東洋はり医学会 大阪支部

(一社)東洋はり医学会は60年、大阪支部も50年以上、経絡治療はり専門臨床家の学術を支えてきた勉強会・講習会の団体です。

5月20日支部会の感想 東洋はり医学会大阪支部

2018年05月28日 23時15分43秒 | 支部会感想
5月20日支部会の感想 東洋はり医学会大阪支部

5月のメニュー

3分間スピーチ
基礎講義 わかりやすい経絡治療.21 第15章「補瀉論」2 
指導講座 高等部「取穴」座学

    午後より
実技 基礎班「ナソ・ムノ治療」「奇経治療」「子午治療」
研修班「小里方式による標治法・補助療法」
テイ鍼・エン鍼・ザン鍼の使い方
実技纏め・質問、臨床質問

感想
3分間スピーチ
其の1
”一万回の理論”というものでした。
達人の域には一万回その動作をしなければいけないということでした。
それは、ゆっくりやっても一回なので初めは正しい動作を身につけて一万回を目指したいと思います。
が、達人ほど上をめざすと思うので、たぶん一万回からが、本当の始まり。
と思っているのではないかとも思いながら聞いていました。

其の2
 今回は、何事も1万回実践することで、何らかのかたちが形成されると云う「1万回の理論」についてのお話でした。
 私たちは、ある技術を体得する際、いろいろと練習しますが、これも粗雑な動作で行うと誤った形が身に付いてしまいます。
 故に、ゆっくりでも構わないので綿密な動作を行うのが肝要との事でした。
 一日10回程度練習すれば凡そ3年で1万回(石の上にも三年)
鍼の技術も正しい形で日々鍛錬を怠らなければ、いずれは達人の域に到達出来るとの事でした。まさに継続こそ力也と思った次第です。


基礎講義「わかりやすい経絡治療15章 補瀉論2」
其の1
基礎講座は”わかりやすい経絡治療 補瀉論”2回目でした。
前回の続きですが今回は”実地臨床上の補瀉”でしたので、実際の補法、瀉法、補中の瀉法、瀉中の補法、和法、輸瀉、散鍼、弾脈への手法、灸の補瀉について学びました。
押し手の左右圧は補をもたらし、下圧は瀉に通ずるので、刺し手の操作と共にしっかりとした左を用いて痛くない鍼で、使い分けていけるようにしたいと思います。

其の2
先月に引き続き補瀉論の講義が行われ、主に補法と瀉法の手さばきについて言及されました。
 補瀉の手技は、刺手もさることながら、押手の扱いが非常に重要な役割を果たすので、基本手技の内容は何度も熟読し、且つ練習して躰に叩き込まなければいけないと改めて思いました。
 当会の基本手技である補法、瀉法、及び補中の瀉法等は非常に特徴的で初めて見る人は、驚かれる方も多い様ですが、これらは古典を再検討し、経絡治療として気血を調整するのに大変適した手法になるようです。
 又、この様な手技を毎月、手から手に教えて貰える事は、とても価値のある事だと
思った次第です。


指導講座 高等部「取穴」座学
基本7穴以外の応用として、原穴、郄穴、絡穴を取ることを習いました。
次回の実技では、しっかり取れて実践で効果があがるようにしたいと思います。

実技 基礎班「ナソ・ムノ治療」「奇経治療」「子午治療」
研修班「小里方式による標治法・補助療法」
其の1
腰痛の奇経治療の後、標治法・ムノ治療をしましたが、触診の圧が強いとの指摘を受けました。
なかなか最初のくせというものはぬけにくいもので、意識していないと出てしまいます。
皮膚表面なのにと思いながらも情けないかぎりではありますが、気を取り直し、修正しながら、1万回、次の1万回を目指そうと思います。

其の2
今月は腰痛の愁訴を持つ模擬患者を対象に補助療法と標治法の実技が行われました。
 私は背部(膀胱経)の虚した部位に銀鍼にて補法を行いましたが、刺鍼時に鍼体がたわんでいるとの指摘を受けました。
 先の3分スピーチでもありましたが、日々の鍛錬を怠らず正しい刺鍼技術を形成できる様、努力しようと思いました。


テイ鍼・エン鍼・ザン鍼の使い方
其の1
ザン鍼、エン鍼、テイ鍼の使い方を教えていただきました。
使い方は聞いただけでは分かりませんでしたが、今回、実演して頂き、使い方はわかりましたが、
やはり、どこまでしていいか等の感覚は、使っていかなければ分からないので、すこしづつ、経験を養っていこうと思います。

其の2
 いずれも、刺さない鍼になりますが、今回初めて具体的な使い方の指導を受ける事が出来ました。
 テイ鍼とエン鍼は過去に購入して持ってはいたのですが、どの様に使ってよいのか判りませんでしたので、今回、具体的な使い方を教えてもらう事が出来、とても有意義でした。
 ザン鍼については、当会独自のラッパ型ザン鍼の使い方でした。抑々、ザン鍼とは古来より皮膚を切開する目的で使用されていたようですが、現代に於いては経絡治療に適した形に加工されている様で、殊にラッパ型ザン鍼は、邪気をすくい取るのに非常に適しているようです。
 これらの鍼は、刺さない鍼なので、鍼治療に抵抗のある患者さんや小児には、とても有効に使用できますので、今後、折に触れて使ってみたいと思いました。

■お問い合わせ

随時、聴講・入会受け付けております。
聴講初回は、無料、2回目以降は、学生1500円、有資格者3000円となっています。
聴講等の際は、事前に御連絡下さい。

お問い合わせやご質問は、メールにて 
toyohari_osaka@yahoo.co.jp

または、お電話にて、
  0721-52-5999   阿部はりきゅう院

までご連絡下さい。

次回、大阪支部会は、平成30年 2018年
6月17日 第3日曜日 エル大阪602号室


東洋はり医学会 趣意書

 文化の進展は瞬時の猶予をも許さず、今や鍼灸術も世界の医学界に登場するところとなった。
 翻って国内においては、これが科学化の掛け声と共に種々な研究が進められてはいるが、その大勢は鍼灸の臨床における諸現象を現代医学によって解明せんとするものの如くである。即ち、経穴を刺激の部位となし経絡はほとんど顧りみない状態であるが、かくては数千年の伝統を誇る東洋医学の真髄を学ぶことは全く至難となる。
 病体を気血の変動とし、その病変を経絡の虚実として統一的に把握し経穴を診断と治療の場として補瀉調整する経絡治療こそ鍼灸術本来の正道である。しかして、この学理と術技を体得せしめて、真に病苦除去の実力ある鍼灸人を育成することこそ、その科学化に優先すべき必須要件であるが、不幸にしてこれを誤る時は、その鍼灸術、すなわち我が祖先の偉大な文化遺産を後世に伝承することは全く不可能となる。
 ここにおいて、我々志を同じうする者、相図って東洋はり医学会を結成し別紙綱領の完遂を期す。
 以上の主旨を諒とせられる同志は、来って本会に投ぜられんことを広く業界の諸君に訴える次第である。



綱  領
1.我々は臨床を通して古典を再検討し、病体を通じて経絡経穴を把握し、以て伝統的な鍼灸術の本道を体得せんことを期す。

1.我々は正しい経絡治療の学理と術技を修得することによって、鍼灸人としての人格と実力を涵養し、以て鍼灸家の社会的地位を確立せんことを期す。

1.我々は古典による経絡理論を正しく理解実践し、経絡経穴の普及啓蒙に努め、以て偉大な祖先の文化遺産を伝承せんことを期す。



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