スピリチュアリズム・ブログ

東京スピリチュアリズム・ラボラトリー会員によるブログ

【霊学概論】(10)臨死体験

2011-04-18 00:09:29 | 高森光季>霊学概論
■第二章 二十世紀の死後存続問題研究  第一次世界大戦後、霊媒の輩出と交霊会の流行という狭義のスピリチュアリズムは終息していき、特に第二次世界大戦後は、いくつかの特徴的展開――イギリスにおける霊的治療の展開やシルバー・バーチなどの「霊的教えの本」の静かな流布、中南米におけるスピリティスムの爆発的隆盛――を除けば、歴史の前面から消えてしまう。あれだけ多くの人が心血を注いだ活動の蓄積は、その後 . . . 本文を読む

【霊学概論】(9)情報的心霊現象

2011-04-12 00:33:09 | 高森光季>霊学概論
◆情報的心霊現象  これに対して、情報的心霊現象の場合はどうか。  情報的心霊現象にも様々な形態がある。浮揚したテーブルが音を立ててイエス・ノーやアルファベットを指示したり、どこからともなく声が聞こえてきたり、石板やノートに直接字が綴られたり、といった、物理的心霊現象に近い形態もあるが、中心となるのは、霊媒がトランス状態で霊からのメッセージを語る「入神談話」や、やはりトランス状態の霊媒の手がメ . . . 本文を読む

【霊学概論】(8)物理的心霊現象

2011-04-04 00:03:54 | 高森光季>霊学概論
◆物理的心霊現象  以上、一八四八年のハイズヴィル事件から一九三〇年代までのスピリチュアリズムの歴史を、ごく大まかに見てきたわけであるが、ここでその内実を少し整理しておきたい。  スピリチュアリズムの爆発的流行は、テーブル浮揚を中心とする「交霊会」の流行と、超常的現象を起こす霊媒の輩出によって支えられていた。何よりも、「霊が引き起こしているとおぼしき奇跡的現象」が、多くの人の心を捉えたのである . . . 本文を読む

【霊学概論】(7)超心理学

2011-03-21 00:05:32 | 高森光季>霊学概論
◆超心理学  科学者たちによるサイキカル・リサーチも、二十世紀に入ってまた連綿と続けられた。フランスの生理学者シャルル・リシェは、エヴァ・C(一八九〇―一九四三、本名マルト・ベロー)を対象に、物質化現象を研究し、霊媒から流れ出す流動性の半物質を「エクトプラズム(extoplasm。正しくはエクストプラズムであろう)」と名付けた。  しかしながら確乎とした証拠は手にすることができず、サイキカル・ . . . 本文を読む

【霊学概論】(6)スピリティスム

2011-03-14 00:36:25 | 高森光季>霊学概論
◆スピリティスム  スピリチュアリズムには双子の兄弟がいる。それは、フランスで誕生した「スピリティスム」である。スピリティスムは広義のスピリチュアリズムに含まれると見ることもできるが、中心的な主題にずれがあるため分けて考える立場もある。編纂者アラン・カルデック(一八〇四―六九)は、おそらくとりたてて別派を作ろうという意識はなかった。スピリチュアリズムではなく「スピリティスム」としたのは、前者が . . . 本文を読む

【霊学概論】(5)イギリス・スピリチュアリズムの結実

2011-03-07 00:03:00 | 高森光季>霊学概論
◆イギリス・スピリチュアリズムの結実  一方、スピリチュアリストたちは、一部はSPRに参加したが、独自の活動を展開していた。小さなサークルや地方協会は多数できていたし、SPRより九年早い一八七三年には、活動的スピリチュアリスト、E・D・ロジャーズらの主導で「英国スピリチュアリスト協会」が結成された。一八九一年には、スピリチュアリズムの熱烈な伝道者ブリテン夫人らの支援により「英国スピリチュアリス . . . 本文を読む

【霊学概論】(4)学者たちの研究団体

2011-02-28 00:05:00 | 高森光季>霊学概論
◆学者たちの研究団体  イギリスにおけるスピリチュアリズムの大流行は、これだけで終わったら、アメリカのそれとほとんど変わらないものに留まったかもしれない。そしてヴィクトリア朝の文化的爛熟を物語る一幕のエピソードとして終わったかもしれない。だが、イギリスのブームは、きわめて重要な成果をもたらした。それは、アカデミックな地位を持っている学者たちが、団体を結成し、真剣に「現象」を検証したということで . . . 本文を読む

【霊学概論】(3)イギリス・スピリチュアリズム

2011-02-21 00:05:10 | 高森光季>霊学概論
◆イギリス・スピリチュアリズム  スピリチュアリズムの大流行はすぐにイギリスへと伝わった。一八五二年十月に霊媒ヘイデン夫人が渡英・活動すると、新聞は大々的に報じ賛否両論が巻き起こった。様々な人が彼女のもとを訪れ真偽のほどを確かめようとしたが、その中から彼女の起こす心霊現象を真正なものと認め、霊の実在を受け入れた最初の学識者が出た。一人は数理論理学のオーガスタス・ド・モーガン(一八〇六―七一)であ . . . 本文を読む

【霊学概論】(2) アメリカのスピリチュアリズム

2011-02-14 00:28:01 | 高森光季>霊学概論
 現在では当たり前のことになっていることが、それほど遠くない昔には、まったく当たり前のことではなかった、ということはよくある。民主主義とか人権とか平等とか表現の自由といったことも、当たり前になったのはごく最近のことである。  現代の支配的世界観である「科学主義的唯物論」も、また同じであって、それがいわゆる先進国で普遍的なものとなったのは、わずかこの百数十年、長く見積もっても二百年のことである。   . . . 本文を読む

【霊学概論】参考文献

2011-02-07 00:25:06 | 高森光季>霊学概論
(暫定です。著者五〇音順、[ ]は原書刊行年) 浅野和三郎『心霊学より日本神道を観る』心霊科学研究会、一九三八年 東長人+ガイスラー、P『ブラジルの心霊治療・奇跡を操る人々』荒地出版社、一九九五年 飯田史彦・奥山輝実『生きがいの催眠療法』、PHP研究所、二〇〇〇年 稲垣勝巳『前世療法の探究』春秋社、二〇〇六年 井上忠一「老人の眼――分霊再生論ほか」『心霊研究』日本心霊科学協会、一九八〇年一一月号 . . . 本文を読む

【霊学概論】(1)序

2011-02-07 00:18:31 | 高森光季>霊学概論
【霊学概論】(1)序 「霊学概論」という連載を始めようと思います。ずいぶん大風呂敷のタイトルですがwww ほとんどの部分はかなり前に書いたものです。紙の書籍として刊行することを企図していたのですが、いろいろな事情があって、うまく行きませんでした。涙w 内容はTSLホームページのコンテンツと重なるところがあります。 基本、月曜はこっちで、金曜(時に+土曜)は柔らかめの内容を載せていこうかな、と思っ . . . 本文を読む