あ可よろし

「あきらかによきこと」は自分で見つける・おもしろがる
好奇心全開日記(不定期)

いきなりの文庫化

2011-09-19 | 本(文庫本)
宮部みゆきさんの『チヨ子』を読みました。
この文庫、画期的で贅沢な一冊です。何と、単行本未収録の短編5作が収録されています。つまり「いきなり文庫化した傑作集」ということで、絶対的な文庫本派の私は大喜びです。
通常、文庫本化されるには単行本が出てから3年くらい待たなければいけないでしょうか。モノによっては5年以上かかる場合もあります。以前も書きましたが、浅田次郎さんの『蒼穹の昴』などは、版元を呪ってしまいそうになるくらい待たされました。
さらに嬉しいニュースとして、宮部さんの新刊に関してこんなニュースが!(以下「IN★POCKET9月号」宮部さんのインタビューから抜粋)

まずは皆さん、お待たせして申し訳ありません。『ぼんくら』『日暮らし』『おまえさん』の三作は、綿密にお話を繋げていくつもりだったので、まさか三作目の『おまえさん』刊行が二作目からこんなに間が空いちゃうなんて本当に計算外だったんですよ。
そんな事情がありまして、今回は、単行本と文庫を同時に発売することになりました。これは初めての試みです。当初の予定なら今ごろ、とっくに単行本を刊行して、さらに文庫が出ていてもおかしくないわけです。お待ち頂いた読者の皆さんに、おわびの気持ちを込めたいので、単行本ではなく、リーズナブルな文庫でお届けしたいと提案をしたんです。
だけど、担当編集の方に、単行本を揃えてくださっている方もいらっしゃるだろうし、何より村上豊さんの素敵な絵を単行本で見たいという読者の方のためにも両方作りましょう、と言って頂いたので「単行本・文庫同時発売」という大変贅沢な企画をやらせて頂くことになりました。


『ぼんくら』シリーズ最新刊が、9月22日に単行本・文庫同時発売になるということ! ありがとう宮部さん! 一生ついていきます!

枕部分が長くなりましたが、『チヨ子』について。
珠玉のホラー、ファンタジー、SFの作品が収められています。
表題作の「チヨ子」は、懐かしさがこみ上げる素敵なファンタジー作品。読むとこどもの頃の思い出が蘇ります。私にとっての「チヨ子」は何だっただろう? 「モノ」ではないような…。
「雪娘」「オモチャ」は、宮部作品らしいゴースト・ストーリー。ちょっと怖くて悲しい物語です。
最も「宮部さんらしいな~」と感じたのは「いしまくら」。都市伝説がテーマで「直木賞受賞後の第一作」にあたるのがこの作品です(初出1999年)。
SF(ホラー寄りなか?)作品の「聖痕」は、たぶん好き嫌いがはっきり分かれるでしょう。児童虐待、未成年者の殺人事件、ネット社会の脆弱性…。これらの社会問題をテーマとした読みごたえのある作品だったと思います。私はこういうの、好きです。映像化しても面白いかも。
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