ミゼット ウィング
~小さな小さな はね物語~
第8章 1人の1年生
2.ロアの本気
ロアはゆっくりと廊下を歩いていた。
あの歓迎会から3日程。
生意気な1年生のところには死んでも行きたくないが、どうしても1人の悪魔が気になるのだ。
いじめられていそうだったから。
ロア達6人はあくまで成功例。
失敗例は、悲しい出来事を引き起こしてしまう。
「ちょっと!どきなさいよ。」
「…げ。」
あの悪魔の声だ。
きっと相手はあの子。
できるだけ足早に声の方へ行く。
見ると、4方向から挟み撃ちにしていじめていた。
「子供くさっ。」
それが最初に思ったこと。
思わず呟いた言葉に4人の堕天使が振り返った。
「なに、この子を助けに来たの?こんなものを助けるなんて、虫を拾ってくる幼稚園児みたい。」
堕天使が笑う。
その言葉にロアの体は知らず殺気を出していた。
今こいつらは、ちゃんとした人のことを『こんなもの』と言い、『虫』と表現した。
言葉の限度を知らねぇのか、こいつらは。
「だったら、あんたは拾われた虫に食べられる虫ね。」
ロアの言葉に今度は堕天使が顔を赤くする。
怒りのためだろう。
「うるさい、幼稚園児!」
「るっさいわ、ミジンコ!」
2人はしばしにらみあった。
先に動いたのはロア。
「大丈夫?」
悪魔の子を助け出し、堕天使から離れる。
少し、堕天使1(さっきからケンカ売ってる奴)が気を緩める気配がした。
「バーカ。」
堕天使1の耳元でささやいた次の瞬間。
ロアは堕天使1に強烈な足払いをくれてやった。
「ーっ!」
堕天使1は見事にひっくり返る。
その隙に悪魔のこの手を引いて中庭に走った。
ロアがこんなに本気になったのは、初めてだった。
Written by ふーちん
~小さな小さな はね物語~
第8章 1人の1年生
2.ロアの本気
ロアはゆっくりと廊下を歩いていた。
あの歓迎会から3日程。
生意気な1年生のところには死んでも行きたくないが、どうしても1人の悪魔が気になるのだ。
いじめられていそうだったから。
ロア達6人はあくまで成功例。
失敗例は、悲しい出来事を引き起こしてしまう。
「ちょっと!どきなさいよ。」
「…げ。」
あの悪魔の声だ。
きっと相手はあの子。
できるだけ足早に声の方へ行く。
見ると、4方向から挟み撃ちにしていじめていた。
「子供くさっ。」
それが最初に思ったこと。
思わず呟いた言葉に4人の堕天使が振り返った。
「なに、この子を助けに来たの?こんなものを助けるなんて、虫を拾ってくる幼稚園児みたい。」
堕天使が笑う。
その言葉にロアの体は知らず殺気を出していた。
今こいつらは、ちゃんとした人のことを『こんなもの』と言い、『虫』と表現した。
言葉の限度を知らねぇのか、こいつらは。
「だったら、あんたは拾われた虫に食べられる虫ね。」
ロアの言葉に今度は堕天使が顔を赤くする。
怒りのためだろう。
「うるさい、幼稚園児!」
「るっさいわ、ミジンコ!」
2人はしばしにらみあった。
先に動いたのはロア。
「大丈夫?」
悪魔の子を助け出し、堕天使から離れる。
少し、堕天使1(さっきからケンカ売ってる奴)が気を緩める気配がした。
「バーカ。」
堕天使1の耳元でささやいた次の瞬間。
ロアは堕天使1に強烈な足払いをくれてやった。
「ーっ!」
堕天使1は見事にひっくり返る。
その隙に悪魔のこの手を引いて中庭に走った。
ロアがこんなに本気になったのは、初めてだった。
Written by ふーちん