スピリチュアリズム・ブログ

東京スピリチュアリズム・ラボラトリー会員によるブログ

【霊学概論】(25)類魂と守護霊

2011-06-13 00:05:39 | 高森光季>霊学概論
◆類魂と守護霊  このあたりからスピリチュアリズム霊学の核心になっていく。  「霊界に残してきた私」「部分再生」「多面体の順次出現」といった問題は、霊魂というものの神秘的な性質(「私」というものの「非モナド性」)を示唆するものであるが、これらのことと密接に関係しているのが、「類魂」の問題である。  類魂(グループ・ソウル)は、「ソウルメイト」という表現で前世療法の研究者たちの間でもきわめて頻 . . . 本文を読む

【霊学概論】(24)生まれ変わり②

2011-06-08 00:02:17 | 高森光季>霊学概論
 再生問題が開示する問題はさらに続く。  生まれ変わりに関して、多くの人が抱く疑問は、「もしそれがあるなら、なぜ通常の人は過去世の記憶を持っていないのか」ということである。「思い出せない過去世など意味がないではないか」という意見もある。  確かにこれは難問である。学びそこなったことを学ぶために再生してくるのなら、過去世の記憶はあった方が効率がよいではないか。これについて霊の側からの答えは、「過去 . . . 本文を読む

【霊学概論】(23)生まれ変わり①

2011-06-07 00:07:22 | 高森光季>霊学概論
◆生まれ変わり  生まれ変わり(再生)問題は、難題中の難題である。それは普遍的で人気もある主題だが、その仕組みはきわめて複雑で、「人間の知性では理解することができない」とすら言われるものである。ある程度の説明が示されているが、それをたどっていっても、また難問にぶち当たる。再生問題は霊学の最も深遠な部分への入り口である。少し長くなるが、その迷路に歩み入ってみることにする。ただし以下は暫定的な整理 . . . 本文を読む

【霊学概論】(22)「常夏の国」と「荒涼とした境域」

2011-06-06 00:06:43 | 高森光季>霊学概論
◆「常夏の国」と「荒涼とした境域」  上記のような移行プロセスを経て、魂は自らにふさわしい場所に赴く。ここで霊魂は再び生気と活動性を回復する。そこは地上に似た要素を持った世界であり、ある意味で「浄土」「極楽」とも言える。マイヤーズ通信は「常夏の国」と表現する。  《平和と満足がこの境界の内に満ちわたっている。金銭の煩いは何もなく、日々の糧を得るために稼ぐ必要もない。……苦痛に悩むことも闘争に巻 . . . 本文を読む

【霊学概論】(21)霊的身体/この世に似た世界/中間プロセス

2011-05-31 00:05:56 | 高森光季>霊学概論
◆霊的身体  われわれの人格の主要部分は肉体の死後も存続する。このことは、「では肉体とは何なのか」「死後存続する魂は体はあるのか」といった様々な問いを生じさせる。  肉体を持って生きるということの意義は、より広汎な霊的宇宙観を見た後でないと適切な理解はできない。ただ、ヒトという生物学的存在は、霊的人類という存在が活動する場として与えられたものであるということは押さえておかなければならない。主体 . . . 本文を読む

【霊学概論】(20)死は恐ろしくない/自殺厳禁

2011-05-30 00:08:06 | 高森光季>霊学概論
◆死は恐ろしくない  スピリチュアリズムの究極のテーゼは、「人間は霊である」というものになるかもしれない。人間の個性は死後も存続するというテーゼも、霊界と現界は交渉可能であるというテーゼも、この人間=霊というテーゼの派生形と言えないことはない。  人間の個性(定義は今は置いておき「魂」と表現しておく)は肉体の死を超えて存続する。ということは、魂と肉体とは別物であるということである。これはすっと . . . 本文を読む

【霊学概論】(19)霊界からの情報

2011-05-24 00:06:23 | 高森光季>霊学概論
■第三章 スピリチュアリズム霊学の概要 ◆霊界からの情報  章題で「スピリチュアリズム霊学」という言葉を使用したが、そもそもこんな言葉はない。同語反復のようであまり美しくない。正確に言えば「(出来事としての)近代スピリチュアリズムの中で得られた霊(人間も含む)や霊界に関する情報(を整理したもの)」ということで、単に「霊学」というと大風呂敷に過ぎるため限定したわけである(「近代霊学」という . . . 本文を読む

【霊学概論】(18)回避圧力

2011-05-23 00:22:57 | 高森光季>霊学概論
◆回避圧力  一六〇年に及ぶ「霊の実在」「死後存続」の探究を駆け足で見てきたわけであるが、ここでその全体が指し示しているところをまとめてみる。  様々な出来事があったが、結局のところ、現代を支配しているのは唯物論である。もちろんその立場を取らない人は多くいる。正統的学識界から遠ざかれば遠ざかるほどその比率は増すようにも思える。しかし、現代の「知」を支配しているのは唯物論であり、霊の実在の立場は . . . 本文を読む

【霊学概論】(17)その他の死後存続関連研究

2011-05-17 00:11:30 | 高森光季>霊学概論
◆その他の死後存続関連研究  このほかにも、二〇世紀後半に「死後問題」「他界問題」を世に問いかけることになった出来事がある。とりあえずここでは、キューブラー=ロス、シャーリー・マクレーン、ロバート・モンローについて簡単に触れておく。  エリザベス・キューブラー=ロス(一九二六~二〇〇四)は、日本でも非常に著名な「臨死医療」の先駆者である。スイスに生まれ、苦学して米国で医者になるが、近代医療体制 . . . 本文を読む

【霊学概論】(16)霊的治療

2011-05-16 00:03:30 | 高森光季>霊学概論
◆霊的治療  霊的治療、より正確に言えば「霊による治療」は、有史以来、様々な時代・文化において見られてきたものであり、簡単に概括することは不可能である。ここでは二、三の事例について触れるに留める。  現在知られている物理・化学的な法則を超えた「超常的」な病気治癒というものが存在するかどうかは、簡単に論じられない。そもそも病気自体、どうして起こるのかも、どうして治癒するのかも、はっきりと物理・化 . . . 本文を読む

【霊学概論】(15)機械を使った霊界通信

2011-05-10 00:04:12 | 高森光季>霊学概論
◆機械を使った霊界通信  一九八〇年代以降、臨死体験や前世療法とはまったく別の領域で、死後存続研究の新たな展開が起こった。これまでの霊媒による交信とはまったく別の、きわめて現代的な方法で、死者霊と交信するというものである。それが、電子機器による霊界との交信「インストゥルメンタル・トランスコミュニケーション(Instrumental Transcommunication=ITC)」である[クビス . . . 本文を読む

【霊学概論】(14)スティーヴンソンの生まれ変わり研究

2011-05-09 00:12:04 | 高森光季>霊学概論
◆スティーヴンソンの生まれ変わり研究  二十世紀における死後存続の実証研究という点では、イアン・スティーヴンソン(一九一九―二〇〇七)の探究はおそらく最大の成果だと言えるだろう。超心理学が死後存続説に関して及び腰になっていった中で、彼は真っ向からその問題に挑んだ数少ない研究者の一人だった。  彼は世界中の「生まれ変わり」事例を、驚異的な努力・忍耐力をもって収集した。超心理学が実験室に籠もるのと . . . 本文を読む

【霊学概論】(13)超心理学の問題

2011-05-03 00:10:38 | 高森光季>霊学概論
◆超心理学の問題  超心理学は、霊の実在や死後存続といった問題は直接扱わず、生きている人間の心が持っている「現在の物理的法則では説明できない現象を起こす能力」を探究するようになったということは前に述べた。  ESP(extrasensory perception=超感覚的知覚)とは、現在知られている物理的方法による五官の知覚とは異なるやり方で、情報などが伝達されることを指す。よく知られているテ . . . 本文を読む

【霊学概論】(12)「中間世」問題

2011-05-02 00:20:21 | 高森光季>霊学概論
◆「中間世」問題  さらに、前世療法は意外な方向への発展を見せる。それは「中間世」と「超越的存在者」の問題である。  中間世(中間生とも。interlife, between-life)とは、一つの人生が終わって、別の人生へと生まれ変わるまでに、留まる世界だとされている。前世を想起しているクライエントは、死の次の瞬間、魂が肉体を離れ、光に吸い寄せられるように上昇し、きわめて心地よい、輝きに満ち . . . 本文を読む

【霊学概論】(11)前世療法

2011-04-25 00:57:28 | 高森光季>霊学概論
◆前世療法  「臨死体験」のブームは、しかしそれなりの功績があった。一つは一般人の「死後」への関心を呼び覚ますという功績であり、もう一つは、別の波を呼び寄せる触媒の役割を果たしたというものである。その別の波とは「前世療法」である。  前世療法は、年齢退行催眠によってクライエントを“出生以前”にさかのぼらせると、過去生らしき記憶が出現し、それによってクライアントの抱えていた心身症状が軽減するとい . . . 本文を読む