もう30年以上前のこと
とある欧州車に乗っていました
超高級車ではないけど
そこそこの価格でした
右ハンドルの2ドアクーペ
車体色は限りなく茶色に近い赤
静岡県から神奈川県につながる峠の国道を走って東京に向かっていたところ
突然後方から
「Stop」と女性の声が
ルームミラーをみても誰もいるわけもなく
空耳かと
カーステレオからはビリージョエルが流れていたので
その音の聞き違いかもととおもいましたが
あまりにはっきり聞こえたので
クルマを登坂車線の横の幅の広い路肩へ止めて
後部座席を見ましたが当然なにもない
まあ、時間もあることだし
クルマから降りて
後方を見に行くと
当然なにもない
何台ものクルマが通りすぎていくだけ
当時はタバコを吸っていたので
セブンスターを取り出して一本クルマの横で煙にして
またクルマに乗り込んで走り始めました
峠のピークを越えて下りに入ったところで渋滞が始まって
ぐずぐずしてたから詰まったかと
でも、時間は午前1時過ぎ、渋滞がおこる時間ではないし
クルマが完全に止まったところでクルマから降りて前方を見ると2-300m先で事故、それも赤々と火が上がっている
10分ぐらいたって火が煙に変わったころに緊急自動車が到着して消化作業に
結局そこで4時間以上の足どめに
クルマにテレビはついていましたが
山の中で映るはずもなく
でも、よく考えたら
あの「Stop」が聞こえなかったら
あの燃えたクルマの中にいたかもしれない