前回の続きです。
今回は、僕と吹奏楽との関わりについてお話しします。
前の記事でも書いたように、僕は楽器経験がほぼありません。
小中学の音楽の授業で、リコーダーと鍵盤ハーモニカを習った程度…と前回の記事で書いたのですが、ごめんなさい、ちょっと忘れていた記憶がありました (^_^;)
小中学の音楽の授業で、リコーダーと鍵盤ハーモニカを習った程度…と前回の記事で書いたのですが、ごめんなさい、ちょっと忘れていた記憶がありました (^_^;)
小学生の頃、音楽の授業で合奏をしていました。
確か「スケーターズ ワルツ」と「茶色の小瓶」の2曲だったと思います。
クラス全員がなんらかの楽器を担当することになりました。
ほとんどはリコーダーの担当になるのですが、とにかく目立ちたがり屋だった僕は他の楽器をやってみたくて、木琴(正確にはマリンバ)を担当することになりました。
親にねだって小さい木琴を買ってもらい、しばらくの間は夢中になって練習していたのですが、いまだに続く飽き性のため、結局は宝の持ち腐れとなってしまいました…
まあ、こんなありさまなので、やはり「楽器経験はほぼゼロ」ということにさせてください。
さて、僕と吹奏楽との出会いについて話を戻しましょう。
小学校の卒業と同時に、我が家は引っ越しをします。
新しい中学校での生活は、最初こそ不安ばかりでしたが、すぐに素敵な友人ができました。
ここではA君と呼びます。
A君はとても気さくな性格で、僕とは苗字が近いこともあり、すぐに仲良くなりました。
彼は小学生の時から吹奏楽をやっており、中学でも吹奏楽部に入っていました。
ちなみにパートはユーフォニアムです。
僕らが通っていた中学は部活に強制加入しなければならなかったのですが、僕は演劇部に入りました。
ずっと目立ちたがり屋で、国語の時間の朗読が大好き。
学芸会でも主役をやったり、自分で台本を書いたこともありました。
満を持して演劇部に入ったのですが、当時の先輩たちと折り合いが悪くなり、3ヶ月も経たないうちに退部することになってしまいました。
さて、次の部活はどうしようか…
そう思っているさなか、A君が吹奏楽部に誘ってくれました。
引っ越してきて初めてできた親友の誘いです。
もちろん僕は喜んで…とはいきませんでした。
結局、小学校時代に習い事として2年ほど剣道をやっていたので、その縁で剣道部に入ることにしました。
なぜ僕は吹奏楽部に入らなかったのか?
前の記事で書いたように、音楽というのは僕にとって「才能のある人だけがやれること」という認識でした。
木琴を買ったことはあったけれど、その時からは何年もたっています。
思春期まっただ中です。すでにいろんなところをこじらせ始めています。
もしも…音楽の才能が全くない僕が吹奏楽部に入ったら、どうなるだろうか?
僕の住んでいた地域は、吹奏楽がとても盛んなところでした。
A君も小学生の頃から楽器を演奏しています。
せっかくできた友人なのに、楽器がまったくできない僕の姿を見たら、きっと僕のことを嫌いになるに違いない。
A君に嫌われたら、僕はクラスの中で居場所がなくなってしまう。
それは当時の自分にとって、どうしても我慢ならないことでした。
僕が転校生でなかったら、また事情は違っていたかもしれません。
ともあれ僕は「友人と同じ部活に入ること」ではなく、「友人に軽蔑されないこと」を選んだのです。
結局、剣道部には僕の居場所は見つかりませんでした。
強制加入ですから退部はできません。しかも僕はいったん退部しています。
これ以上、部活をやめることはできない…
どのみちレギュラーになれるような実力はありません。
なんのやりがいを感じることもなく、なんの感慨もないまま卒業をすることになります。
その一方、部活が終わってA君と合流してからの帰り道は、とても楽しい時間でした。
A君を通じて、吹奏楽部の先輩の何人かとも仲良くなりました。
学校絡みのイベントで吹奏楽部が演奏する機会に遭遇した時には、A君が演奏している姿を見て、なぜだか僕まで誇らしい気分になっていました。
3年生の頃、同じクラスになったBさんのことが好きになったのですが、 Bさんもまた吹奏楽部の部員でした。確か、パートはフルートだったと思います。
中学を卒業してからも、A君との友人関係は続きました。
彼は高校でも吹奏楽部に入っていたので、定期演奏会のたびに会場に出向き、彼の晴れ姿を見守ったものです。
A君は高校卒業後に吹奏楽をやめてしまいましたが、彼とはいまだに仲良しです(最近は会う機会が減りましたが)。
以前、僕がまだエアロフォンを買う前、「いつか、一緒に音楽をやってみたいね」と言ってくれたことがありました。
A君が曲を作って、僕が歌う。
そうだね、いつかやれたら楽しいね。
そう答えている僕の心にはずっと、「吹奏楽をやれなかったこと」への後悔がずっと残っていました。
彼が出演していた定期演奏会でも、確かT-SQUAREの曲を演奏していたと思います。
僕にとって吹奏楽部は永遠の憧れであり、永遠の後悔でもありました。
才能のない自分には、楽器なんてとても無理だ。
でも、楽器が演奏できたら、きっと楽しいだろうな。
万事後ろ向きで飽き性の自分が、楽器に手を出すことなんてありえない。
そのことは、なによりも自分がよく分かっていたのです。
そんな僕がOmens of Loveに恋をしたことはすでに書きましたが、実はその時期と前後するように、もうひとつの出来事がありました。
次回は、そのことについて書いてみたいと思います。
【つづく】