宮部みゆきさんの『おまえさん』を読みました。
以前ちらっと記した、単行本と文庫本が同時発売されたという、そういう意味でも注目の作品です。
当然のことながら、私は文庫本で購入。上下2巻ですが、1冊の厚みが! 上・中・下の3巻にしてくれても全然良かったのに…。
“ぼんくら”シリーズの第3弾となる本作。八丁堀同心・井筒平四郎と甥の美少年・弓之助はもちろん、お徳さん、政五郎親分、おでこちゃんなど、お馴染み人々が今回もたっぷりとそれぞれの活躍を見せてくれます。
さらに新しい登場人物をして、かなり強烈な好印象を植え付けてくれたのが弓之助の3番目の兄・淳三郎。性格は弓之助とは真逆の遊び人(本当は「遊び人風」なのだと思うのだけど)で、一見、頼りなさそうだけど、オイシイところはちゃんとおさえている。今後もぜひ登場してほしいキャラクターでした。
さて物語ですが、以前の2作品に比べると「ミステリー」な部分は薄くなっているかな~、という印象でした。しかしその分、それぞれの登場人物の描き方が本当に魅力的で、その人たちの言うセリフがまたいちいち良くて、グイグイと物語の中に引き込まれて行きました。
単に「時代物」「捕物帖」ではなく、人物の陰影を丁寧に描きながら「人情物」としても堪能できる。『弧宿の人』を読んだときにも感じていた「新しい時代物」のwaveをこの作品からも受けました。
そしてタイトルである「おまえさん」。この言葉の意味とか響きとかがじんわりと、心に「深いわ…」と感じさせてくれる、そんな物語でした。
さて私の現在の読書。秋からずっと「宮部みゆきまつり開催中」です。いまさらながらに読み始めた長編作品とか、その続編とか…。年またぎで宮部ワールドにどっぷり浸かる予定です。
以前ちらっと記した、単行本と文庫本が同時発売されたという、そういう意味でも注目の作品です。
当然のことながら、私は文庫本で購入。上下2巻ですが、1冊の厚みが! 上・中・下の3巻にしてくれても全然良かったのに…。
“ぼんくら”シリーズの第3弾となる本作。八丁堀同心・井筒平四郎と甥の美少年・弓之助はもちろん、お徳さん、政五郎親分、おでこちゃんなど、お馴染み人々が今回もたっぷりとそれぞれの活躍を見せてくれます。
さらに新しい登場人物をして、かなり強烈な好印象を植え付けてくれたのが弓之助の3番目の兄・淳三郎。性格は弓之助とは真逆の遊び人(本当は「遊び人風」なのだと思うのだけど)で、一見、頼りなさそうだけど、オイシイところはちゃんとおさえている。今後もぜひ登場してほしいキャラクターでした。
さて物語ですが、以前の2作品に比べると「ミステリー」な部分は薄くなっているかな~、という印象でした。しかしその分、それぞれの登場人物の描き方が本当に魅力的で、その人たちの言うセリフがまたいちいち良くて、グイグイと物語の中に引き込まれて行きました。
単に「時代物」「捕物帖」ではなく、人物の陰影を丁寧に描きながら「人情物」としても堪能できる。『弧宿の人』を読んだときにも感じていた「新しい時代物」のwaveをこの作品からも受けました。
そしてタイトルである「おまえさん」。この言葉の意味とか響きとかがじんわりと、心に「深いわ…」と感じさせてくれる、そんな物語でした。
さて私の現在の読書。秋からずっと「宮部みゆきまつり開催中」です。いまさらながらに読み始めた長編作品とか、その続編とか…。年またぎで宮部ワールドにどっぷり浸かる予定です。