記者コラム「見た 聞いた 思った」 - nikkansports.com: 購買意欲がなくなる
以前に書いたかもしれませんが、ジュースの話をします。
いわゆる「ジュース」には、大きく分けて2つの種類があるそうです。
ひとつは「濃縮果汁還元」タイプ。
もうひとつは「ストレート果汁」タイプ。
単純に言ってしまえば、前者は「水割り」、後者は「ストレート」です。
好みもあるとは思いますが、僕はストレート果汁タイプが大好きでした。
濃縮果汁還元タイプは、変に酸味が強かったり、旨味が物足りなかったりして、僕には不味く感じられたのです。
ですが、ストレート果汁タイプはコストがかかるらしく、置いてある量販店は限られていました。
安さが求められる店では、扱うことが難しかったのでしょうね。
醸造酒と吟醸酒も、似たような問題ですね。
僕は醸造酒を絶対に買いません。
どう考えても、前者は不味い。
普段の生活の中では「美味い」よりも「安い」が求められる場面が多いわけです。
でも、だからといってすべての食品が「安い」だけの価値観で選別されてしまうのは、とても怖いことだと思いませんか?
今回の強度偽装問題にしても同じです。
消費者という「幻想的な」言葉で、いろいろと都合のよい欲望が語られがちです。
しかし、純粋な消費者などこの社会にはほとんど存在しないはずです。
みな立場が変われば、消費者にも生産者にもなりうるのですから。
何度か書いていることですが、僕は漫画のたぐいでも立ち読みで済ませることが嫌いです。
漫画を読む大人をみっともないとは思わないけれど、延々と立ち読みしている大人は見ていて恥ずかしいです。
まっとうなものを、できるだけ選んで買う。
安さという価値観だけが絶対ではない。
少なくともその気持ちだけは失わずにいたいものです。