I~これが私~

風の吹くまま,気の向くまま,ありのままの自分で。

『ミゼット ウィング』第5章ー3 前編

2010-12-13 22:11:49 | 小説『ミゼット ウィング』
ミゼット ウィング
 ~小さな小さな はね物語~


第5章 決定!!アイドルデビュー!!! 

3.お待ちしました、結果発表(前編)

ドアを開けると「うるさ天使」ことライアがこっちをにらんだ。
その隣にはもう1人天使がいた。
「すみません。ライアがひどいことを言ったようで。」
その人が謝ると、
「なによ!アルは悪魔の味方をするの!?」
とライアが怒鳴る。アルと呼ばれた天使は、
「ごめんなさい…」
とまた謝った。2人に向けて謝ったのだろうか。
それともライアに向けて言ったのだろうか。
2人はしばし考えてしまったが、気にすることがないことに気付き、「はぁ…」と、ため息をつく。
「はいはい。おしゃべりはそこまで!」
そこでちょうど副部長のビオラ登場。
手をたたきながら、入ってくる。
子供じゃないんだから、そこまでしなくてもいいのだけれど。
「あれ、部長さんは?」
と、ライアがため口。
「不快」いう顔をちょっとした後、ビオラが答えた。
「さあね。別にあんたが知る必要ないでしょ。」
と冷たく。
2人もビオラと同じ気持ちだ。
「私ならいるけど。」
何か用?みたいな顔してたってる美人が1人。
この人も冷たい。
「ベル!くじの用意は?」
ベルと呼ばれた彼女は、多分アイドル部の部長。
その顔を見て、2人は首を傾げた。
「どこかで会ったような…。」
フラットは古い記憶から順に思い出してみる。
ラートも同じように「うーん…」とうなっていた。
「てか、くじって?」
またライアが言う。
敬意というものについて、よく考えた方が良いだろう。
「お二人さん。考えるのはそこまでにして。――大丈夫。今に分かるわ…。」
「ふふふ」という不気味な笑いを浮かべながら、ベルの元へ行く。
とうとう結果発表だということを、4人は本能で感じ取る。
「さー決めるよっ!」
とベルが言って、箱の中に手を入れる。
あれが「くじ」のものらしい。
「うーん」とうなっているベルをよそに、フラットは「誰だっけ?」と思い出そうとする。
記憶の引き出しから、最近(昨日)の夏祭りの記憶を出した時、
「じゃん!」
と言って、ベルがくじ箱から紙切れを取った。


written by ふーちん


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