あの日の老紳士 2021年02月10日 | 焼き芋みたいなショートエッセイ 焼き芋みたいな エッセイ・シリーズ (30) 『あの日の老紳士』森の風景を眺めようと部屋の窓際に立った時、目の前の「丘の階段」のちょうど真ん中辺りを、一人の御老人が杖をつきながら降りて来るところだった。僕はその御老人のおぼつかない足元が少し気にもなり、しばらく窓際から見守っていた。すると、ふいに、御老人が顔を上げ僕の方を見た。僕と老人の目が合った。距離に . . . 本文を読む