あ可よろし

「あきらかによきこと」は自分で見つける・おもしろがる
好奇心全開日記(不定期)

爽快なお伽噺

2018-11-05 | 本(文庫本)
伊坂幸太郎さんの『陽気なギャングは三つ数えろ』を読みました。
かなり待たされた後での待望の3作目。ずいぶん前に新書版で出ていたけれど、絶対に文庫になるまで待つという、いつもの悪い癖でここまで待ちました。いや~、待って良かったわ。期待を裏切らない面白さでした。

嘘を見抜く名人・成瀬、演説の名人・響野、天才的スリで動物に詳しい・久遠、コンマ秒単位の体内時計を持つ女・雪子。最強のギャング4人組に立ちはだかるのは、被害者のプライバシーすらネタにするハイエナのような雑誌記者・火尻。ハイエナの嗅覚でギャングでもある「正体」に気づかれた4人の周辺では、次々と不可解なトラブルが発生する。絶体絶命の窮地に追い込まれるが、そこから陽気なギャングたちの華麗な反撃が始まる。

シリーズ3作目は、前作から9年経っての上梓だったようです。9年か~。長い……。
9年経つと4人もそれなりに年を重ねているので、1作目、2作目ほどの疾走感は抑えられているように感じました。その分、頭脳プレーが凄い。気持ちが良いくらい天晴なのでした。
解説を読んで知ったのですが、初刊本のカバーそでに伊坂さんのこんなコメントがあったのだそうです。
「お伽噺のようなものですので、読者のみなさんもそう受け止め、楽しんでいただければと思います」
ああそうだ、これってとても愉快な現代のお伽噺なんだわ。現実には絶対にいない4人のギャングが、これまた絶対にいないであろう(自信なし)悪党をきっちり懲らしめる。善も悪もひっくるめて爽快感しかないシリーズなのです。
それと、久遠の動物知識とか、こちらの知識欲を刺激してくれるところも楽しいのです。前回読んだ『火星に住むつもりかい?』でもあったけど、Eテレっぽいネタは個人的に大歓迎。勉強になります。あざ~す。
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