ミゼット ウィング
~小さな小さな はね物語~
第5章 決定!!アイドルデビュー!!!
2.あの人は…
「私、さっきの人知ってる。」
ラートとフラットが部屋に戻ると、レストが急に言った。
「さっきの人って?」
「あなた達にケンカを売った人よ」
ロアはちょっと古い言い方をし、その隣のナチュラルが苦笑した。
「ケンカを売ったなんて大げさな。」
「ライバルとしてピリッとやっただけでしょ。」
シャープが一番よく分かっているようだ。
「え、ちょっと待って。ライバルって何?」
2人がストップをかけると、その場のみんながフラットとラートを見つめた。
「もしかして、さっきの人のこと、知らなかったの?」
ナチュラルがまさかというように2人に聞く。
2人が縦に首を振ると、知ってる4人から呆れたようなため息が漏れた。
「知らないのに、あそこまでズケズケ言えるなんて、信じられない。」
仕方ないじゃないか、怒っていたんだし。
* * * * *
「あの人はねぇ、あんた達の後に歌ったもう1人のデビューアイドルなんだけど…。」
「やけに声が高くて、うるさかったわ。」
「うちらより、拍手の数は少なかったけどね。」
もう、悪口大会みたいになっている。
「あ、顔を見たことないのはそのせいか。」
「納得~。私達、ステージ裏で真っ白だったもんね。」
歌い終わった後、フラットとラートは『緊張』と『疲れ』で気絶(?)していた。
だから、自分達の後の話は一切知らないのだ。
「ねえねえ。そんなことより、結果発表っていつなの?」
レストから見れば『せっかち』なロアが質問する。
「は?何の?」
「アイドルデビューの話よ。まさかあの『うるさ天使』も合格するわけじゃないんでしょうね。」
ナチュラルはもしやというように聞く。
「知らないよ。だって部長さんが選ぶってゆーか決めるんだもん。」
「へぇ~。そういうシステムなんだ。」
と、その時。
『1年、フラットさん・ラートさん・ライアさん。アイドル部の部室へ来てください。』
というアナウンスが入る。
「ビオラさんの声!」
と2人は顔を見合わせる。
「結果発表じゃない?」
「そうっぽい!行ってみるね!」
そして部屋を飛び出した。
走りながら2人はふと思った。
――あの人、ライアっていう名前なんだ。
written by ふーちん
~小さな小さな はね物語~
第5章 決定!!アイドルデビュー!!!
2.あの人は…
「私、さっきの人知ってる。」
ラートとフラットが部屋に戻ると、レストが急に言った。
「さっきの人って?」
「あなた達にケンカを売った人よ」
ロアはちょっと古い言い方をし、その隣のナチュラルが苦笑した。
「ケンカを売ったなんて大げさな。」
「ライバルとしてピリッとやっただけでしょ。」
シャープが一番よく分かっているようだ。
「え、ちょっと待って。ライバルって何?」
2人がストップをかけると、その場のみんながフラットとラートを見つめた。
「もしかして、さっきの人のこと、知らなかったの?」
ナチュラルがまさかというように2人に聞く。
2人が縦に首を振ると、知ってる4人から呆れたようなため息が漏れた。
「知らないのに、あそこまでズケズケ言えるなんて、信じられない。」
仕方ないじゃないか、怒っていたんだし。
* * * * *
「あの人はねぇ、あんた達の後に歌ったもう1人のデビューアイドルなんだけど…。」
「やけに声が高くて、うるさかったわ。」
「うちらより、拍手の数は少なかったけどね。」
もう、悪口大会みたいになっている。
「あ、顔を見たことないのはそのせいか。」
「納得~。私達、ステージ裏で真っ白だったもんね。」
歌い終わった後、フラットとラートは『緊張』と『疲れ』で気絶(?)していた。
だから、自分達の後の話は一切知らないのだ。
「ねえねえ。そんなことより、結果発表っていつなの?」
レストから見れば『せっかち』なロアが質問する。
「は?何の?」
「アイドルデビューの話よ。まさかあの『うるさ天使』も合格するわけじゃないんでしょうね。」
ナチュラルはもしやというように聞く。
「知らないよ。だって部長さんが選ぶってゆーか決めるんだもん。」
「へぇ~。そういうシステムなんだ。」
と、その時。
『1年、フラットさん・ラートさん・ライアさん。アイドル部の部室へ来てください。』
というアナウンスが入る。
「ビオラさんの声!」
と2人は顔を見合わせる。
「結果発表じゃない?」
「そうっぽい!行ってみるね!」
そして部屋を飛び出した。
走りながら2人はふと思った。
――あの人、ライアっていう名前なんだ。
written by ふーちん