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(国師ヶ岳から金峰山を望む)
五日目の朝。今までに無くよく眠れたのはテントの設営が上手くいったからなのか、それとも単純に疲れていたからなのか。いずれにせよ携帯の目覚ましに反応していつも通り朝4時に起床します。テントに触ってみると、それほど結露はしていません。換気が上手くいったようです。曇りがちだった昨日の空に比べると今日は朝からすっきりと晴れています。いつも通り撤収作業に入ると他のテント泊の人たちは朝食の準備をしているところでした。小屋前のベンチで出発準備をしているとソロでテント泊をしていた若い男性が軽荷で甲武信ヶ岳へ向かっていきました。
今日泊る予定の大弛小屋では水が要煮沸となっているので、少し多目の4リットルの水を持っていきます。準備を終えて昨日歩いた道をゆっくりと登っていきます。一度歩いた道ということもあり、荷の重さはともかく気分的には楽な道です。きつい登りの途中、早くも先ほどの男性が帰ってきました。話をすると今日は雁坂峠まで行って道の駅みとみへ下るとのこと。主脈縦走する人は少ないんですね。山頂近くの露岩に差し掛かると南東の方角に朝日に照らされて冴えた富士山が姿を現します。素晴しい展望に喜び勇んで甲武信ヶ岳の山頂へ向かうと、そこには誰一人居ません。山頂を独り占めです。山頂からは富士山に始まり、これから向かう国師ヶ岳、明日向かう金峰山、小川山とその背後の八ヶ岳、そして昨日歩いた三宝山の姿が一望できます。遠くは南アルプスまで見えているようです。
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(山頂手前の岩場)
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(振り返って木賊山を見る)
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(冴えた富士山)
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(南アルプスも見える)
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(これから向かう国師ヶ岳)
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(甲武信ヶ岳からのパノラマ)
のんびりと展望を楽しんでいると下から人の声がします。誰か登ってきたのでしょう。そろそろ出発します。山頂直下は石がゴロゴロとしたガレた急坂で、岩を落さないように慎重に下っていきます。樹林帯に入ればガレ場も終わって落ち着いた奥秩父の道に戻ります。傾斜の緩くなった道を下っていると南側に何やら切り開きがあります。寄り道してみるとそこは露岩の上。ここからも富士山がよく見えます。甲武信ヶ岳を見上げてみると山頂に人が立っているのがよく見えます。手を振ってみましたがどうやら気付かなかったようです。
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(甲武信ヶ岳山頂直下のガレた下り)
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(露岩からの富士山)
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(露岩から甲武信ヶ岳山頂方面を見る)
縦走路に戻り、緩やかに下ると千曲川源流遊歩道への分岐に出ます。三時間弱で下山できるのでエスケープに良さそうです。緩やかに下っていた道も急に厳しい登り坂となります。ミズシ(水師)への登りです。途中富士山方面の見晴らしの良い露岩を通って山頂(2396)に着きます。遊歩道の分岐から20分くらいです。展望の無いミズシはさっさと下り、次の富士見へ向かいます。ミズシの急坂を下ると奥秩父らしい苔生したなだらかな尾根が続きます。うーん、渋い。やがて傾斜が増してちょっと苦しくなった頃、富士見(2373)に到着。ここも樹林に囲まれ展望はありませんが、五郎山へと連なる枝尾根の出発点として重要な意味を持っています。枝尾根にはロープが張ってあり、通せんぼされていますが、この道を行く人もいるのでしょうか。
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(ミズシ途中の露岩)
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(露岩からの富士山)
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(ミズシ)
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(苔生した尾根道)
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(富士見)
富士見で休憩を取っていると甲武信ヶ岳方面から人がやって来ました。おそらく先ほどの露岩から甲武信ヶ岳を眺めたときに山頂にいた人達でしょう。大荷物を背負った中高年のご夫婦で、昨日甲武信小屋でテントを張った人達のようです。彼らのほうが速そうだったので先へ行ってもらおうとしたのですが、結局先を譲られてしまいました。富士見から国師ヶ岳の急坂に差し掛かるまでは渋い奥秩父の道が続きます。富士見の急坂を下ってなだらかな尾根を行くと道は進行方向左側が開けた露岩の上に出ます。ちょうどエアリアでいうところの両門ノ頭(2263)で、富士山から国師ヶ岳・朝日岳辺りまでが見渡せます。
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(両門ノ頭から富士山方面)
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(両門ノ頭から国師ヶ岳・朝日岳の尾根とその向こうに金峰山)
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(朝日岳から北に延びる尾根は結構岩がゴツゴツ)
両門ノ頭を過ぎると変化の無い道がダラダラと続きます。現在地の把握が面倒で精神的にも辛いところ。樹林に囲まれた狭い露岩のピークが東梓(2271.6)。小さなプレートが付けられているだけの何の変哲も無いピークですが、一先ず休憩を取ります。この後2224のピークで境界の標石を見た後は顕著なピークを巻いてしまうので、現在地の把握は難しくなります。国師ノタルの標識も見落とし、倒木のトンネルを潜ったり、避けたりしているうちに傾斜がきつい道となってきました。おそらく国師ヶ岳への最後の登りを登っているのでしょう。シャクナゲの蜜藪と羽虫の大群に悩まされながら登っていくと傾斜が緩くなります。これで国師ヶ岳か、と思ったらまだ2465のピーク。その先の大岩の側で見晴らしの良い所があったのでそこで少し休憩。4リットルあった水も瞬く間に2リットルまで減ってしまいました。2465のピークから何度か見晴らしの良い所を通過しつつシャクナゲの密藪を抜けていくと傾斜が不意に緩みます。視線の先には道標のシルエットが見えます。道標まで駆け上がると天狗尾根からの道に合流です。倒木が多く、疎林となった縦走路の先には国師ヶ岳の頭が見えています。岩の上で休憩を取って出発です。
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(東梓のプレート)
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(不思議な形をした木)
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(トンネルとなった倒木を潜ります)
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(2224の標石)
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(縦走路中見晴らしの良い所からの展望)
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(国師ヶ岳への登り シャクナゲの枝が鬱陶しい)
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(天狗尾根の分岐)
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(国師ヶ岳はあと少し)
相変わらずシャクナゲの枝と羽虫に悩まされつつ進むと岩が転がった白砂のピークが見えてきました。国師ヶ岳(2591.8)に到着です。富士山はすっかり雲に隠れてしまいましたが、北奥千丈岳の平たい山頂が大きく迫ります。その右には五丈石を頂いた金峰山が眼前にあります。明日はあの頂に立ち、そしてこの長い旅も終わります。南アルプスや甲府盆地を眺めて一人物思いに耽っていると大弛峠側から人が登ってきました。中高年の男女三人組でなかなか賑やかな人達です。でも気分が良かったので記念写真を撮ってあげました。しばらくすると富士見で会ったご夫婦も登ってきました。休憩がてら話掛けてみると北海道からはるばるやって来たとのこと。昨日は沢を遡って甲武信ヶ岳へ登り、今日は金峰山の周辺にテントを張るとのことでした。ご夫婦の出発を見送って、自分も出発しようとすると三人組のひとりのオバチャンが梨をくれました。「もう食料が尽き掛けていたので、ちょうど良かったです」などと話していたら、他の人からもバナナとパンを頂きました。この山旅中に全て美味しく頂きました。この場を借りてあらためてお礼申し上げます。有難うございました。
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(国師ヶ岳)
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(北奥千丈岳 山頂の様子を肉眼で把握することが出来ます)
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(雲の上に南アルプス)
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(甲府盆地も見える)
国師ヶ岳から北奥千丈岳へは石が露出したやや歩きにくい道を進みます。傾斜がフラットになると間も無く樹林帯を抜け、ベンチのある北奥千丈岳への分岐に出ます。見ると大きなザックが二つ置いてあり、沢登りをしたご夫婦が置いていったようです。ハイマツとシャクナゲに囲まれた坂を登っていくとこちらも白砂の上に岩が転がる北奥千丈岳(2601)の山頂に到着です。ちょうど入れ替わりで先ほどのご夫婦が下りていくところでしたが、写真を撮ってくれました。どうも有難うございました。北奥千丈岳からは南アルプスから金峰山、国師ヶ岳、木賊山などが見渡せます。眺めの範囲だけなら国師ヶ岳よりも広いかもしれません。でも国師ヶ岳は富士山が見えますからねぇ。
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(国師ヶ岳からの下りで見た紅葉)
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(北奥千丈岳 tokoroも写ってます)
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(国師ヶ岳の山頂が肉眼で確認できます)
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(金峰山の眺め)
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(北奥千丈岳からのパノラマ)
往路を戻り、西にある白砂のピークが前国師岳。展望は北奥千丈岳とさほど変わりません。前国師岳からは木の階段が続きます。ゴム先のないストックで突く訳にはいかないので、ここでストックをしまいます。延々と続くかに思われる木の階段を下りていくと夢の庭園との分岐に出ます。エアリアでは夢の庭園経由でも大弛峠へ下りられるというので、夢の庭園へ寄っていくことにします。樹林帯の急坂を下っていくと露岩の見晴らしに出ました。金峰山の頭が少し覗かせる程度の眺めが得られます。露岩を進んで木の階段に上がると大弛峠が見えました。随分車が止まっていますねぇ。
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(前国師岳)
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(金峰山方面の眺め)
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(木の階段 歩きやすい高さだと思います)
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(夢の庭園から)
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(大弛峠を見下ろす)
再び延々と続く木の階段を下り、水の音が聞こえてくると大弛小屋の前に出ます。小屋に入ると若い小屋番さんが受付をしてくれました。テン場代は600円。車で荷揚げができることもあって色々食事が注文できるようです。あまりにもお腹が空いていたので、峠特製カレーを頼んでみることにしました。こちらは700円。味は期待していなかったのですが、これがなかなか美味い。ブロッコリー等々野菜がたっぷり入っています。お腹も満たされたところでテントの設営です。テントサイトは番号で割り振られており、綺麗に整備されています。小屋に近いほうが良いだろうということで6番のサイトにテントを張りました。石が結構転がっていたので、石でテントを固定しました。その後は水作り。煮沸して冷ましてを繰り返して何とか2リットルの水を作ることが出来ました。これで明日の縦走も十分持つでしょう。さてそんな水作りをしている頃、続々とテントを張る人がやって来ました。皆大弛峠まで車やバイクでやって来た人達で、私のような縦走者はいませんでした。車で来る人達は物量が豊富で羨ましいねぇ。でもテント張りは甘い人が多かったです。やっぱりこのサイトは山とは異質なサイトなんでしょうね。樹の下のサイトだったにも関わらず、夜になると随分と冷えてきました。入口を全部閉めて寝袋を頭まで被って何とか眠りにつくことができました。明日はいよいよ最終日です。
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(大弛小屋)
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(大弛峠)
DATA:
甲武信小屋5:35~5:58甲武信ヶ岳~6:32千曲川源流遊歩道分岐~6:50ミズシ~7:26富士見~7:56両門ノ頭~8:48東梓
~9:13 2224のピーク~11:13天狗尾根分岐~11:27国師ヶ岳~12:14北奥千丈岳~12:33前国師岳~12:52夢の庭園
~13:03大弛小屋(テント泊)
大弛小屋キャンプ料金 600円 カレーは700円
水は一回100円を募金とのこと
トイレは峠下の公衆トイレを利用 汚いです 紙は備え付け
テント場は広く、樹林帯の中にあります 石があるので石で固定できます
あと忘れていましたが、携帯電話は公衆トイレ近くで利用できます
ほか携帯電話の利用状況
雲取山荘ー不可 将監小屋ー利用可 雁坂小屋ー川又方面下りると利用可(よく通じる) 甲武信小屋ー利用可
地形図 金峰山
五日目の朝。今までに無くよく眠れたのはテントの設営が上手くいったからなのか、それとも単純に疲れていたからなのか。いずれにせよ携帯の目覚ましに反応していつも通り朝4時に起床します。テントに触ってみると、それほど結露はしていません。換気が上手くいったようです。曇りがちだった昨日の空に比べると今日は朝からすっきりと晴れています。いつも通り撤収作業に入ると他のテント泊の人たちは朝食の準備をしているところでした。小屋前のベンチで出発準備をしているとソロでテント泊をしていた若い男性が軽荷で甲武信ヶ岳へ向かっていきました。
今日泊る予定の大弛小屋では水が要煮沸となっているので、少し多目の4リットルの水を持っていきます。準備を終えて昨日歩いた道をゆっくりと登っていきます。一度歩いた道ということもあり、荷の重さはともかく気分的には楽な道です。きつい登りの途中、早くも先ほどの男性が帰ってきました。話をすると今日は雁坂峠まで行って道の駅みとみへ下るとのこと。主脈縦走する人は少ないんですね。山頂近くの露岩に差し掛かると南東の方角に朝日に照らされて冴えた富士山が姿を現します。素晴しい展望に喜び勇んで甲武信ヶ岳の山頂へ向かうと、そこには誰一人居ません。山頂を独り占めです。山頂からは富士山に始まり、これから向かう国師ヶ岳、明日向かう金峰山、小川山とその背後の八ヶ岳、そして昨日歩いた三宝山の姿が一望できます。遠くは南アルプスまで見えているようです。
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(山頂手前の岩場)
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(振り返って木賊山を見る)
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(冴えた富士山)
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(南アルプスも見える)
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(これから向かう国師ヶ岳)
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(甲武信ヶ岳からのパノラマ)
のんびりと展望を楽しんでいると下から人の声がします。誰か登ってきたのでしょう。そろそろ出発します。山頂直下は石がゴロゴロとしたガレた急坂で、岩を落さないように慎重に下っていきます。樹林帯に入ればガレ場も終わって落ち着いた奥秩父の道に戻ります。傾斜の緩くなった道を下っていると南側に何やら切り開きがあります。寄り道してみるとそこは露岩の上。ここからも富士山がよく見えます。甲武信ヶ岳を見上げてみると山頂に人が立っているのがよく見えます。手を振ってみましたがどうやら気付かなかったようです。
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(甲武信ヶ岳山頂直下のガレた下り)
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(露岩からの富士山)
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(露岩から甲武信ヶ岳山頂方面を見る)
縦走路に戻り、緩やかに下ると千曲川源流遊歩道への分岐に出ます。三時間弱で下山できるのでエスケープに良さそうです。緩やかに下っていた道も急に厳しい登り坂となります。ミズシ(水師)への登りです。途中富士山方面の見晴らしの良い露岩を通って山頂(2396)に着きます。遊歩道の分岐から20分くらいです。展望の無いミズシはさっさと下り、次の富士見へ向かいます。ミズシの急坂を下ると奥秩父らしい苔生したなだらかな尾根が続きます。うーん、渋い。やがて傾斜が増してちょっと苦しくなった頃、富士見(2373)に到着。ここも樹林に囲まれ展望はありませんが、五郎山へと連なる枝尾根の出発点として重要な意味を持っています。枝尾根にはロープが張ってあり、通せんぼされていますが、この道を行く人もいるのでしょうか。
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(ミズシ途中の露岩)
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(露岩からの富士山)
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(ミズシ)
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(苔生した尾根道)
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(富士見)
富士見で休憩を取っていると甲武信ヶ岳方面から人がやって来ました。おそらく先ほどの露岩から甲武信ヶ岳を眺めたときに山頂にいた人達でしょう。大荷物を背負った中高年のご夫婦で、昨日甲武信小屋でテントを張った人達のようです。彼らのほうが速そうだったので先へ行ってもらおうとしたのですが、結局先を譲られてしまいました。富士見から国師ヶ岳の急坂に差し掛かるまでは渋い奥秩父の道が続きます。富士見の急坂を下ってなだらかな尾根を行くと道は進行方向左側が開けた露岩の上に出ます。ちょうどエアリアでいうところの両門ノ頭(2263)で、富士山から国師ヶ岳・朝日岳辺りまでが見渡せます。
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(両門ノ頭から富士山方面)
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(両門ノ頭から国師ヶ岳・朝日岳の尾根とその向こうに金峰山)
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(朝日岳から北に延びる尾根は結構岩がゴツゴツ)
両門ノ頭を過ぎると変化の無い道がダラダラと続きます。現在地の把握が面倒で精神的にも辛いところ。樹林に囲まれた狭い露岩のピークが東梓(2271.6)。小さなプレートが付けられているだけの何の変哲も無いピークですが、一先ず休憩を取ります。この後2224のピークで境界の標石を見た後は顕著なピークを巻いてしまうので、現在地の把握は難しくなります。国師ノタルの標識も見落とし、倒木のトンネルを潜ったり、避けたりしているうちに傾斜がきつい道となってきました。おそらく国師ヶ岳への最後の登りを登っているのでしょう。シャクナゲの蜜藪と羽虫の大群に悩まされながら登っていくと傾斜が緩くなります。これで国師ヶ岳か、と思ったらまだ2465のピーク。その先の大岩の側で見晴らしの良い所があったのでそこで少し休憩。4リットルあった水も瞬く間に2リットルまで減ってしまいました。2465のピークから何度か見晴らしの良い所を通過しつつシャクナゲの密藪を抜けていくと傾斜が不意に緩みます。視線の先には道標のシルエットが見えます。道標まで駆け上がると天狗尾根からの道に合流です。倒木が多く、疎林となった縦走路の先には国師ヶ岳の頭が見えています。岩の上で休憩を取って出発です。
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(東梓のプレート)
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(不思議な形をした木)
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(トンネルとなった倒木を潜ります)
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(2224の標石)
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(縦走路中見晴らしの良い所からの展望)
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(国師ヶ岳への登り シャクナゲの枝が鬱陶しい)
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(天狗尾根の分岐)
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(国師ヶ岳はあと少し)
相変わらずシャクナゲの枝と羽虫に悩まされつつ進むと岩が転がった白砂のピークが見えてきました。国師ヶ岳(2591.8)に到着です。富士山はすっかり雲に隠れてしまいましたが、北奥千丈岳の平たい山頂が大きく迫ります。その右には五丈石を頂いた金峰山が眼前にあります。明日はあの頂に立ち、そしてこの長い旅も終わります。南アルプスや甲府盆地を眺めて一人物思いに耽っていると大弛峠側から人が登ってきました。中高年の男女三人組でなかなか賑やかな人達です。でも気分が良かったので記念写真を撮ってあげました。しばらくすると富士見で会ったご夫婦も登ってきました。休憩がてら話掛けてみると北海道からはるばるやって来たとのこと。昨日は沢を遡って甲武信ヶ岳へ登り、今日は金峰山の周辺にテントを張るとのことでした。ご夫婦の出発を見送って、自分も出発しようとすると三人組のひとりのオバチャンが梨をくれました。「もう食料が尽き掛けていたので、ちょうど良かったです」などと話していたら、他の人からもバナナとパンを頂きました。この山旅中に全て美味しく頂きました。この場を借りてあらためてお礼申し上げます。有難うございました。
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(国師ヶ岳)
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(北奥千丈岳 山頂の様子を肉眼で把握することが出来ます)
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(雲の上に南アルプス)
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(甲府盆地も見える)
国師ヶ岳から北奥千丈岳へは石が露出したやや歩きにくい道を進みます。傾斜がフラットになると間も無く樹林帯を抜け、ベンチのある北奥千丈岳への分岐に出ます。見ると大きなザックが二つ置いてあり、沢登りをしたご夫婦が置いていったようです。ハイマツとシャクナゲに囲まれた坂を登っていくとこちらも白砂の上に岩が転がる北奥千丈岳(2601)の山頂に到着です。ちょうど入れ替わりで先ほどのご夫婦が下りていくところでしたが、写真を撮ってくれました。どうも有難うございました。北奥千丈岳からは南アルプスから金峰山、国師ヶ岳、木賊山などが見渡せます。眺めの範囲だけなら国師ヶ岳よりも広いかもしれません。でも国師ヶ岳は富士山が見えますからねぇ。
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(国師ヶ岳からの下りで見た紅葉)
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(北奥千丈岳 tokoroも写ってます)
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(国師ヶ岳の山頂が肉眼で確認できます)
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(金峰山の眺め)
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(北奥千丈岳からのパノラマ)
往路を戻り、西にある白砂のピークが前国師岳。展望は北奥千丈岳とさほど変わりません。前国師岳からは木の階段が続きます。ゴム先のないストックで突く訳にはいかないので、ここでストックをしまいます。延々と続くかに思われる木の階段を下りていくと夢の庭園との分岐に出ます。エアリアでは夢の庭園経由でも大弛峠へ下りられるというので、夢の庭園へ寄っていくことにします。樹林帯の急坂を下っていくと露岩の見晴らしに出ました。金峰山の頭が少し覗かせる程度の眺めが得られます。露岩を進んで木の階段に上がると大弛峠が見えました。随分車が止まっていますねぇ。
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(前国師岳)
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(金峰山方面の眺め)
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(木の階段 歩きやすい高さだと思います)
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(夢の庭園から)
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(大弛峠を見下ろす)
再び延々と続く木の階段を下り、水の音が聞こえてくると大弛小屋の前に出ます。小屋に入ると若い小屋番さんが受付をしてくれました。テン場代は600円。車で荷揚げができることもあって色々食事が注文できるようです。あまりにもお腹が空いていたので、峠特製カレーを頼んでみることにしました。こちらは700円。味は期待していなかったのですが、これがなかなか美味い。ブロッコリー等々野菜がたっぷり入っています。お腹も満たされたところでテントの設営です。テントサイトは番号で割り振られており、綺麗に整備されています。小屋に近いほうが良いだろうということで6番のサイトにテントを張りました。石が結構転がっていたので、石でテントを固定しました。その後は水作り。煮沸して冷ましてを繰り返して何とか2リットルの水を作ることが出来ました。これで明日の縦走も十分持つでしょう。さてそんな水作りをしている頃、続々とテントを張る人がやって来ました。皆大弛峠まで車やバイクでやって来た人達で、私のような縦走者はいませんでした。車で来る人達は物量が豊富で羨ましいねぇ。でもテント張りは甘い人が多かったです。やっぱりこのサイトは山とは異質なサイトなんでしょうね。樹の下のサイトだったにも関わらず、夜になると随分と冷えてきました。入口を全部閉めて寝袋を頭まで被って何とか眠りにつくことができました。明日はいよいよ最終日です。
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(大弛小屋)
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(大弛峠)
DATA:
甲武信小屋5:35~5:58甲武信ヶ岳~6:32千曲川源流遊歩道分岐~6:50ミズシ~7:26富士見~7:56両門ノ頭~8:48東梓
~9:13 2224のピーク~11:13天狗尾根分岐~11:27国師ヶ岳~12:14北奥千丈岳~12:33前国師岳~12:52夢の庭園
~13:03大弛小屋(テント泊)
大弛小屋キャンプ料金 600円 カレーは700円
水は一回100円を募金とのこと
トイレは峠下の公衆トイレを利用 汚いです 紙は備え付け
テント場は広く、樹林帯の中にあります 石があるので石で固定できます
あと忘れていましたが、携帯電話は公衆トイレ近くで利用できます
ほか携帯電話の利用状況
雲取山荘ー不可 将監小屋ー利用可 雁坂小屋ー川又方面下りると利用可(よく通じる) 甲武信小屋ー利用可
地形図 金峰山