6月17日支部会の感想 東洋はり医学会大阪支部
6月のメニュー
3分間スピーチ
基礎講義 わかりやすい経絡治療.22 第16章「取穴の補瀉(経絡治療の真髄)」
指導講座 高等部「取穴」実技
午後より
実技1 研修班「証決定・小里方式による刺鍼修練」
支部年間研究テーマ、「刺鍼と脉状変化の検証 其の4」補法 抜鍼のタイミング
実技2 基礎班「本治法全科(小里方式)」
実技纏め・質問、臨床質問
感想
3分間スピーチ
其の1
今回は「会員を増やす」をテーマとしたお話でした。
如何なる組織に於いても会員を増やす為には何らかの情報発信が不可欠になります。従来はFacebook(フェイスブック)がその主要なツールとして広く活用されていた様ですが、昨今の若者間に於いては、それは最早古き手段に過ぎず、現在はインスタ(Instagramインスタグラム)なる情報共有ツールが盛んに活用されている様です。
小生などは、昨今の激しく変動する情報社会の趣には中々対応できない人間ですが、昨今の情報共有手段についてとても勉強になりました。
其の2
3分間スピーチは、”会員を増やす”という話で、立ち上げたサッカースクールの宣伝の仕方を話されました。
若い人はインスタを見て、来る人が多いとのこと。
時代の変化が、激しいと思うとともに、人を呼びたい物の地域や、年齢層を考えて、若い人の意見を聞きながら、いろいろ手段を柔軟に考えていこうと思います。
基礎講義「わかりやすい経絡治療. 第16章 取穴の補瀉(経絡治療の真髄) 」
其の1
経絡治療には主に本治法と標治法の2種類があり、前者は手足の五行穴或いは五要穴に対して然るべき経絡治療の原則に従って選穴し、補瀉する事により、気血(経絡)の虚実を調え、生命力を強化させる根本治療であり、後者は、患者の主訴部に対する対症療法との事でした。
又、両者は車の両輪或いは二輪車の前後輪に例えられ、本治法は後輪で原動力を、標治法は前輪で道標の役割を担う主従関係にあり、これらの治療法を能率的・効果的に行う為には、取穴に於いて「生きたツボ」を捉える事が不可欠で、それには、熟達した指頭感覚が必要になるとの事でした。
世上に於いては、刺激鍼(療法)を信奉する治療家や患者さんも多い様ですが、刺激鍼のみで、たとえ症状が緩解したとしても、それは表面的或いは一時的なものに過ぎず、病態の根本は何等改善しないのでしょう。
故に東洋医学数千年の伝統に裏付けされた崇高な学理と術技を体得すべく研鑽を重ね、四診法を以て経絡変動を把握して証を立て、本標両治療法を能率的に行う事で生命力(治癒力)を強化すると共に、局所の症状をも取り除く主体性のある治療家になることが大切だと感じました。
其の2
手足の五行穴、五要穴を使い補瀉し、生命力の強化を図る本治法と局所の所見に適応するように加える標治法が有ります。
これらは車の両輪にたとえられますが、本治法に使う経穴の一本の鍼は、全身に及ぼす影響力が有りますので、鍼先の抵抗に注意が必要となります。
また、その経穴は微妙な所見をとらえていかなければいけません。
その為には、日頃からの指頭の訓練が必要ですので、次の実技は、取穴でした。
指導講座 高等部「取穴」実技
其の1
経穴は微妙な所見をとらえていかなければいけません。
その為には、日頃からの指頭の訓練が必要ですので、次の実技は、取穴でした。
太淵、陽池、豊隆、承山、飛陽を取りました。
飛陽穴は思っていたところより上外側でした。
また次の機会にはちがうところを選んでみようと思います。
其の2
この講座では、一人一穴普段あまり選穴しない経穴を取穴し、その正しい部位について指導してもらいました。
今回は膀胱経の「承山穴」を取穴しましたが、実際には自分が思っていた部位より随分上方でした。
他にも、下腿胃経の外側線(豊隆穴)の取り方等もご教授頂けましたので、今後機会があれば、しっかり取穴できればと思います。
支部年間研究テーマ、「刺鍼と脉状変化の検証 其の4」補法 抜鍼のタイミング
其の1
今回は術者と受け手及び検脈者を一組として、術者が受け手に補法を行い、検脈者が脈状の変化を捉えて補法の抜鍼のタイミングを合図するといった実技が行われました。
自分が検脈担当の際、術者が鍼を施入すると直ちに脈状が変化した様に感じましたので、間髪入れず抜鍼の合図をしましたが、第二検脈をしていた先生より合図のタイミングが早いので、もう2、3拍待ってからが良かった旨、ご指摘を受けました。
只、以前全く脈状変化を感じる事の出来なかった頃に比べれば、少しは変化を捉える事が出来ているのは、とても嬉しく思いました。
其の2
支部会の年間テーマの内、補法の抜鍼のタイミングです。
脈の変化で、抜くタイミングを教えてもらいますが、鍼先の抵抗は、まだもう少しと思っていて、言われて焦ってしまいました。
検脈側のときも長く感じていて、結果オーライでしたが、次も良いとは限らない状態です。
そう言わないで済むように1万回位は目指して練習しようと思います。
実技 基礎班「本治法全科(小里方式)」・研修班「証決定・小里方式による刺鍼修練」
其の1
今回は、慢性腰痛及び左頸肩部の張り感の愁訴を持つ模擬患者を対象に指導者のもと、一人で四診法から本治法までを一通り実践する実技が行われました。
実際に四診法を行い肺金、腎水、肝木経の変動を示唆しましたが、中々証決定には至らぬ始末でした。
そこで、指導の先生より、五行の相生・相剋の関係性を念頭に置き、証を導き出す様、助言を頂き、先ずは腎虚と判断し、右復溜に銀鍼を用いて基本の補法を施しました所、左尺中の腎の脈が充実してきた様に感じました。
次に右尺沢に補法を施しました。
只、自分はよく判りませんでしたが、脾胃の脈状にも変動があった様で、副証として脾経にも措置をしなければならなかった様です。
今回、一通り実践させて頂きましたが、もっと細かく脈診(四診)出来る事と五行の関係性を念頭に置く事、これらを素早くこなせる様になる事を今後の課題にしていきたいと思った次第です。
其の2
最後の本治法の実技は模擬患者や検診者としていましたが、違う意見だったり、同じだったりでしたが、それらの意見を聞きながら、その場で自分の診方の修正をしていけるというのは有り難いことだと思います。
■お問い合わせ
随時、聴講・入会受け付けております。
聴講初回は、無料、2回目以降は、学生1500円、有資格者3000円となっています。
聴講等の際は、事前に御連絡下さい。
お問い合わせやご質問は、メールにて
または、お電話にて、
0721-52-5999 阿部はりきゅう院
までご連絡下さい。
次回、大阪支部会は、平成30年 2018年
7月15日 第3日曜日 エル大阪608号室
東洋はり医学会 趣意書
文化の進展は瞬時の猶予をも許さず、今や鍼灸術も世界の医学界に登場するところとなった。
翻って国内においては、これが科学化の掛け声と共に種々な研究が進められてはいるが、その大勢は鍼灸の臨床における諸現象を現代医学によって解明せんとするものの如くである。即ち、経穴を刺激の部位となし経絡はほとんど顧りみない状態であるが、かくては数千年の伝統を誇る東洋医学の真髄を学ぶことは全く至難となる。
病体を気血の変動とし、その病変を経絡の虚実として統一的に把握し経穴を診断と治療の場として補瀉調整する経絡治療こそ鍼灸術本来の正道である。しかして、この学理と術技を体得せしめて、真に病苦除去の実力ある鍼灸人を育成することこそ、その科学化に優先すべき必須要件であるが、不幸にしてこれを誤る時は、その鍼灸術、すなわち我が祖先の偉大な文化遺産を後世に伝承することは全く不可能となる。
ここにおいて、我々志を同じうする者、相図って東洋はり医学会を結成し別紙綱領の完遂を期す。
以上の主旨を諒とせられる同志は、来って本会に投ぜられんことを広く業界の諸君に訴える次第である。
綱 領
1.我々は臨床を通して古典を再検討し、病体を通じて経絡経穴を把握し、以て伝統的な鍼灸術の本道を体得せんことを期す。
1.我々は正しい経絡治療の学理と術技を修得することによって、鍼灸人としての人格と実力を涵養し、以て鍼灸家の社会的地位を確立せんことを期す。
1.我々は古典による経絡理論を正しく理解実践し、経絡経穴の普及啓蒙に努め、以て偉大な祖先の文化遺産を伝承せんことを期す。