新しい春のために

春から秋までのお楽しみ・野球もすっかり終わってしまいました。日本一にはなれなかったけど、また楽しい野球を見せてね、パ・リーグ。
野球が終わったこの季節になると、街路樹の移り変わっていく色を撮るのが好きなのですが、今年はまだ赤や黄色の葉を収めることができていません。

さて今回の画像ですが、今年の春、蕾を見つけた頃からその花が終わるまで、毎日撮らせてくれた桜の巨大老木です。８ヶ月ぶりの姿です。
「ああ、あの桜の木ね」と思い出してくださる方もいるかしら。

風がまだ冷たかった頃に小さな蕾を膨らませ、空が見えなくなるくらいの満開の時の枝は重たそうで、風が吹くたびに「散ってしまわないだろうか」と心配になりました。そして花が終わると生まれたての緑の葉が瑞々しく、夏の強い陽射しをたくましい緑色になった葉が遮ってくれたことがありがたかった。そして昨日会ったあの桜の木は、ところどころに黄色い葉を見せていました。暫くするとすっかり冬の姿になり、寒い空を突き刺す枝になります。

桜の葉は、紅葉を楽しませてくれるものではないけれど、ほんの少しの間、秋の色をつけて、次の春のためにすべての葉を落としていくのだと、そうした一年の過ごし方を、この木は何度経験してきたのだろうかと、しみじみと見上げてしまいました。

　　　～新しい春のために～

朝の少し冷たくなってきた空気の中で、背筋が少し伸びました。