焼き芋みたいな エッセイ・シリーズ (22) 『視線』 んっ? んーん、やはり。 さっきから、ずっとこっちを見てる。 しかし、知らない顔なんだよなぁ。 まだ見てる。君、誰だよ? 人違いじゃないのか? . . . 本文を読む
焼き芋みたいな エッセイ・シリーズ (21) 『 場末のバーのお使い少年 』
僕が生まれ育ったのは、北海道の中央に位置する人口3万人ほどの小さな街だったが、 駅から少し離れた飲み屋街の一角で親戚の叔母がバーを営んでいた。 当時小学生だった僕は、時々お使いを頼まれその店によく行っていた。 いわゆる場末のバーの「お使い少年」だ。 母が . . . 本文を読む
焼き芋みたいな エッセイ・シリーズ⑳ 『 お盆とおはぎと千葉の月 』あれは僕がまだ大学2年生のお盆の夜のことだった。(まぁ、季節外れな話だこと)その日、ホテルレストランでのアルバイトを夕方に終えた僕はそのまま、北海道の函館から千葉県に引っ越して来た親戚の家へ泊まりに出掛けた。新橋駅から電車を乗り継ぎ、東京に隣接する千葉県の千葉駅に着いた。そして千葉駅から親戚の家がある新興 . . . 本文を読む
焼き芋みたいな エッセイ・シリーズ⑱ 『古本に保存されたタイムスリップ』 先日、友人からこんな話を聞いた。 街の書店で古本を買い、 喫茶店でコーヒーを飲みながらその古本を読んでいたら、 ページの合間に古い領収書が挟まっていた。 それが偶然にも、 今座っている喫茶店のレシートだったので驚いたと。 その本の持ち主だったであろう . . . 本文を読む
焼き芋みたいな エッセイ・シリーズ⑰ 『 外に出れば 』 たまにバスに乗れば、 降りる停留所のボタンをタイミングよく押せるか緊張し、 料金ちょうどの小銭があるかどうか緊張し、(PASMOにしなさい) 万が一の時、両替機の使い方が分からないぞと緊張し、(PASMOにしなさい) 降りる時はバスがちゃんと止まってから席を立たねばと緊張する。 . . . 本文を読む
焼き芋みたいな エッセイ・シリーズ⑯ 『 東京に大雪が降ると 』 氷点下41度の記録を持つ、 北海道の豪雪地帯に生まれ住んでいた者からすると、 <東京5㎝積雪でけが人続出!>というニュースを見る度に、 「たった5㎝で何で?」といつも不思議に思っていたけども、 その理由はこっちに来て分かった。 東京で初めて迎えた大雪の翌朝、 . . . 本文を読む
焼き芋みたいな エッセイ・シリーズ⑮ 『 K先生の格言 』 中学2年の時だ。 英語の筆記体を初めて習った時、もう英語はダメだと思った。 例えば、 This is my father's bag これを筆記体で僕は、 と、こんな風に続けて書かねばならないと勘違いした。 「こんなのどこで区切って読むんだ?」と呆然としたのを覚えてる . . . 本文を読む
焼き芋みたいな エッセイ・シリーズ⑭ 『 駅前食堂 』 ある方のブログを読んでいたら 「駅前食堂」の写真と記述があって、 なるほどなぁと思いながら読んでいる内に、親戚の伯父が営んでいた 「たぬき食堂」を思い出した。 店は北海道、深川駅の目の前にあったから、まさに「駅前食堂」だったわけだけど、 その食堂の座敷の席で . . . 本文を読む
焼き芋みたいな エッセイ・シリーズ⑬ 『 麻生のおばさん』 不思議とはっきりと、本当にはっきりと覚えてる。 おそらく僕がまだ2歳くらいの時だったんじゃないか。 母親に抱っこされてる僕を見て 「あらぁ可愛い。どこ行くの~?」と笑っていた麻生のおばさん。 . . . 本文を読む
焼き芋みたいな エッセイ・シリーズ⑫ 『いっつも』 久しぶりにAと会った。 相変わらず元気そうだったが、 珍しく神妙な顔つきでこんな話をしてくれた。 「もう一昨年の暮れの事になるけど、何かいっつも、 緊張感が足りないというかさ、刺激が欲しいな!と思った事がある . . . 本文を読む
焼き芋みたいな エッセイ・シリーズ⑪ 『 シンプル is best 』 「そんなわけだからAがBと交差した時点でCの選択も生まれるから、 Dを用意すればEも引っ張って来れるわけだ。分かるか?」 「はぁ」 「これが理解出来たらようやく次のFとGが使えるんだが大丈夫か?」 「 . . . 本文を読む
焼き芋みたいな エッセイ・シリーズ⑩ 『もし生まれ変わっても』 水の都、運河の街、 オランダのアムステルダム。 この街では夜になっても、窓のカーテンが閉められる事はほとんどない。 (もちろん就寝時は別) . . . 本文を読む
焼き芋みたいな エッセイ・シリーズ⑨ 『白のモンスター』 「俺について来い!」 男は言った。 「寒いからな、ジャンパー着て来い!ほれ!」 そう言って、精悍な顔つきをしたその男は、 板張りの戸を両腕で勢いよく押し . . . 本文を読む
焼き芋みたいな エッセイ・シリーズ⑧ 『シロクマくん』 アラスカやカナダやロシアでは、 シロクマに遭遇したら、「戦うしか道はない」と言われる。 逃げても足が速いからすぐに追いつかれるし、じっとしていてもやられる。 だから戦うしかない。 白熊が生息する地域の人達は、ちょ . . . 本文を読む
焼き芋みたいな エッセイ・シリーズ⑦ 『偉大な教師』 懐かしくふと思い出す人って、 大抵が皆、会っていて楽しかったり、じつにユーモアのある愉快だった人が多い。 人間は笑いやユーモアが好きなのだ。心がほぐれるから。 たとえば、真面目で硬いままの話より、 時おり笑いを交えた話の方が心 . . . 本文を読む