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【生きるヒント】⑧静思瞑想とライト・トランス

2011-05-21 16:42:04 | 高森光季>生きるヒント
 (瞑想に熟達した方には、以下は釈迦に説法です。スルーしてくださいw)

 スピリチュアリズムの霊信では、「一人になり、俗世の思いを捨て、心を静めることで、魂との触れあいを持ちなさい」と勧められています。
 静思瞑想ですね。
 でも、漫然とすわって、心を静めようとしても、なかなかうまく行かない。体がむずむずしたり、あれやこれやの雑念が沸いてくる。結局、30分すわっても何もならなかった、というようなことがあるのではないかと思います。

 瞑想にはいろいろな方法があって、合う・合わないがあります。体に重点を置くもの、心の仕組みを利用するもの、イメージや情操を活用するもの……。人はそれぞれに得意・不得意がありますから、どれがやりやすいかは変わってきます。
 ただ、どんな方法にしろ、出発点は同じではないかと思います。
 それは、マイヤーズ通信の言う「神経魂」から意識・心を切り離すことです。
 私たちは日常生活を送っている時には、非常に緻密でせわしない「刺激と対処」の反応システムを活発化させています。これは驚くほど素晴らしいシステムで、熱いものに触ったら手を引っ込めるというようなことから、人の反応を読み取って態度を調整するといったものまで、私たちが生きていく上で欠かせない「生存保証」になっています。これが「神経魂」システムで、私たちは漫然としていても、このシステムをフル稼働状態にしています。
 ただ、これは便利なのだけれども、逆にそれにがんじがらめになってしまう。それだけに振り回されてしまう。あるいは、ちょっと変な偏りを作ってしまったりする。そうすると、内なる心や魂は窒息状態になるわけです。
 この「神経魂」を静め、停止状態にする。そうすると、普段は感じられなかった心の部分や、魂のささやきが、段々感じられるようになってくる。
 この静め方がわからないと、いくらすわって静思瞑想しても、あまり意味はないことになります。

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 この神経魂の停止状態は、軽い「変性意識状態(altered states of consciousness=ASC)」であり、軽度の催眠状態とも言えます。
 こうした状態を実感・会得する簡単な方法があります。
 それが自律訓練法です。いわば自己催眠誘導法です。
 おおぎょうなものではありません。単純に言うと、大の字に寝そべって、「右手が重くなる、左手が重くなる、右足が重くなる、左足が重くなる……」というイメージを作り、それを感じるというものです。詳細は次を参照してください。
 九州大学病院心療内科HP「自律訓練法
 軽度の催眠・ASC状態(ライト・トランス)は、それ自体に治癒効果があるとも言われています。自律訓練法は不眠とか緊張症とかにも効き目がありますし、一般的な健康増進にもなります。
 で、慣れてくると、この「ライト・トランス」は、満員電車の中ででもできるようになります。
 心が「外界刺激とのダイレクトな接触を断つ(遠ざける)」やり方を覚えるようです。
 仕事場などでも、疲れたりいやな気分になったりした時、「ライト・トランス」にしばらく入り、また戻ってくると、案外元気になったりもします。

 「ライト・トランス」の状態を覚え、それを自覚的に起こせるようになると、静思瞑想もぐっと深いものになります。その先には、またいろいろなやり方がありますが、ともかく入り口に立つことができるわけです。

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 変性意識状態(ASC)というのは、実に様々な様態があり、非常に豊かな内容を持つものです。
 霊的存在との交渉というのも、このASCなしには成り立ちません。
 非常に手荒に言ってしまえば、宗教の修行とか儀礼というのは、このASCをどうやって作り出すかということにほかなりません。それによって深い心的体験や霊的体験が得られるわけです(ただし低劣な宗教は「集団への合一感」といった低次な体験しか供給しませんが)。
 催眠というのも、いろいろ偏見がありますが、このASCを起こさせるテクニックです。近代になって、催眠が医療に使えると考える人々が現われ、なかなか興味深い研究がなされてきました。詳しくはTSLホームページ「催眠と超常現象」を参照してください。一度、信頼できる催眠療法家のもとで、深い催眠体験をしてみることも、ASCを会得する上では有効かもしれません。
 また、最近の「ヘミシンク」なども、このASCを起こさせる方法のようです。

 「ライト・トランス」の先に、「脱魂」とか「憑霊」といった霊的現象があります。ただ、それは頻発するものではないようです。ある程度、資質によって左右されるのかもしれません。
 一般の人は、別に強いてそこまで求める必要はないでしょう。
 私たちの日常生活は、レコードプレイヤーの針部分のように、常に現実(盤)に鼻を突きつけ、そのギザギザに揺れているようなものです。その「不断の外的刺激」から心を離し、自由にさせることがまず重要なわけです。それが「神経魂を停止する」ということであり、「ライト・トランス」状態でもあるわけです。

 ともあれ、静思瞑想をこれからやろうとしている方、やってみてもあまりぴんと来ていない方には、まず自律訓練法で「ライト・トランス」を会得することをお勧めします。

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