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荻原浩強化月間4冊目。『千年樹』を読みました。『押入れのちよ』から5冊目ですが、これまでとは違う雰囲気を楽しんだ作品でした。
これは、1000年生き続けている巨大なくすの木の、萌芽から伐採されるまで、くすの木と“くすの木の霊”のような存在である“稚児”が見続けてきた、8つの物語です。1篇に2つの時代の話がリンクしており、どちらかと言うと悲劇的でせつない印象です。1000年生きたくすの木は、癒しを与える存在かと思いきや、実は…。
これまで読んだ荻原さんの作品は、登場人物がややしょぼくれていてもそこには明るさがあったし、この先の希望を見ることができ、あちこちにユーモアがちりばめられているものばかりでした。でもこの作品は重くて暗くて、読むのがつらくなるシーン(プロローグからしてそうなんですけど)がたくさん出てきます。ここはちょっとビックリしました。荻原作品のファンも、作風がかなり違っていることに戸惑う人が多いのだとか。
しかしその分「重み」があると言いましょうか、短編のそれぞれが、印象的に心の底に残る短編集でした。私的にはこういう作風、好きです。かなり好きです。
だからと言って、グッと重いテーマになる『明日の記憶』に行くかとなると、それは違うかな、と…。たぶん、私が荻原作品で「重み」を求めるとしたら、この『千年樹』までだと思います。
重みや暗さの中にもユーモアを感じることができる、荻原作品の「良いところどり」的な1冊ではなかったかと感じています。
これは、1000年生き続けている巨大なくすの木の、萌芽から伐採されるまで、くすの木と“くすの木の霊”のような存在である“稚児”が見続けてきた、8つの物語です。1篇に2つの時代の話がリンクしており、どちらかと言うと悲劇的でせつない印象です。1000年生きたくすの木は、癒しを与える存在かと思いきや、実は…。
これまで読んだ荻原さんの作品は、登場人物がややしょぼくれていてもそこには明るさがあったし、この先の希望を見ることができ、あちこちにユーモアがちりばめられているものばかりでした。でもこの作品は重くて暗くて、読むのがつらくなるシーン(プロローグからしてそうなんですけど)がたくさん出てきます。ここはちょっとビックリしました。荻原作品のファンも、作風がかなり違っていることに戸惑う人が多いのだとか。
しかしその分「重み」があると言いましょうか、短編のそれぞれが、印象的に心の底に残る短編集でした。私的にはこういう作風、好きです。かなり好きです。
だからと言って、グッと重いテーマになる『明日の記憶』に行くかとなると、それは違うかな、と…。たぶん、私が荻原作品で「重み」を求めるとしたら、この『千年樹』までだと思います。
重みや暗さの中にもユーモアを感じることができる、荻原作品の「良いところどり」的な1冊ではなかったかと感じています。