小さな会社の経理には、小さな会社ならではの難しさがあります。そのひとつが社長借入金(役員借入金ともいいます)です。この社長借入金に関しては、簿記の書物を読んでも、ネットで検索しても解決できない問題に遭遇してしまいます。
社長借入金は、社長(代表者)兼大株主であるような小さな会社で生じる社長と会社間の資金の動きです。小さな会社では会社の資金が不足した場合、社長が個人の資金を会社に提供するということが当たり前のように行われます。この資金の動きが社長借入金として会社の帳簿や決算書に表れます。
【重要】社長の「立ち位置」に対する認識
社長借入金の問題を考えるにあたっては、社長の立ち位置を認識しておかなければ混乱してしまいます。
社長借入金に関しては、社長個人つまり会社の外での一個人、それと会社(法人)という「ふたつの当事者」が存在します。社長借入金は社長という一個人から会社への資金の貸付けです。会社からすれば、社長という一個人から借りているのです。会社の帳簿や決算書は会社の立場ですので、会社は借りているので「借入金(負債)」となります。
◆社長借入金が生じるパターンは様々(会社の資金が動かないケースも)
社長借入金が生じる一番美しい(?)パターンは、社長個人の資金を社長個人の預金口座から会社の預金口座に振り込むというものです。しかし、このパターンは珍しいといっても過言ではありません。
小さな会社では、社長が会社の経費を立替払いすることが多いです。この立替経費が精算されていない場合には事業年度末に社長借入金と経費勘定(交通費、交際費など)を計上します。立替経費相当額を社長から借りてそれで経費を支払ったと考えるのです。社長個人と会社との間に資金の動きはありません。
小さな会社では、資金繰りの都合で社長の給与が支払えないことがあります。このようなときも上記の立替経費と同じ要領で社長借入金を計上します。
その他、社長が認識していない状況で社長借入金が生じるパターンはいくつもあります。
◆社長借入金の使途(社長借入金に関連して生じる勘定科目)
社長借入金が生じるのは会社に資金が必要なときで、借りた資金は何らかの支出に充当されています。そして、その支出が決算書の何らかの勘定科目に表れます。
社長借入金で車両を購入した場合は車両運搬具と減価償却費、立替経費の場合は諸費用(交通費、交際費など)、社長の給与が支払えなかった場合には役員報酬が計上されています。
◆社長借入金の返済
社長借入金を返済した際には、社長借入金を減額します。上記の社長借入金の使途として生じた勘定科目はすでに生じていますので、返済の段階では生じません。
◆社長借入金の残高
社長借入金の残高(決算書や試算表に表示されている金額)は今後社長に返済しなければならない金額です。社長借入金は、社長が認識していない状況で生じるパターンがあります。事業年度が終了したなら社長借入金の額を必ず確認しておかなければなりません。
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★社長貸付金(役員貸付金ともいう)
社長「貸付金」というのもあります。会社から社長への資金の貸付けです。社長という一個人からすれば会社から借りているということです。
★社長借入金の決算書における表示(借入金以外で表示される場合も)
社長借入金は貸借対照表の負債の部に短期借入金あるいは長期借入金という勘定科目で表示されます。この勘定科目には金融機関からの借入金も含まれていますので、社長借入金というのはその内訳(補助科目)を構成します。
社長借入金が借入金(長期あるいは短期)以外の負債として表示されることがあります。未払金と未払費用です。社長の給与や立替経費の未精算分は借入金よりも未払金や未払費用で計上されていることのほうが多いかもしれません。いずれにせよ、会社が社長に返済(支払い)をしなければならない金額(負債)であることに変わりはありません。
★現金勘定のマイナス
社長に給与を支払えなかったのに「現金で支払ったような」処理をした。
社長の立替経費を「現金で精算したような」処理をした。
「事実には反し」ますが、このような処理をすることがあります。この処理が累積すると現金勘定がマイナスになることがあります。現金のマイナスはありえませんので、社長借入金を発生させて現金のマイナスを解消させなければなりません。
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社長借入金は、社長(代表者)兼大株主であるような小さな会社で生じる社長と会社間の資金の動きです。小さな会社では会社の資金が不足した場合、社長が個人の資金を会社に提供するということが当たり前のように行われます。この資金の動きが社長借入金として会社の帳簿や決算書に表れます。
【重要】社長の「立ち位置」に対する認識
社長借入金の問題を考えるにあたっては、社長の立ち位置を認識しておかなければ混乱してしまいます。
社長借入金に関しては、社長個人つまり会社の外での一個人、それと会社(法人)という「ふたつの当事者」が存在します。社長借入金は社長という一個人から会社への資金の貸付けです。会社からすれば、社長という一個人から借りているのです。会社の帳簿や決算書は会社の立場ですので、会社は借りているので「借入金(負債)」となります。
◆社長借入金が生じるパターンは様々(会社の資金が動かないケースも)
社長借入金が生じる一番美しい(?)パターンは、社長個人の資金を社長個人の預金口座から会社の預金口座に振り込むというものです。しかし、このパターンは珍しいといっても過言ではありません。
小さな会社では、社長が会社の経費を立替払いすることが多いです。この立替経費が精算されていない場合には事業年度末に社長借入金と経費勘定(交通費、交際費など)を計上します。立替経費相当額を社長から借りてそれで経費を支払ったと考えるのです。社長個人と会社との間に資金の動きはありません。
小さな会社では、資金繰りの都合で社長の給与が支払えないことがあります。このようなときも上記の立替経費と同じ要領で社長借入金を計上します。
その他、社長が認識していない状況で社長借入金が生じるパターンはいくつもあります。
◆社長借入金の使途(社長借入金に関連して生じる勘定科目)
社長借入金が生じるのは会社に資金が必要なときで、借りた資金は何らかの支出に充当されています。そして、その支出が決算書の何らかの勘定科目に表れます。
社長借入金で車両を購入した場合は車両運搬具と減価償却費、立替経費の場合は諸費用(交通費、交際費など)、社長の給与が支払えなかった場合には役員報酬が計上されています。
◆社長借入金の返済
社長借入金を返済した際には、社長借入金を減額します。上記の社長借入金の使途として生じた勘定科目はすでに生じていますので、返済の段階では生じません。
◆社長借入金の残高
社長借入金の残高(決算書や試算表に表示されている金額)は今後社長に返済しなければならない金額です。社長借入金は、社長が認識していない状況で生じるパターンがあります。事業年度が終了したなら社長借入金の額を必ず確認しておかなければなりません。
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★社長貸付金(役員貸付金ともいう)
社長「貸付金」というのもあります。会社から社長への資金の貸付けです。社長という一個人からすれば会社から借りているということです。
★社長借入金の決算書における表示(借入金以外で表示される場合も)
社長借入金は貸借対照表の負債の部に短期借入金あるいは長期借入金という勘定科目で表示されます。この勘定科目には金融機関からの借入金も含まれていますので、社長借入金というのはその内訳(補助科目)を構成します。
社長借入金が借入金(長期あるいは短期)以外の負債として表示されることがあります。未払金と未払費用です。社長の給与や立替経費の未精算分は借入金よりも未払金や未払費用で計上されていることのほうが多いかもしれません。いずれにせよ、会社が社長に返済(支払い)をしなければならない金額(負債)であることに変わりはありません。
★現金勘定のマイナス
社長に給与を支払えなかったのに「現金で支払ったような」処理をした。
社長の立替経費を「現金で精算したような」処理をした。
「事実には反し」ますが、このような処理をすることがあります。この処理が累積すると現金勘定がマイナスになることがあります。現金のマイナスはありえませんので、社長借入金を発生させて現金のマイナスを解消させなければなりません。
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