コロナ感染の第10波が来ると言われている中、気味の悪い論文が発表された。中共国のBeijing University of Chemical Technologyなどから、センザンコウ(硬い鱗で全身を覆う希少な哺乳類の一種、サムレイル参照)のコロナウイルスの変異ウイルス(GX_P2V C7)を、ヒトのACE2を発現させたマウスに感染させたところ、8日以内にマウスが全て死んだ(致死率100%)という報告である。
ACE2というのは、多くの細胞の表面にあるたんぱく質の一種で、気道の表面を覆っている細胞にも多い。コロナウイルスが感染する際には、このたんぱく質を鍵穴のように使って細胞の中に入り込む。逆に言えば、ACE2がないとウイルスがあっても感染はおこらない。動物の種が違うとACE2も少しずつ違っているので、他の動物に感染するウイルスはヒトには感染しないはずだ。
今回の報告によれば、センザンコウのコロナウイルスを培養していた過程で遺伝子の一部が変わってGX_P2Vができたらしい。そのウイルスがヒトに感染するかどうかをみるために、マウスに遺伝子操作を加えてヒトのACE2を作るようにし、そのマウスに感染させてみたら、なんと致死率100%だったというわけだ。マウスの脳や肺を含む各種臓器から多量のウイルスが検出されたとされる。
以上の結果は、このGX_P2Vウイルスはヒトに感染すること(ヒトのACE2を鍵穴として使えること)、そして、その感染は脳に特にひどく致死率も高い可能性を強く示唆する。但し、掲載された雑誌(bioRxiv)は、検証なしで研究を発表させる、科学誌というより未審査研究の公開サイトだ。いわゆるガセネタの可能性はある。中共国での研究とあれば、更に怪しい。
それでも、新型コロナウイルスも中共国が作ったかという陰謀論を踏まえると、今回もその走りなのかもしれない。少なくとも類した実験を行っているのではないだろうか。中共国では、いまだコロナ感染がかなりひどく続いているらしい。ともあれ、これが万一実験室から流出した場合を想像すると、恐ろしい限りである。Lethal Infection of Human ACE2-Transgenic Mice Caused by SARS-CoV-2-related Pangolin Coronavirus GX_P2V(short_3UTR) | bioRxiv