級→障害年金2級となってしまう事例もあるようです
我が家は初め何も分からずに、多額な入院医療費の支払いをそのまましているだけでした。世の中には様々な制度を知らないがために、長期的に大きな経済的負担や精神的苦痛を強いられている患者さんやご家族も多いかと思われます。
病院のケースワーカーさん(精神保健福祉士や社会福祉士=どちらも国家資格、生活援助や福祉制度のプロ)や市役所の障害福祉課に相談することから始めてみるのが近道です。病院により相談は予約制になっている場合もありますので、予め電話で予約制か確認しておくとスムーズになります。市役所の場合はその日の順番なので待ち時間が発生します。
以前無知だった私は、予約制など考えずいきなり弟が入院している病院の相談室へ行きましたら(私は迷惑な家族でした)「ご予約はされていますか?当院では予約制とさせて頂いております。ご希望の日時を教えて下さい」と言われ、後日再び病院の相談室へ行くことになってしまいましたので、是非とも事前にご確認を。
一人でも多くの患者さんやご家族の負担が軽減されますように願っております。
最後まで読んで頂きありがとうございました。