支流からの眺め

眞子内親王の結婚と記者会見

 秋篠宮の長女である眞子内親王が、10月26日に小室圭氏と結婚し皇籍を離脱した。残念ながら、この結婚は広く国民に祝福されていない。まず小室氏の母親の醜聞である。遺族年金の不正受給、元婚約者との金銭問題だけでなく、身辺の多数の自殺者、乱れた男性関係、反社勢力との関係もある。圭氏にも、米国の大学入学、奨学金給付、生活費支弁などで、皇室つながりで特別待遇を得たという疑惑がある。

 結婚の賛否だけでなく、結婚後の記者会見にも毀誉褒貶が入り乱れた。眞子氏の心の傷つきの辛さ、小室母子の行動は自分の示唆という告白などは、眞子氏の懸命さと評価する向きもある。しかし、多くは批判調である。その理由は、①父母・祖父母、皇室、国民への感謝の言葉がない、②小室母子の疑惑に関する説明がない、③疑惑をすべて間違いであると切り捨てた、などになろう。

 ①、②は確かにその通りであるが、最大の問題は③である。具体的には、「誤った情報が、なぜか間違いのない事実であるかのように取り上げられ、いわれのない物語となって広がっていく」などの文言を指す。「誹謗中傷」、「根拠のない多くの厳しい批判」、「否定的な報道」、「事実に基づかない情報」などの語句もある。これらが、3年越しの恋を実らせ幸福の絶頂にあるはずの新婦の口から出てきたのである。

 筆者は、小室氏の疑惑について批評する知識・能力はない。また古より、男女の間は当人しか分からないとされる。しかし、眞子氏がなぜここまでして無謀な結婚を貫徹したのかは疑問に思う。学生時代からの恋を貫いたロマンスなのかもしれない。深窓の皇女の純愛、周囲の反対で燃え上がる炎など、盲目の恋の舞台設定は揃っている。しかし、会見の様子や新婦の目の色に、恋の香りは感じられなかった。

 しかも、その無謀な結婚の直後の会見で、あの厳しい言葉である。これは、一途な恋ではなく、小室母子による洗脳の結果ではないか。だから、眞子氏にとっては、皇室や親、ましてや国民の祝福などはどうでもいいのである。圭氏の行動は圭氏の行動であるが故に正しく、小室母子以外は全てが敵であり、批判されるほど眞子氏は圭氏に心酔したのであろう。旅立つ姿は、あたかもオウムへの入信のようであった。

 ところで、先の文言「誤った情報が・・いわれのない物語となって広がっていく」は、実に秀逸である。表現は迂遠で丁重だが、実際にはこの間の疑念を虚偽と断定し、それを扱う者の人格を否定した。批判返しに転用できるだろう。この文言と元皇族の壁がそれ以上の立ち入りを拒んだ。この言葉により、幾多の疑惑も信憑性を失い、全てが「ミソクソ」に化した感がある。根深い怨恨が残り香として漂った。

 この一連の事態の理由として、秋篠宮家の帝王学教育の不全、紀子さまの出自や資質、宮内庁の無能などが挙げられている。反皇室勢力の陰謀説や圭氏の韓国人説まである。しかし、最大の要因は、皇族ゆえの不自由さと孤独、将来への不安で虚ろな心に、圭氏が何らかの強い言葉で踏み込んだことではないか。周囲が遠慮して放任していた隙をつく、巧みな人たらし、言い方は悪いが、KADOWAKASHIである。

 眞子氏の行動は、恋に迷って江戸の町を大火につつんだ好色一代女の所業を想起させる。大火はあの記者会見までとして、皇室にまで火の粉が及ばぬように願いたい。それでも、この先もボヤが起こり、日本国は夫婦と姑を守らされるだろう。事を半ば等閑視してこの顛末を招いた秋篠宮と宮内庁は、この火種を管理し続ける責務の因果を思い知るべきである。世の娘をもつ親は、これを教訓とすべきである。

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