あ可よろし

「あきらかによきこと」は自分で見つける・おもしろがる
好奇心全開日記(不定期)

あの頃の読書 ④

2009-02-16 | 本(文庫本)
梅の花がとても綺麗になってきたので、どうしても上ばかり見ながら歩いていましたが、足元もちゃんと見ておかなければ! 今朝の散歩中に「ここに咲いてますよ~」って言っていた水仙。良い香りでした。

目の疲れがなかなかとれなくて、思うように読書できない状態がまだ続いています。それでこの休日、本が読めないのなら、本を片付けてはどうか? と思い立ち、古本屋さんに引き取ってもらう文庫本などを選別しました。
本を整理していると、懐かしい文庫本などが出てきて、「そうそう、この小説は面白かったのよね~」と読んだ当時を思い出していたりしていたら、これが出てきました。去年「あの頃の読書」という記事をupしたことも思い出し、今回は1年ぶりに復活「あの頃の読書」シリーズ!

林真理子さんの『葡萄が目にしみる』。

猛烈に照れくさく、恥ずかしさも感じる言葉で表現しますが、この小説は「青春」がてんこ盛りです。しかも、林真理子が描く田舎の女子高校生の姿はリアルです。男性作家が描くと、女子高校生もお嬢様な性格と見事な美少女っぷりになったりしますが、そんな女子高校生、そうはいないって。だけど、この小説に出てくる女子高校生たちは「リアル」です。
自分の高校生時代を振り返ってみれば、やっぱりこの小説の主人公・乃里子みたいな日常だったかもしれません。田舎道を自転車で駆け抜ける、そんな頃でした。今から思えば全然「子ども」だったくせに、生意気なことを言ったり考えたり…。そんなことも気恥ずかしく思い出させてくれる作品です。
そして「自分はいつ大人になったのだろうか」とか、「結局まだ子どもなんじゃないの?」とか、読後に考えたことも思い出します。

この作品は直木賞候補になりました。しかし林真理子作品が直木賞を受賞したのはこの小説ではなく、『最終便に間に合えば』『京都まで』でした。『最終便~』も読みましたが、やっぱり直木賞受賞作品よりも『葡萄が目にしみる』の方が好きです。と言うか、私にとってはこの小説が林真理子の最高作品です。
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« チョコ三昧 | トップ | どっちなんだ? »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
わー懐かしい! (ハナキャップ)
2009-02-18 09:31:02
読んだなぁ~。 たぶん、20代に1度と30代でも1度くらい…。
でも、うろ覚え… 
この記事で、内容よりも自分の読後感だけを思い出しました。
確か、30代の時はお尻の辺りが、くすぐったくなったような…。
そうそう、自分の尻の青かった感じも、思い出させてくれるんですよねー。
返信する
ハナキャップさん (とみ)
2009-02-19 00:37:58
おお ハナキャップさんも読んでいたのね~!
確かに、今読むとお尻の辺りがむず痒くなるような感覚がありますね。
懐かしさと照れくささとほんの少しの後悔が、ごちゃごちゃになったような…。
そういう部分をちゃんと描いているこの小説は、やっぱり凄いと思うのですよ。
凄い作品だから直木賞受賞作にはならなかったのだわ、きっと!
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

本(文庫本)」カテゴリの最新記事