あ可よろし

「あきらかによきこと」は自分で見つける・おもしろがる
好奇心全開日記(不定期)

そっか、それか!

2021-06-20 | 本(文庫本)
柚月裕子さんの『慈雨』を読みました。前回が残念過ぎたのでリベンジ的な意味も含めて。

群馬県警を定年退職した神場は、妻の香代子と四国八十八か所巡りの旅に出るが、管轄内で幼女殺害事件の発生を知る。それは16年前に捜査に加わり、犯人逮捕に至った事件と酷似していた。かつての部下を通して捜査に関わり始めた神場は、16年前に悔恨を残してしまった事件と向き合い遍路の旅を続ける。

冤罪を取り扱った作品で、後悔の念を残して退職して遍路の旅に出る元刑事が、捜査に関わりながら退職後の生き方を決意するまでを描いています。
本作もストーリーとしてはとても面白いと思うのです。四国のお遍路には興味があるし(一番さんにだけは3回も行っているのです)、旅をしながらかつての同僚たちが奔走する事件の解決に関わるという展開に「これはイケるかも!」と思いました。
で、読後の感想ですが、やはり残念な感がぬぐえない。今回も「薄い」と感じたし、登場人物にそれほど魅力を感じられなかった。お遍路の旅ももっと描き方があったんじゃないか。そんな感じです。
何故そう感じてしまうのかを考えまして、思い当たるのは「ドラマっぽい」ということでしょうか。2時間ドラマじゃなくて製作費をそれほどかけていない1時間の1クールのドラマっぽい。そう考えたら「薄い」と感じた表現も「これは台本のト書きだ!」と、納得できてしまいました。そっか、それか。そうだったか。
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