複式簿記の知識が十分でないまま会計ソフトを使っている人は、給料に関する仕訳を間違っていることが多いです。「仕訳ひとつ間違ったくらい(笑)」と思うかもしれませんが、給料の仕訳は毎月生じますので、この間違いが累積すると、仕訳の結果としての決算書も大きく間違うことになります。
◆給料を手取額で計上している(連鎖的な間違いが起こる)
一番多い間違いがこれです。給料の手取額、総額から税金や保険料を差し引いた金額を「給料(費用)」で仕訳してしまうという間違いです。この仕訳をしてしまうと、次のとおり「給料関連取引」の仕訳も連鎖的に間違ってしまうことになります。
〇預り金勘定の残高がマイナスになる
税金(源泉所得税あるいは住民税)を納付する際には「教科書どおり」次の仕訳をしたとします。
≪借方≫預り金≪貸方≫現金など
給料を支払った際に預り金が生じた(増えた)処理をしていないのに、減少の処理だけをすると預り金勘定はマイナスになってしまいます。この処理を毎月続けていると、預り金勘定のマイナスは増える一方です。
〇税金の納付額を租税公課(費用)で処理している
「預り金」という勘定科目を知らない人がしてしまうのが、源泉所得税あるいは住民税の納付額を「租税公課」という費用で処理してしまうという間違いです。給料から徴収(天引き)する税金は、従業員などから預かった税金ですので、雇用者(会社や個人事業者)に負担は生じないので費用にはなりません。
〇健康・厚生年金保険料が全額会社負担になっている
給料から徴収した健康・厚生年金保険料の従業員負担額を預り金として処理していない場合は、保険料納付額全額について次の仕訳をしてしまうことになります。
≪借方≫法定福利費≪貸方≫普通預金など
この仕訳では、健康・厚生年金保険料は「労使折半」であるのに、決算書においては全額が会社負担という計算がされてしまいます。
◆預り金を減少させる仕訳を間違う(給料を支払ったときの仕訳は正しい)
給料を支払ったときの仕訳は正しくても、以後の「関連取引」の仕訳を間違うことがあります。
〇預り金の減少の処理をしていない
給料に関する預り金は、増加(徴収)があれば減少(納付)があります。しかし、この減少の処理をしていないことがあります。そのパターンとしては、「処理を忘れている」「勘定科目を間違っている」が考えられます。
給料を支払う際の健康・厚生年金保険料の処理は正しくできていても、保険料を納付する際に預り金を減少させる処理を忘れていることがあります。給料から徴収した源泉所得税や住民税を納付する際に租税公課で処理してしまうことがあります。
〇預り金の減少額を間違っている
健康・厚生年金保険料を納付したときの仕訳で、従業員負担額の処理を間違うことがあります。給料から徴収した額と異なる金額で預り金を減少させてしまうという間違いです。例えば、給料からの徴収は10万円であるのに誤って9万円と処理してしまうのです。
この仕訳をしてしまうと、預り金の残高が残ったままになるだけでなく、健康・厚生年金保険料の会社負担額である法定福利費の計算も間違うことになります。
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★預り金勘定の動きと残高はこまめにチェックする
給料に関して預り金勘定で処理される取引は、増加と同額の減少をしますので、この動きをこまめにチェックしておけば間違いが累積することがありません。
★預り金勘定は補助科目に分割する
給料からの控除(徴収、天引き)項目に対応させて、預り金勘定の補助科目を設定しておけば、増減や残高の管理はしやすいです。
【PR】記事の内容と直接的な関連はありません。
◆給料を手取額で計上している(連鎖的な間違いが起こる)
一番多い間違いがこれです。給料の手取額、総額から税金や保険料を差し引いた金額を「給料(費用)」で仕訳してしまうという間違いです。この仕訳をしてしまうと、次のとおり「給料関連取引」の仕訳も連鎖的に間違ってしまうことになります。
〇預り金勘定の残高がマイナスになる
税金(源泉所得税あるいは住民税)を納付する際には「教科書どおり」次の仕訳をしたとします。
≪借方≫預り金≪貸方≫現金など
給料を支払った際に預り金が生じた(増えた)処理をしていないのに、減少の処理だけをすると預り金勘定はマイナスになってしまいます。この処理を毎月続けていると、預り金勘定のマイナスは増える一方です。
〇税金の納付額を租税公課(費用)で処理している
「預り金」という勘定科目を知らない人がしてしまうのが、源泉所得税あるいは住民税の納付額を「租税公課」という費用で処理してしまうという間違いです。給料から徴収(天引き)する税金は、従業員などから預かった税金ですので、雇用者(会社や個人事業者)に負担は生じないので費用にはなりません。
〇健康・厚生年金保険料が全額会社負担になっている
給料から徴収した健康・厚生年金保険料の従業員負担額を預り金として処理していない場合は、保険料納付額全額について次の仕訳をしてしまうことになります。
≪借方≫法定福利費≪貸方≫普通預金など
この仕訳では、健康・厚生年金保険料は「労使折半」であるのに、決算書においては全額が会社負担という計算がされてしまいます。
◆預り金を減少させる仕訳を間違う(給料を支払ったときの仕訳は正しい)
給料を支払ったときの仕訳は正しくても、以後の「関連取引」の仕訳を間違うことがあります。
〇預り金の減少の処理をしていない
給料に関する預り金は、増加(徴収)があれば減少(納付)があります。しかし、この減少の処理をしていないことがあります。そのパターンとしては、「処理を忘れている」「勘定科目を間違っている」が考えられます。
給料を支払う際の健康・厚生年金保険料の処理は正しくできていても、保険料を納付する際に預り金を減少させる処理を忘れていることがあります。給料から徴収した源泉所得税や住民税を納付する際に租税公課で処理してしまうことがあります。
〇預り金の減少額を間違っている
健康・厚生年金保険料を納付したときの仕訳で、従業員負担額の処理を間違うことがあります。給料から徴収した額と異なる金額で預り金を減少させてしまうという間違いです。例えば、給料からの徴収は10万円であるのに誤って9万円と処理してしまうのです。
この仕訳をしてしまうと、預り金の残高が残ったままになるだけでなく、健康・厚生年金保険料の会社負担額である法定福利費の計算も間違うことになります。
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★預り金勘定の動きと残高はこまめにチェックする
給料に関して預り金勘定で処理される取引は、増加と同額の減少をしますので、この動きをこまめにチェックしておけば間違いが累積することがありません。
★預り金勘定は補助科目に分割する
給料からの控除(徴収、天引き)項目に対応させて、預り金勘定の補助科目を設定しておけば、増減や残高の管理はしやすいです。
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