あ可よろし

「あきらかによきこと」は自分で見つける・おもしろがる
好奇心全開日記(不定期)

安心の時代小説

2011-08-29 | 本(文庫本)
宮部みゆきさんの『堪忍箱』を読みました。はい、これも夏前に読んでいたのですけど今頃になって…。

前回読んだ宮部作品が私にとっては「し・しまった!」でしたので、今回は安心の時代物。誰の心の中にもある闇の部分を「ほらね」と示してくれる短編集。ちょっとだけおっかないけど、小憎らしいほどにやられてしまう8篇でした。
中でも印象的だったのは「砂村新田」。病気の父親の代わりに働く母を助けるため、女中奉公先の砂村新田に通うお春が、ある日であった遊び人風の男。「おっかさんは達者かい?」と尋ねてくる男と母親との関係を気にかけるお春ですが、物語は切なく哀しく清らかで美しく展開します。…沁みました。本当に沁みました。

この本の話とは関係なくなっちゃいますけど、9月1日が2学期のスタートであれば、いよいよ夏休みも終わりです。今頃になって「読書感想文、書いてないわ~」と慌てている(もうこれだけぎりぎりだったら諦めているかも?)児童・生徒諸君も少なくなかったりして。
夏休みの宿題の中でも確かに読書感想文は面倒臭かったと、私も遠い昔を思い出します。
本を読んでも「何も感じるものがなかった」とか「面白かった」「つまらなかった」くらいの感想しか持てなかったり。結局感想文じゃなくて「あらすじ紹介文」になったり…。
もしあの時に宮部みゆきという作家がすでに登場していたら、私の読書感想文はそれほど苦労せずに終えることができたのではないかと思います。「時代物の感想文を書く中学生」というのもどうかと思いますが、実は私と同世代の宮部さんは、ひょっとして時代物の感想文を書いていたりして! などと妄想している自分が楽しい8月末の夜です。
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2 コメント

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ご無沙汰してます (ハナキャップ)
2011-09-02 21:59:29
小さい頃の読書感想文って、なにを書いたらイイか解らなかったですよね。
あれって選定図書が面白くない本だったからなのか…?
でもきっと今読めば、あれらもまた面白いような気もするんだけど…
義務だからですかね…?

ところでとみさん、仙台に行ってきたんですねー!
牛タン画像に身悶えしました。
しかも「楽天vs日ハム観戦・ダルビッシュ付き」まで!
いいボランティア活動でしたね!
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ハナキャップさん (とみ)
2011-09-04 18:31:03
おお~、お久しぶり~ お元気でしたか? 
育児で大変なときに来てくれてアリガトね。

なるほど、義務だからか…。きっとそうだわ。
根っからの読書好きなら義務だろうが何だろうが、面白く読んで感想文も書くのだろうけど、
残念ながら私はそういう子どもではありませんでスた

仙台と言えば牛タンですからね~。厚みのあるタンを喰らってきたわよ~。
ダルビッシュもね、今年のうちに観ておかないと! ってことになるかもよ。
仙台でのボランティアはこんな感じだったけど、やはりまだまだ支援が必要なのは福島!
また近いうちに福島には行こうと思ってます
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