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(西破風山の下りから木賊山と甲武信ヶ岳)
四日目の朝がやって来ました。今日から後半戦です。テントに触ると…昨日以上に結露しています。何度が拭きましたが今日は濡れ物を背負って歩くしかないようです。今日は六日間の中で最も行程の短い日。のんびり歩けそうな気もしますが、上手くいくでしょうか。まずは雁坂峠を目指して急坂を登っていきます。道がジグザグに付けられているためか思ったよりも歩きやすいです。樹林が切れれば間も無く雁坂峠。日本三大峠の一つにも数えられる峠は南西側が大きく開けています。ちょっとガスっていますが、薄靄の中富士山が浮かび上がっています。
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(雁坂峠 北西側を見る)
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(雁坂峠からの富士山)
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(国師ヶ岳方面 まだ月が残っています)
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(雁坂峠のパノラマ)
雁坂峠から雁坂嶺へは割と緩やかな登り。最初は笹原の中を登っていきますが、次第に樹林帯へ入っていきます。45分ほど掛けてゆっくりと登って雁坂嶺(2289.2)に到着。樹林に囲まれた小広い地味なピークですが、道標や標柱は色々立っていて何だか賑やか。ここって山梨百名山なんですね。知らなかった。
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(雁坂嶺 側にあるのは私の70リットルのザック)
雁坂嶺からは比較的緩やかな下り。途中梢越しに木賊山・甲武信ヶ岳・三宝山の山並が見えます。意外と甲武信ヶ岳は小じんまりとした山ですね。三宝山のほうが三宝岩もあって結構目立つ山です。傾斜がフラットになった道を進むと枯れた木が目立ちます。エアリアの解説によると八ヶ岳などでも見られる縞枯れ現象であるとのことです。枯れた木の間からは時々富士山も顔を覗かせ、なかなか面白い道です。やがて少しずつ高度を上げ、露岩帯を過ぎると樹林の中の急な登りとなります。地形図で見た感じ、この登りを登りきれば東破風山へ着きそうです。重いザックに泣かされながら登ると疎林に囲まれた東破風山(2260)に到着です。立派な標柱の立つ山頂からは木の間越しに木賊山と甲武信ヶ岳の姿を見ることが出来ます。
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(雁坂嶺の下りから木賊山・甲武信ヶ岳・三宝山)
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(縞枯れの林を行く)
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(東破風山への急坂)
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(東破風山頂)
東破風山から西破風山へは地形図を見る限りでは比較的なだらかな尾根を進みます。ところが実際に歩いてみるとこれが酷く歩きにくい道。ゴロゴロとした露岩が積み上がる中、足の踏み場を探して歩いていきます。足を挫かないよう、岩から足を滑らさないよう細心の注意を払います。ただ岩がゴロゴロとしている分、展望は頗る良好です。岩の上に立てば南西方向にパノラマが広がり、広瀬湖の上に浮かぶ富士山は絵になります。シャクナゲの生える露岩帯を進んでいくと樹林に囲まれた西破風山(2317.7)に到着です。道標や標柱が乱立しているだけで、展望のない地味なピークです。
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(西破風山の向こうに木賊山と甲武信ヶ岳)
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(広瀬湖の上に浮かぶ富士山)
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(尾根上の露岩 この上を乗り越えていきます)
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(西破風山頂)
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(破風山の尾根上からのパノラマ)
西破風山で一息吐いた後は笹平への急な下りが待っています。ペンキマークの付いた露岩の下りはどこか蓼科山の最後の登りを思わせます。露岩からはこれから向かおうとする木賊山が大きく聳え立ちます。よく見ると下のほうは所々笹原が茂り、気持ちが良さそうです。ハイマツやシャクナゲの生える急坂を慎重に下っていくと、周囲の木が高くなって傾斜が緩みます。ここまで下りてくれば、とりあえず大丈夫でしょう。笹原の生える樹林を抜けていくと赤茶色の建物が見えてきました。笹平に建つ破風山避難小屋です。見通しの良い笹原に建つ避難小屋は内部が板敷きで宿泊に適すると思います。八幡平や秋田駒辺りの避難小屋のような窓が付いていないのがちょっと残念な気はしますが。近くに水場もあるほか、45分ほど歩けばトサカ林道へ下りることもできるようです。
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(破風山避難小屋)
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(避難小屋内部 ちょっと掃除が必要かな)
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(笹平から南側の展望)
さあ、今日最後の難所に挑みます。特に木賊山頂付近の巻き道至るまでの標高差200mくらいが曲者でしょう。まずは縞枯れの目立つ緩やかな道を登っていきます。土というよりは砂っぽい地面が特徴的。シャクナゲの多い道は段々と深く抉れてくるようになります。道が水の流れる所となってしまっているのでしょう。傾斜が増してくると同時に道の抉れ方も酷くなっていきます。深さ1mくらいはあるかもしれません。シャクナゲの藪も左右から迫り、不快指数はかなり高め。靴も土というか砂まみれになってきました。何度も立ち止まりながら登ると頭上に開けた露岩が見えてきます。おそらくサイノ河原でしょう。滑りやすい砂地を慎重に上がっていくと砂地と露岩が点在する荒涼とした風景が広がります。なかなか見晴らしの良い所で、振り返ると西破風山がいくらか低く見えるようになってきました。縞枯れも目立つ木賊山の山頂へはまだだいぶありそうですが、今回は巻き道を進んでしまう予定です。
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(木賊山の登り まだ抉れ方がマシな所)
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(サイノ河原が見えてきました)
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(サイノ河原から西破風山を振り返る)
サイノ河原から先もまだまだ厳しい登りが続きます。それでも20分ほど登れば傾斜も緩みます。苔生した樹林帯に戻り、奥秩父の山に戻ってきたという印象です。緩やかな坂を登っていくと前方からロールマットを着けた女性がやって来ました。年齢はいくつくらいかわかりませんが、マットがあったくらいなのでテント泊だったのでしょうか。女性と擦れ違うとすぐに木賊山と甲武信小屋との分岐に出ます。地形図で見た限りでは木賊山もそれほど苦も無く登れそうな気もしますが、真直ぐ甲武信小屋を目指すことにします。アップダウンの少ない巻き道はこれまで歩いた巻き道の中でも最も快適な道です。いつもより早いペースで歩いていくと樹林の向こうに建物が見えてきました。甲武信小屋です。小屋の前で作業をしていたご主人の山中さんにテントの受付を申し込むと「もうテント張っちゃうの?」と言われてしまいました。確かにまだ11時なんですよね。でも14時になったら受け付けるからその前にテントは張ってよいとのことだったので、有難くテントを張らせていただきました。テント場は小屋下の樹林帯にあり、テントを固定するのにちょうど良さげな石も転がっています。テントを張って一息吐いたら、縦走路から外れた三宝山へ足を延ばしてみることにします。
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(甲武信小屋への巻き道との分岐)
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(甲武信小屋)
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(テント場)
三宝山は埼玉県の最高峰で、埼玉県民である私にとっては甲武信ヶ岳よりも登ってみたい山のひとつでした。でかいザックは必要ないのでサブザックに水・お菓子・雨具を入れて出発します。エアリアに描いてある巻き道を行こうと思ったのですが、巻き道へ抜けるところが分かりません。仕方なく甲武信ヶ岳を経由して三宝山へ行ってみることにします。甲武信小屋から甲武信ヶ岳へは結構急な道ですが、サブザックだと割と簡単に登っていけます。熊鈴を鳴らしていなかったので、突然の人の出現に驚いた鹿が逃げていきました。この辺りではまだ鈴の力は絶大のようです。しばらく樹林帯を登ると頭上に露岩が見えてきて、周囲が開けてきます。今日はガスで何も見えませんが、おそらく展望の良いところなのでしょう。露岩のところで北に折れ曲がるように進むと樹林の向こうが甲武信ヶ岳の山頂(2475)でした。山頂標識には三人の親子連れらしき人達が服などを置いて占拠しており、記念写真を撮ることもままなりません。時々標識なんかに服を乾かしている人がいるけれども、ホントに迷惑だよな。山頂からはガスに巻かれていない近くの山々は何とか見ることができます。特にこれから向かう三宝山はのっぺりとした山容にゴツゴツとした三宝岩を隠し持っていることがよくわかります。
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(甲武信ヶ岳から三宝山)
甲武信ヶ岳から三宝山へは最初こそ急な下りですが、すぐになだらかな尾根道へと変わります。なだらかな尾根道となる辺りで甲武信小屋への巻き道が分岐しています。帰りはここを使うことにしましょう。緩やかなアップダウンを走るように早足で進んでいると前から中高年の男性がやって来ました。三宝山までどのくらいか聞いてみると、緩やかに下った後は急な登りとなって山頂に着くとのこと。実際男性の言うとおり緩やかに下った後は急な登りが待っていました。木の根が張り出していることが多く、結構歩きにくい道です。それでも甲武信小屋への分岐から20分ほどで三宝山頂(2483.3)に着きました。広い山頂は樹林に囲まれ、展望は全くありません。それでもここへ来られて満足です。エアリアには途中三宝岩への踏み跡があるとのことでしたが、見つけることは出来ませんでした。まあ、でもこのルートはいずれ十文字小屋経由でまた来ようと思っています。
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(三宝山)
帰りは三宝山からの下りを慎重に下った後は甲武信小屋への巻き道を進みます。この巻き道も木賊山の巻き道と同じく快適な道です。途中には柳小屋へ下る道も分岐していました。さて小屋の敷地へはどのようにして入るのでしょうか。小屋に近づくと獣避けのフェンスに扉が付いています。ははぁ、ここから入ればよいのだな。扉を開けようとすると人が横になって通れる程度しか開きません。うーん、これはデカザックを持っては通ることが出来そうに無いなぁ。何とか扉を抜けて敷地に入ることが出来ましたが、あまり使うには適当では無いような気がします。テントに帰ると虫が酷く集っています。ベンチレータから入ったのかテント内にも虫がいます。これだからあまり早くテントを張らないほうが良かったのか…。とりあえずベンチレータのメッシュ部分を固く縛って外で過ごすことにします。お昼を回った頃から他のお客さんもやって来るようになりました。結局この日、小屋泊まりは一人だけ、テント泊は私を含めて三張りでした。今日も割と静かなテン場の夜が更けてゆきます。テントは換気のため入口をメッシュだけにしておきました。ちょっと寒いものの、これで結露しないと良いのですが…。
DATA:
雁坂小屋5:48~6:09雁坂峠~7:01雁坂嶺~8:05東破風山~8:40西破風山~9:25破風山避難小屋~10:09サイノ河原
~10:39甲武信小屋分岐~10:51甲武信小屋(テント泊)
甲武信小屋~11:46甲武信ヶ岳~12:09三宝山~12:46甲武信小屋
甲武信小屋キャンプ料金 500円
水は1リットル50円
トイレは水洗 かなり綺麗です 紙は備え付けで捨てる所があります
テント場は広く、樹林帯の中にあります 石があるので石で固定できます
地形図 雁坂峠 金峰山
四日目の朝がやって来ました。今日から後半戦です。テントに触ると…昨日以上に結露しています。何度が拭きましたが今日は濡れ物を背負って歩くしかないようです。今日は六日間の中で最も行程の短い日。のんびり歩けそうな気もしますが、上手くいくでしょうか。まずは雁坂峠を目指して急坂を登っていきます。道がジグザグに付けられているためか思ったよりも歩きやすいです。樹林が切れれば間も無く雁坂峠。日本三大峠の一つにも数えられる峠は南西側が大きく開けています。ちょっとガスっていますが、薄靄の中富士山が浮かび上がっています。
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(雁坂峠 北西側を見る)
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(雁坂峠からの富士山)
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(国師ヶ岳方面 まだ月が残っています)
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(雁坂峠のパノラマ)
雁坂峠から雁坂嶺へは割と緩やかな登り。最初は笹原の中を登っていきますが、次第に樹林帯へ入っていきます。45分ほど掛けてゆっくりと登って雁坂嶺(2289.2)に到着。樹林に囲まれた小広い地味なピークですが、道標や標柱は色々立っていて何だか賑やか。ここって山梨百名山なんですね。知らなかった。
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(雁坂嶺 側にあるのは私の70リットルのザック)
雁坂嶺からは比較的緩やかな下り。途中梢越しに木賊山・甲武信ヶ岳・三宝山の山並が見えます。意外と甲武信ヶ岳は小じんまりとした山ですね。三宝山のほうが三宝岩もあって結構目立つ山です。傾斜がフラットになった道を進むと枯れた木が目立ちます。エアリアの解説によると八ヶ岳などでも見られる縞枯れ現象であるとのことです。枯れた木の間からは時々富士山も顔を覗かせ、なかなか面白い道です。やがて少しずつ高度を上げ、露岩帯を過ぎると樹林の中の急な登りとなります。地形図で見た感じ、この登りを登りきれば東破風山へ着きそうです。重いザックに泣かされながら登ると疎林に囲まれた東破風山(2260)に到着です。立派な標柱の立つ山頂からは木の間越しに木賊山と甲武信ヶ岳の姿を見ることが出来ます。
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(雁坂嶺の下りから木賊山・甲武信ヶ岳・三宝山)
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(縞枯れの林を行く)
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(東破風山への急坂)
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(東破風山頂)
東破風山から西破風山へは地形図を見る限りでは比較的なだらかな尾根を進みます。ところが実際に歩いてみるとこれが酷く歩きにくい道。ゴロゴロとした露岩が積み上がる中、足の踏み場を探して歩いていきます。足を挫かないよう、岩から足を滑らさないよう細心の注意を払います。ただ岩がゴロゴロとしている分、展望は頗る良好です。岩の上に立てば南西方向にパノラマが広がり、広瀬湖の上に浮かぶ富士山は絵になります。シャクナゲの生える露岩帯を進んでいくと樹林に囲まれた西破風山(2317.7)に到着です。道標や標柱が乱立しているだけで、展望のない地味なピークです。
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(西破風山の向こうに木賊山と甲武信ヶ岳)
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(広瀬湖の上に浮かぶ富士山)
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(西破風山頂)
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(破風山の尾根上からのパノラマ)
西破風山で一息吐いた後は笹平への急な下りが待っています。ペンキマークの付いた露岩の下りはどこか蓼科山の最後の登りを思わせます。露岩からはこれから向かおうとする木賊山が大きく聳え立ちます。よく見ると下のほうは所々笹原が茂り、気持ちが良さそうです。ハイマツやシャクナゲの生える急坂を慎重に下っていくと、周囲の木が高くなって傾斜が緩みます。ここまで下りてくれば、とりあえず大丈夫でしょう。笹原の生える樹林を抜けていくと赤茶色の建物が見えてきました。笹平に建つ破風山避難小屋です。見通しの良い笹原に建つ避難小屋は内部が板敷きで宿泊に適すると思います。八幡平や秋田駒辺りの避難小屋のような窓が付いていないのがちょっと残念な気はしますが。近くに水場もあるほか、45分ほど歩けばトサカ林道へ下りることもできるようです。
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(破風山避難小屋)
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(笹平から南側の展望)
さあ、今日最後の難所に挑みます。特に木賊山頂付近の巻き道至るまでの標高差200mくらいが曲者でしょう。まずは縞枯れの目立つ緩やかな道を登っていきます。土というよりは砂っぽい地面が特徴的。シャクナゲの多い道は段々と深く抉れてくるようになります。道が水の流れる所となってしまっているのでしょう。傾斜が増してくると同時に道の抉れ方も酷くなっていきます。深さ1mくらいはあるかもしれません。シャクナゲの藪も左右から迫り、不快指数はかなり高め。靴も土というか砂まみれになってきました。何度も立ち止まりながら登ると頭上に開けた露岩が見えてきます。おそらくサイノ河原でしょう。滑りやすい砂地を慎重に上がっていくと砂地と露岩が点在する荒涼とした風景が広がります。なかなか見晴らしの良い所で、振り返ると西破風山がいくらか低く見えるようになってきました。縞枯れも目立つ木賊山の山頂へはまだだいぶありそうですが、今回は巻き道を進んでしまう予定です。
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(木賊山の登り まだ抉れ方がマシな所)
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(サイノ河原が見えてきました)
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(サイノ河原から西破風山を振り返る)
サイノ河原から先もまだまだ厳しい登りが続きます。それでも20分ほど登れば傾斜も緩みます。苔生した樹林帯に戻り、奥秩父の山に戻ってきたという印象です。緩やかな坂を登っていくと前方からロールマットを着けた女性がやって来ました。年齢はいくつくらいかわかりませんが、マットがあったくらいなのでテント泊だったのでしょうか。女性と擦れ違うとすぐに木賊山と甲武信小屋との分岐に出ます。地形図で見た限りでは木賊山もそれほど苦も無く登れそうな気もしますが、真直ぐ甲武信小屋を目指すことにします。アップダウンの少ない巻き道はこれまで歩いた巻き道の中でも最も快適な道です。いつもより早いペースで歩いていくと樹林の向こうに建物が見えてきました。甲武信小屋です。小屋の前で作業をしていたご主人の山中さんにテントの受付を申し込むと「もうテント張っちゃうの?」と言われてしまいました。確かにまだ11時なんですよね。でも14時になったら受け付けるからその前にテントは張ってよいとのことだったので、有難くテントを張らせていただきました。テント場は小屋下の樹林帯にあり、テントを固定するのにちょうど良さげな石も転がっています。テントを張って一息吐いたら、縦走路から外れた三宝山へ足を延ばしてみることにします。
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(甲武信小屋への巻き道との分岐)
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(甲武信小屋)
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(テント場)
三宝山は埼玉県の最高峰で、埼玉県民である私にとっては甲武信ヶ岳よりも登ってみたい山のひとつでした。でかいザックは必要ないのでサブザックに水・お菓子・雨具を入れて出発します。エアリアに描いてある巻き道を行こうと思ったのですが、巻き道へ抜けるところが分かりません。仕方なく甲武信ヶ岳を経由して三宝山へ行ってみることにします。甲武信小屋から甲武信ヶ岳へは結構急な道ですが、サブザックだと割と簡単に登っていけます。熊鈴を鳴らしていなかったので、突然の人の出現に驚いた鹿が逃げていきました。この辺りではまだ鈴の力は絶大のようです。しばらく樹林帯を登ると頭上に露岩が見えてきて、周囲が開けてきます。今日はガスで何も見えませんが、おそらく展望の良いところなのでしょう。露岩のところで北に折れ曲がるように進むと樹林の向こうが甲武信ヶ岳の山頂(2475)でした。山頂標識には三人の親子連れらしき人達が服などを置いて占拠しており、記念写真を撮ることもままなりません。時々標識なんかに服を乾かしている人がいるけれども、ホントに迷惑だよな。山頂からはガスに巻かれていない近くの山々は何とか見ることができます。特にこれから向かう三宝山はのっぺりとした山容にゴツゴツとした三宝岩を隠し持っていることがよくわかります。
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(甲武信ヶ岳から三宝山)
甲武信ヶ岳から三宝山へは最初こそ急な下りですが、すぐになだらかな尾根道へと変わります。なだらかな尾根道となる辺りで甲武信小屋への巻き道が分岐しています。帰りはここを使うことにしましょう。緩やかなアップダウンを走るように早足で進んでいると前から中高年の男性がやって来ました。三宝山までどのくらいか聞いてみると、緩やかに下った後は急な登りとなって山頂に着くとのこと。実際男性の言うとおり緩やかに下った後は急な登りが待っていました。木の根が張り出していることが多く、結構歩きにくい道です。それでも甲武信小屋への分岐から20分ほどで三宝山頂(2483.3)に着きました。広い山頂は樹林に囲まれ、展望は全くありません。それでもここへ来られて満足です。エアリアには途中三宝岩への踏み跡があるとのことでしたが、見つけることは出来ませんでした。まあ、でもこのルートはいずれ十文字小屋経由でまた来ようと思っています。
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(三宝山)
帰りは三宝山からの下りを慎重に下った後は甲武信小屋への巻き道を進みます。この巻き道も木賊山の巻き道と同じく快適な道です。途中には柳小屋へ下る道も分岐していました。さて小屋の敷地へはどのようにして入るのでしょうか。小屋に近づくと獣避けのフェンスに扉が付いています。ははぁ、ここから入ればよいのだな。扉を開けようとすると人が横になって通れる程度しか開きません。うーん、これはデカザックを持っては通ることが出来そうに無いなぁ。何とか扉を抜けて敷地に入ることが出来ましたが、あまり使うには適当では無いような気がします。テントに帰ると虫が酷く集っています。ベンチレータから入ったのかテント内にも虫がいます。これだからあまり早くテントを張らないほうが良かったのか…。とりあえずベンチレータのメッシュ部分を固く縛って外で過ごすことにします。お昼を回った頃から他のお客さんもやって来るようになりました。結局この日、小屋泊まりは一人だけ、テント泊は私を含めて三張りでした。今日も割と静かなテン場の夜が更けてゆきます。テントは換気のため入口をメッシュだけにしておきました。ちょっと寒いものの、これで結露しないと良いのですが…。
DATA:
雁坂小屋5:48~6:09雁坂峠~7:01雁坂嶺~8:05東破風山~8:40西破風山~9:25破風山避難小屋~10:09サイノ河原
~10:39甲武信小屋分岐~10:51甲武信小屋(テント泊)
甲武信小屋~11:46甲武信ヶ岳~12:09三宝山~12:46甲武信小屋
甲武信小屋キャンプ料金 500円
水は1リットル50円
トイレは水洗 かなり綺麗です 紙は備え付けで捨てる所があります
テント場は広く、樹林帯の中にあります 石があるので石で固定できます
地形図 雁坂峠 金峰山