僕の師匠は木谷先生です。優秀なお弟子さんをたくさん育てられたことで有名ですが、
アマチュアとの交流も大切にされていて、土曜木谷会を毎週開催されていました。
僕も20才の時入段して指導碁を打てる立場になったわけですが・・・・
(正式入段記録は21歳、これは8月に入段試験がありそこで受かっても、翌年の
4月から入段という形になっているからです。)
その頃の僕は相当ひどい先生だったようです。そんな手はないとかこれはひどい手ですね
とか言いたい放題だったようです。入段してから5年目くらいに、日本棋院のl紹介で、
佐野さんという個人のお宅へ稽古に行きました。その時、佐野さんが日本棋院もよりによって
こんなのをよこすとはと思われたようです。今日だけは相手をして断ろうと・・・・・
ですが僕もそのころはようやくアマチュアの方たちの気持ちも少し理解できるようにというよりは
自分の弱さに気付いてきたころだったので僕の変わりように佐野さんは驚かれたようでした。
稽古が終って奥様の手料理でご馳走がふるまわれ、多少お酒も入ってから、
正直に「君が玄関に立っていたときはすぐ断ろうと思ったんだけどそれも大人げないからと」
言われたのを今でも覚えています。
その佐野さんとは20年近く、亡くなるまでかわいがってもらいました。
僕にとって本当に恩人の一人です。ただ今思うとこんな弱い僕が、入段したことで
有頂天になり、アマの方をどんなに傷つけたかと思うと・・・・・・・
やはり言葉って大事ですよね!アマの方に支えられて生きてきたのですから
恩返しする気持ちで大切にアマの方と接していきたいと思っています。