ミゼット ウィング
~小さな小さな はね物語~
第8章 1人の1年生
3.アイネ、です。
何事!?と思った。
あの天使――イブ、といったか。
イブにいじめられるのはもう何日も続いている。
今日は4方向挟み撃ちか…。
そう思っていたら、悪魔が来た。
上級生だということはわかる。
こないだの歓迎会にいたから。
微妙につり気味の目、真っ黒の髪。
どこか強気な感じで、なぜか印象に残っていたんだ。
で、その人がイブを倒し、私を今どこかへ連れ出そうとしている。
「何ですか?」
中庭だ。
私は体力がないため、足がすごく震えている。
「はっ、えっと…見てて助けたくなった?そだ、君、名前は?」
上級生悪魔さんは息が切れていた。
さっきイブを倒した人と同じに見えない。
「アイネ…。あなたは?」
「ロア。そっか…歓迎会で自己紹介できなかったから…。ミゼットウィングの報道担当。よろしく、アイネ。」
あぁ…あのアイドルグループ、ミゼットウィングっていうんだ…。
友達いないから、知らなかった。
「ね、のど乾かない?」
「へ?あ、まぁ…。」
「どっちよ。秘密の屋敷に来る?ミゼットの総本部なんだけど。」
おもしろそうに笑いながら、ロアさんが言う。
「あそこ、飲み物そろってるんだわ。何でもあげるよ?」
「…。んじゃ、ココアあります?」
私が言うと、ロアさんは少し驚いた顔をした。
そして、また1人で笑う。
あ、今度は大笑いだ。
「奇遇ね。ミゼットの人達、みんなココア好きなの。もちろん、私もね。じゃ、行こっか。」
それは、たぶん。
話はそっちで、ってことだろう。
ちょっとパニック状態の頭で、そう思った。
Written by ふーちん
~小さな小さな はね物語~
第8章 1人の1年生
3.アイネ、です。
何事!?と思った。
あの天使――イブ、といったか。
イブにいじめられるのはもう何日も続いている。
今日は4方向挟み撃ちか…。
そう思っていたら、悪魔が来た。
上級生だということはわかる。
こないだの歓迎会にいたから。
微妙につり気味の目、真っ黒の髪。
どこか強気な感じで、なぜか印象に残っていたんだ。
で、その人がイブを倒し、私を今どこかへ連れ出そうとしている。
「何ですか?」
中庭だ。
私は体力がないため、足がすごく震えている。
「はっ、えっと…見てて助けたくなった?そだ、君、名前は?」
上級生悪魔さんは息が切れていた。
さっきイブを倒した人と同じに見えない。
「アイネ…。あなたは?」
「ロア。そっか…歓迎会で自己紹介できなかったから…。ミゼットウィングの報道担当。よろしく、アイネ。」
あぁ…あのアイドルグループ、ミゼットウィングっていうんだ…。
友達いないから、知らなかった。
「ね、のど乾かない?」
「へ?あ、まぁ…。」
「どっちよ。秘密の屋敷に来る?ミゼットの総本部なんだけど。」
おもしろそうに笑いながら、ロアさんが言う。
「あそこ、飲み物そろってるんだわ。何でもあげるよ?」
「…。んじゃ、ココアあります?」
私が言うと、ロアさんは少し驚いた顔をした。
そして、また1人で笑う。
あ、今度は大笑いだ。
「奇遇ね。ミゼットの人達、みんなココア好きなの。もちろん、私もね。じゃ、行こっか。」
それは、たぶん。
話はそっちで、ってことだろう。
ちょっとパニック状態の頭で、そう思った。
Written by ふーちん