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【雑報】“地獄からの生中継”

2012-05-19 18:11:33 | 高森光季>その他

 (現在、本題は休止中で、雑報・雑談ばかりになっております。)

 お隣の国の宗教事情に関しては、前にもある仏教団体の出来事を載せましたが、キリスト教(系新宗教?)のこんなニュースもありました。

  地獄を見ながら生中継する牧師が登場 : シンシアリーのブログ

 《先日、韓国のある「教会」で、チェ・ジンシル〔自殺した有名女優〕は地獄に落ちた、そこで苦しんでいる、録音テープもある! と主張しながらそのファイルを公開、問題を起こしています。……牧師が「地獄で苦しんでいる」という人のリストは、マイケル・ジャクソン、アンドレ・キム、キム・デジュン元大統領、キム・スファン枢機卿、パク・チョンヒ元大統領、金日成や金正日などなどで、・・・・・何故かプロテスタントは一人もいません(チェ・ジンシルさんはサタンに騙されて自殺したから地獄に落ちたとか)。マイケル・ジャクソンはサタンの蛇のお陰で踊りが上手だった、とか。その人たちが言い残したという録音テープがいくつもありますが、パク・チョンヒ大統領は「李明博!お前がもっとプロテスタントのための政策を使わないから国が危機なんだよ」とアドバイスまでしてくれます。》
 《韓国のプロテスタント教会では、まぁ全てがそうだとは思いたくないですが、このように体を激しく動かしたり泣き叫んだりしながら祈ると「信仰心が強い」「聖霊充満」とか褒められます。この人たちもそういう流れのようで・・集団催眠の可能性、高いですね。》

 まあ、日本にも「金正日?の守護霊と話した」なんて言う御仁もいますから、笑えません。

 韓国のキリスト教というのは、自称プロテスタントが多くて、果たしてキリスト教と言えるのかどうか疑問のものもあるようです。お金儲けのために教会を作る人もいるらしいとのこと。
 伝統的な宗教の看板を掲げて、実はかなり内容や志向性が違う新宗教を展開するというのは、どの国にもどの時代にもあるもので、そんなことを言えば日本仏教のほとんどがそうなるかもしれません。それを差し止める手段もないし、差し止めた方がいいのかどうかも微妙です。カトリックはそういったことを防ぐために法王庁の権力を絶対化したわけですが、そのために果てしない「異端の圧殺」が展開されました。
 結局、人々の節操とか常識とか美意識とかに委ねられるしかないのかもしれません。
 低劣なものが出て、私利私欲や妄想から、伝統宗教のよい遺産はもとより、超越存在や他界の(つまり神や神々や霊の)尊厳を汚すことが多いのは、何とも残念なことです。
 このコメント欄にもありましたが、「地獄の恐ろしさ」を強調することで信仰を訴えるというのは、キリスト教や仏教の一部もやってきたことです。「蒙昧なる大衆を目覚めさせる」(笑い)ためなのかもしれませんが、もうそういうのはやめたらどうかと思います。

 朝鮮はもともと「ムーダン」と呼ばれる「憑霊型霊媒」による“土着的シャーマニズム”が強くありました(私はこれを実見したことがあります)。一部にはこうした“土着的シャーマニズム”が宗教を歪めるという見解もありますが、こうしたものは、日本にも、アジア各地にも、そして細々ながら西洋世界にもあるわけで、それ自体は普遍的な人間の精神文化です(ちなみに、体を激しく動かして祈る――それによってトランスを誘発させる――というのは、アメリカのペンテコステ[聖霊降臨]派や、ブラジルの諸派にも見られます)。そして普遍宗教と呼ばれるものは、そうした基盤の上に乗っかっている。日本仏教も、壮麗な教学体系の下に、実践としての“土着的シャーマニズム”を抱え込んでいるわけです。
 ですから問題は“土着的シャーマニズム”にあるのではなく(さらに言えば“交霊行為”そのものにあるのではなく)、やはりその宗教の志向性や構成自体に求めるべきだと思います。
 もう少し平たく言えば、あちらで苦しんでいる霊との交信自体がいけないのではなく、そうした曖昧でデリケートで無闇に語るべき問題ではない問題を前面に出して、自派の教盛を拡げようとしたり、他派を非難したりしようとするのは、どんな宗教であれ非難されるべきだろうということです。


 (ちなみにこの「シンシアリー」さんは、韓国在住の歯科医で、なぜか日本のメディアでは報道されることがない韓国の内情を、日本語で、非常に冷静・知的に“報道”している人です。自他ともに認める“親日派”ですが、韓国の内情を知りたい方にはお薦めです。)


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