10月のメニュー
基礎講義 わかりやすい経絡治療.16 第12章「四診法」2
治験研究発表「 頸腕症候群に対する経絡治療の一症例」
午後1時00分より
指導講座 高等部 「証決定」座学
支部年間研究テーマ「刺鍼と脉状変化の検証 其の3」はりを押手に挟むまで
実技 基礎班.「基本刺鍼2」「証立て2」
研修班. 「取穴・基本刺鍼」
座学は、分かりやすい経絡治療の四診法の内、切診でした。そのなかで、本日は、腹診と切経をしました。
腹診は、本会独特の経絡的腹診法ということで、それぞれの診所を軽く触察、比較しながら、
主証決定への手がかりとしていきますが、脈証との一貫性により、誤治を防ぐ事ができますし、良いお腹は、
蒸かしたての饅頭の様な緩やかな膨らみと言うことですので、治療の際は、それを目指す様にしていきたいと思います。
治験研究発表「 頸腕症候群に対する経絡治療の一症例」でした。
今回は初学者の方の発表でしたが、きっちりレポートの形になっていて自分を振り返ると
恥ずかしくなりました。治療の結果も大事ですが、治療のプロセスを自分の中に根付かせるのに、レポートは有効な手段だと感じさせられました。
支部年間研究テーマは、「はりを押手に挟むまで」をテーマとし、実際に金の30番鍼、或はステンレスの5番鍼等を用いた研修が行われました。
基本刺鍼では、自分が刺鍼動作をした際、刺手の圧の強さの指摘を受けました。殊に補法を実践するに当たっては、鍼がたわまない程度に極めて鍼柄を軽く持ち刺入しなければ、脈が硬くなり、良い結果は出せないとの事で、これは刺入時のみならず抜鍼時に於ても同様との事でした。又、押手や刺手の圧操作は、余計な力は不要で、心でイメージすれば微妙に圧が加わるので、その様な圧が肝要だと伺い、まさに「鍼は心也」と思った次第です。
今後、これをイメージして修練し、体得すべく頑張りたいと思います。
続いて行った証決定までの一連の証立ての練習では、模擬患者に対して二人で相談しながら証を立てていくものだったが、これも望・聞・問・切を総合させて証を立て
ていく難しさを感じた。しかし、最初のころに比べると、徐々に慣れてきたのか、最後の主証を決定するまでの一連の流れが少しずつスムーズに行えるようになったと感
じた。今後の課題として、症状を正しくとらえ、的確に証を導き、それに見合った的
確な治療が行なえるよう、頑張りたいと思う。特に、脈診と腹診の診たてがスムーズ
により確かなものになるようにしていきたい。
取穴に関してはどうしても使用頻度のもっとも高い穴だけで終わってしまう傾向にある。うまく時間をやりくりして他のよく 使う穴も取穴の練習ができるようにならないといけないと反省させられました。穴の反応のどこに鍼を入れるのかという問題はまだまだ先は長いなと少しゾッと思わされる問題でした。
東洋はり医学会 趣意書
文化の進展は瞬時の猶予をも許さず、今や鍼灸術も世界の医学界に登場するところとなった。
翻って国内においては、これが科学化の掛け声と共に種々な研究が進められてはいるが、その大勢は鍼灸の臨床における諸現象を現代医学によって解明せんとするものの如くである。即ち、経穴を刺激の部位となし経絡はほとんど顧りみない状態であるが、かくては数千年の伝統を誇る東洋医学の真髄を学ぶことは全く至難となる。
病体を気血の変動とし、その病変を経絡の虚実として統一的に把握し経穴を診断と治療の場として補瀉調整する経絡治療こそ鍼灸術本来の正道である。しかして、この学理と術技を体得せしめて、真に病苦除去の実力ある鍼灸人を育成することこそ、その科学化に優先すべき必須要件であるが、不幸にしてこれを誤る時は、その鍼灸術、すなわち我が祖先の偉大な文化遺産を後世に伝承することは全く不可能となる。
ここにおいて、我々志を同じうする者、相図って東洋はり医学会を結成し別紙綱領の完遂を期す。
以上の主旨を諒とせられる同志は、来って本会に投ぜられんことを広く業界の諸君に訴える次第である。
綱 領
1.我々は臨床を通して古典を再検討し、病体を通じて経絡経穴を把握し、以て伝統的な鍼灸術の本道を体得せんことを期す。
1.我々は正しい経絡治療の学理と術技を修得することによって、鍼灸人としての人格と実力を涵養し、以て鍼灸家の社会的地位を確立せんことを期す。
1.我々は古典による経絡理論を正しく理解実践し、経絡経穴の普及啓蒙に努め、以て偉大な祖先の文化遺産を伝承せんことを期す。
以上