国立国際美術館に行ってきた。
現代美術家3人の展覧会。
個展と名がついているだけあって、大きな会場が1人づつの個展のような構成。
土曜日なのに会場はガラガラで、見たいものがずーっとじーっと見れて私はとても楽しかった。
有名な画家じゃないと来ないのは損だ。しかも安い!
伊藤存は手法として刺繍を用いた作品。
刺繍は絵でいう筆の役割をしているわけだが、筆は勢いとか滲みとかいろんな表現ができるのが、嫌になったらしい。
それなら、シルクスクリーンとかコンピュータグラフィックに行くのが普通っぽい感じするけど、刺繍も良いです。それが彼らしさ。
女性は学校で刺繍を教えられるので固定概念ができてしまう。
それが男性から見た刺繍のイメージと違うのだろう。
今村源は日用品に手を加えたオブジェとアルミの細いパイプを用いた作品。
私はこの人のが一番好きだった。
その中でも「外の場所・ポリペール」に眼が釘付け。
見た目はそこらによくある青い蓋付きゴミ箱。外に置いとく用のヤツ。
だけど、蓋の取っ手が内側に付いてるし、ゴミ箱も普通は外に付いてる蓋を止めるのが内側に付いてて、どうやって蓋を止めるのか想像。・・止まるのだろうか?
どうやって作ったのかもわからなかった。メイドインジャパンとか刻印もあったし。
あと、針金の作品は光に照らされた影も綺麗だった。
須田悦弘は植物を本物そっくりに木で作った作品。
文字にするとイメージがわかないが・・本物みたいな植物。これ、木!?薄いし、触ると柔らかそうなのに?って感じになる。
その場の雰囲気全てを作品とする手法を使っており、1m以上近づかないように警報が鳴りますと貼り紙があった。
他の作品を見ていても聞こえるアラームは、誰かが作品に近づき過ぎたことを教え、可笑しくなった。
私はアートとの距離が遠のいていたようで、最初は感覚が掴めなくなってた。
見ていくうちにどこに注目すれば良いか思い出してきた。
その感覚は、高校生のときに嫌いだった数学が、難しい問題を解けたときの喜びが快感となり、数学が好きになったのに似ていた。
現代美術って、自分と同じ思いを持つ作家を探すのが楽しいのだと思う。
なんじゃこれ?っていう作品がいっぱいあって、どこかに自分とツナガル作家もいる。
私は美術=非日常の反対「日常」が気になるようです。
美術館にヒールが響くような靴で来るのは反則だと思う。上手に歩いて欲しい。
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