1995年制作のドラマ。脚本は三谷幸喜さん。
一般的には“新撰組!”や“古畑任三郎”でお馴染みの脚本家だと思いますが、
僕にとっては今でも“王様のレストラン”が最高傑作ですね。
主演は松本幸四郎さん。
三谷さんのご指名だったそうです。
というよりも、このドラマを引き受ける条件だったとか。
舞台となるのはフレンチレストラン“ベル・エキップ”。
松本さんが演じるのは、“伝説のギャルソン”千石 武。
先代のオーナーシェフと共に“ベル・エキップ”を流行店に育て上げました。
しかし、人望に薄いオーナーシェフと敵対し、店を去ってしまったのです。
その後、経営はオーナーシェフの息子・水原 範朝(西村雅彦さん)が引き継ぐも、店の経営は一気に傾いて行きます。
オーナーシェフは自らの死期におよんで、店の経営をもう1人の息子…愛人が産んだ子ども、原田 禄郎(筒井道隆)を新しいオーナーとして指名します。
すっかりさびれてしまった“ベル・エキップ”に禄郎がやってくるところから、このドラマは始まります…。
幸四郎さんの演技が素晴らしいのはもちろんのことなのですが、シェフ・磯野 しずか役の山口智子さんがとにかく光っています。
勝ち気で大ざっぱで男勝り。しかし、料理に関しては素晴らしい舌と天性の勘を備えた天才。
絵空事になりかねないキャラクター設定に、山口さんは見事血を通わせました。
他の役者さんたちも、実に達者な演技を見せています。
バルマン・三条 政子役の鈴木京香さんは、このドラマがブレイクスルーとなりました。
西村雅彦さん、小野武彦さん、故・伊藤俊人さん、梶原善さん、白井晃さん、田口浩正さん。
皆さん、三谷作品の常連ですね。
実に優れたコメディだと思いますが、泣ける話もありまして。
特に8話と最終回(11話)は、何度見ても涙が溢れます。
このメンバーで、ぜひとも続編を!…と何度思ったことか。
伊藤さんの逝去で、それも幻となってしまいました。
返す返すも、残念でなりません。
しつこいようですが、山口智子さんの演技がとにかく素晴らしい。
8話ラストの表情は、まさに絶品です。
もし一度もご覧になったことのない方がいらっしゃいましたら、とにかく見てください。
筒井道隆さんが、巧いんだか下手なんだかよく判らない(でも巧いと思う)演技も見ものです。
ちなみにDVDボックスは、親友“こん@太公望”に貸す予定。
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