武漢ウイルスの感染経路は、飛沫、接触、糞便などらしい。多くの個体が狭いところで接近する生態を有する生物が、感染の標的となる。ヒトが好餌にされるわけだ。ちなみに、コウモリも宿主になるらしいが、確かにそのような生態である。生存戦略として、群れる特性を有する生物を宿主に選んだということだ。
近接する環境で伝播するという特性は、性感染症が典型である。性感染症とは、狭義には、感染経路が性行為(生殖器の接触)にほぼ限られる感染症である。しかし広義には、性行為でも伝播しうる感染症という意味にもなる。そう考えると、ほとんどすべての感染症は性感染症となる。
性感染症がなくならないように、武漢ウイルス感染症もなくなることはないだろう。なぜなら、性行為と同様、ヒトが群れるという特性は決してなくせないからだ。かくて、ヒトとウイルスの戦いはどこかで平衡に達する。治療薬やワクチンの開発は平衡点をヒトに有利にする。
今は、怒涛のような不意の侵略に対して、ヒトが群れとならないように、かつ協力しあって、懸命に体制を立て直しているところであろう。