スピリチュアリズム・ブログ

東京スピリチュアリズム・ラボラトリー会員によるブログ

ミゾを深めるスピリチュアル4 ~陰謀論を排す2~

2010-08-01 23:58:01 | m.taizo>スピリチュアリズム周囲
7月14日のNHKクローズアップ現代「動きはじめた自殺対策~実態調査が命を救う~」を見ました。
http://cgi4.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail.cgi?content_id=2914

身近に自殺した知人が居るひとは少なくないでしょう。日本においては12年間連続して3万人を超える自殺者が居るわけですから。近年は特に中高年の自殺が顕著に増え続けていて、その理由に経済の悪化や健康問題が深く関わっているとされており、つまり経済が好転して医療福祉などが充実していればもしかしたら自殺しなくて済んだ人たちが毎日何人も自ら死を選んでいるのです。環境が好転しさえすれば自殺をせずに済むのは、たぶん中高年に限ったことではないでしょう。

霊魂の死後存続と永遠の霊的成長という教え(情報)を基盤とするスピリチュアリズムが自殺を固く戒めているのは事実ですし、スピリチュアリズムによってもたらされた情報が広く浸透すれば自殺の抑止に繋がるとも思いますけれど、具体的な環境要因があって自殺願望の高まっているひとに対して、その具体的な要因に即した対策によって緊急避難的に自殺を回避させることがまずは必要なのだろうと思います。ひとまずスピリチュアリズムは置いといて、です。四年前に出来た「自殺対策基本法」では、「自殺は社会の努力によって避けることのできる死」と明記されているそうです。

苦しんでいる本人が導かれるようにしてスピリチュアリズムに辿りつくのであれば話は別ですけれども、霊魂説を信じても居ないようなひとに「スピリチュアリズムによってもたらされた情報によると、自殺者が死後に置かれがちな典型的な境涯は~」などと押し付けようものなら、それこそ「悪質なスピリチュアル恫喝営業」と誤解されてもしょうがありません。もちろん、精神的な危機をきっかけにスピリチュアリズムを知る人間も数多くいるようですし、苦しみの渦中にいるひとがより容易にスピリチュアリズムに辿りつけるよう、スピリチュアリストとしては日頃から情報を差し出しておくことは必要でしょうけれど。

以下に「クローズアップ現代」から大雑把にメモした内容を↓に紹介しておきます。

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最新の警察発表新資料→自殺者三万人を職業・年齢・家族構成、時期・市区町村別にまとめなおしたもの
「いつ」一日あたりの人数を曜日別に見た場合
→曜日別最多が月曜で一日あたり92.8人で、土曜70.7人より20人多い。
→日付別、1日と31日に集中している。
3月1日(138)、四月1日(121)、6月1日(119)、5月31日(116)、11月1日と9月1日(114)、3月31日(110)
※コメンテーター秋田大学教授医学部長本橋豊氏の分析、「真面目なひとが多いので、区切りがついたところで死を選ぶ」

地域によって実態に大きな差

23区だと練馬区→主婦の自殺多い、足立区→失業者、新宿区→20代女性、青森県弘前市→農業従事者 

NPO団体ライフリンクによる自殺者500事例の詳細調査結果でわかったのは、自殺者には平均して四つ以上の問題が連鎖していて、職業によって典型的な連鎖パターンがあり、共通の経路によって死を選んでいることが多い。

例・自営業者  事業不振→多重債務+看護疲れ→生活苦→うつ病発症→自殺  家族が健康に問題を抱えているケースが四割

例・企業勤め人の典型パターン 職場環境の変化(配置転換)がキッカケとなった人が全体の3割  配置転換→過労→うつ病→自殺

ライフリンク代表清水康之氏の話
「なんでこんな同じような立場の人が同じ経路を辿って、亡くなっていくのに、それが見過ごされてきたのか?というのは、逆に言うと、徹底して解明したその先には必ず、対策の介入ポイントが見えてくる、生きる支援を重点的に行うべきポイントが必ず見えてくる、というふうに思います」

職業のみならず家族形態や地域によっても大差があるようで、データを活用して、よりリスクの高いところにアプローチしている自治体として足立区の取組紹介。例えば三十代男性の自殺ケースが前年に比べて三倍、その多くが無職→そこで35歳の区民向け健康診断で、心の状態もチェック、うつ病のサインである不眠を新たにチェック項目に。自殺対策専属の保健士→検診後、うつのサインを出した女性例に対し→子育てストレスによる不眠→地域の保健士を紹介しつつ見守りを約束。ただ肝心のターゲット層(三十代男性無職)の検診参加が全体の一割しか来なかった。ターゲットに辿りつくにはどうするか?が課題→ライフリンクとの話し合い→2、30代の無職男性(ひきこもり・ニート多い)とどうやって巡り会うか→就職できなった人やニートが相談に訪れるNPO(若者自立支援NPO)を訪問、協力を要請。日中無料で過ごせる図書館に利用者が多い。保健士と弁護士による相談会出張を提案。具体的なデータを使うことで、より具体的な対策を取れるようになった。

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まだ対策を立て始めたばかりなのでもちろん解決にはほど遠いわけですが、番組では更に話を突っ込んで「社会的な要因を排除しない限り、仮に鬱病による自殺者が減ったとしても、鬱病者の数そのものは減らない」といったところまで言及しておりました。容易に景気が回復するとも思えませんし、医療などの福祉が急速に整備改善されるとも思いませんけれども、こうした状況下で、とりあえず出来るだけのことをしようと現場で尽力されているNPOスタッフや一部自治体の職員の方々には頭が下がります。彼らは霊魂の死後存続を信じているのでしょうか?それとも唯物主義者でしょうか?関係ないですね。ただ、立派な行為だと思います。

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問「唯物論者や無神論者は死後の世界でどんな目に遭うのでしょうか?」

答「宗教家とか信心深い人は霊的に程度が高いという考えが人間を永いあいだ迷わせてきたようです。実際は必ずしもそうとは言えないのです。ある宗教の熱烈な信者になったからといって、それだけで霊的に向上するわけではありません。大切なのは日常生活です。あなたの現在の人間性、それが全てのカギです。祭壇の前にひれ伏し、神への忠誠を誓い、“選ばれし者”の一人になったと信じている人よりも、唯物論者とか無神論者、合理主義者、不可知論者といった、宗教とは無縁の人の方がはるかに霊格が高いといったケースがいくらでもあります。問題は何を信じるかではなく、何をなしてきたかです。そうでないと神の公正が根本から崩れます。」
               シルバー・バーチの霊訓(一) 『質問に答える』より
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多くが自殺を選ぶような社会状況を生み出した背景にはなんらかの制度悪があったり、その制度悪の遠因には社会を構成する個々人による利己主義の蔓延があったりするかもしれず、さらにその利己主義の蔓延も突き詰めていけば現世至上の唯物主義的な価値観が根底にあるのかもしれませんが、そしてそうした価値観のもたらす病弊に対して、霊性を高めることに重きを置くスピリチュアリズム的な世界観の浸透が最良の処方箋たりうるのかもしれませんが、それは経済その他の「社会的な要因」が解決されるよりもさらに長い時間が必要でしょう。

貧困問題、差別の問題、その他ありとあらゆる社会的不正に関わってくる問題に共通して言えることですけれども、「スピリチュアリズムが浸透すれば・・・」などというのは、諸宗教に共通する黄金律「他人にしてもらいたいと思うような行為をしなさい」が“世界基準”になって実現すれば遅かれ早かれ諸悪は消滅すると主張するのと同じで、「世の中みんなが善人になれば平和は実現しまーす」と言っているのに等しく“夢物語”でしょう。ただ、いかに現実離れしているにしても、だからといって理想を切り捨てて開き直れば良いわけではなく、遠い理想だけれどもちょっとずつでも近づいていきましょう、というのが入門者私の解するところのスピリチュアリズムで、そして現実に理想に近い生き方を見せてきた聖人も居るらしいのですから、社会的な現実としての“地上天国”の到来は当分不可能であるにしても、少なくとも特定個人が“理想的な振る舞い”(の定義は危なっかしいけれども、善性を志向するということ)に近づくことは可能でしょう。私の現身とかけ離れていて、書いていて虚しいんですけれども、一応、言うだけ言っとこうかなと。

で、話がしっちゃかめっちゃかになって来ましたが、理想と程遠い現実を前提とする社会では、その程遠い現実を最大限に重視したところから有効なアプローチを模索することが現実的に必要になってくると私は考えているわけで、「貧困問題を解消するための」「自殺者を減らすための」「差別を無くすための」営為としては、唯物社会を前提としている限りは唯物的なアプローチが現時点では有効なのであろうと。ただ、それとスピリチュアリズムの普及は矛盾することではなく、同時並行的に出来ることだと思っているわけですが。


さて、長い前フリの後ですが、そこで陰謀論です。
前回書いたように、もちろん陰謀はあるかもしれませんので、陰謀がある可能性そのものを否定したいわけではありません。陰謀論に対して、スピリチュアリストはどう向かい合うべきなのか、ということです。

アセンション関連でネット検索したところ引っかかった陰謀論を紹介して、今回は終わらせましょう。スピリチュアル関連で目にすることの多い船井幸雄氏のネット日記『船井幸雄のいま知らせたいこと』から。「ともかく、ぜひ皆さんにも、目次だけでも読んでほしいのです」ということなので、遅まきながらとりあえず私も目次と船井氏の紹介文だけは読んでみました。http://www.funaiyukio.com/funa_ima/index.asp?dno=200610008

このテーマは、スピリチュアリズムにおいて“悪”がどのように定義されているのか、ということと密接に関係してくると思います。多くの霊言で共通した見解が述べられておりますので、次回、幾つか引用紹介しつつ、“悪”というものをどう捉えるべきなのか考えてみようと思います。引用を並べるだけで十分という気がしないでもありませんが。


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