ゆっくりと室内の色彩が変わる。東の壁が夕日をあびて赤くなり、次第に紫色に変わり、灰色を帯び暗くなっていく。
「そろそろ、準備をしていた方が良いかもね。まだ、月は昇らないし(妖界の)門が開くのには時間があるけど・・・・。まぁ、何事もないことにこした事はないんだけどね」
灯火に照らされたカルの顔が一瞬、引きつるのがレムの目に入った。
そんなに緊張しなくても・・・・。
「あ、まぁ、そんなに心配しないでも大丈夫よ。ここって、そちらの方々の通り道だそうだけど、まだ、死んだ人はいないそうだから」
落ち着かせようと、レムがカルの肩をぽんぽん叩く。
「死んだ人はいなくても、何かあったんじゃない? 今現在でこれだけの事あったんだから。それに、今までに誰かが何とか出来たんなら、こういう事は、起こってないだろうし、て事は、誰もどうしようもなかったってことでしょ。それをウチ等がどうにかしようたって・・・」
「何言ってんの。相手が何もしないなら、こっちだって何もしないわよ。だけど、こっちに害があるようなら、身を守る事ぐらいさせてもらったって罰は当たらないわよ。そうじゃなくたって、ここのおかみさんも協会の方もここがどういうところか知っていて、放っておいているんだもの。あたし達ばかりいやな目見ることないわよ。そうでしょ」
そうでしょ、の言葉と同時に、レムがテーブルを叩く。
「ちがう?」
「いや、違うとは、いわないけど・・・」
レムの勢いに押されたように、カルが口ごもる。
一緒に生活していて気が付いた事。
カルは、押しに弱い。どーしても、これは譲れない、って事意外は、相手が強く出ると大抵は、断らない。というより、反対する隙を与えない。ってのがミソなのだが。
要するに、言ったモン勝ちよ。というのが、レムの考えだ。・・・・・レムの場合、大抵そうなのだが。
「大丈夫。協会から報酬ぶんだくったら、ちゃんと分けてあげるから」
長~いため息を吐くカルの背を叩いて、レムが明るく励ます。が、
「・・・・ちょっと、違うと思う」
小さくカルが呟いた。
その後、諦めたのか言っても無駄だと思ったのか“逃げよう”とは言わなくなった。
その様子を見たレムが一人ごちる。
ま、世の中。何事も経験だと思って、諦めてもらうしかないわね、こうなったら。
「そろそろ、準備をしていた方が良いかもね。まだ、月は昇らないし(妖界の)門が開くのには時間があるけど・・・・。まぁ、何事もないことにこした事はないんだけどね」
灯火に照らされたカルの顔が一瞬、引きつるのがレムの目に入った。
そんなに緊張しなくても・・・・。
「あ、まぁ、そんなに心配しないでも大丈夫よ。ここって、そちらの方々の通り道だそうだけど、まだ、死んだ人はいないそうだから」
落ち着かせようと、レムがカルの肩をぽんぽん叩く。
「死んだ人はいなくても、何かあったんじゃない? 今現在でこれだけの事あったんだから。それに、今までに誰かが何とか出来たんなら、こういう事は、起こってないだろうし、て事は、誰もどうしようもなかったってことでしょ。それをウチ等がどうにかしようたって・・・」
「何言ってんの。相手が何もしないなら、こっちだって何もしないわよ。だけど、こっちに害があるようなら、身を守る事ぐらいさせてもらったって罰は当たらないわよ。そうじゃなくたって、ここのおかみさんも協会の方もここがどういうところか知っていて、放っておいているんだもの。あたし達ばかりいやな目見ることないわよ。そうでしょ」
そうでしょ、の言葉と同時に、レムがテーブルを叩く。
「ちがう?」
「いや、違うとは、いわないけど・・・」
レムの勢いに押されたように、カルが口ごもる。
一緒に生活していて気が付いた事。
カルは、押しに弱い。どーしても、これは譲れない、って事意外は、相手が強く出ると大抵は、断らない。というより、反対する隙を与えない。ってのがミソなのだが。
要するに、言ったモン勝ちよ。というのが、レムの考えだ。・・・・・レムの場合、大抵そうなのだが。
「大丈夫。協会から報酬ぶんだくったら、ちゃんと分けてあげるから」
長~いため息を吐くカルの背を叩いて、レムが明るく励ます。が、
「・・・・ちょっと、違うと思う」
小さくカルが呟いた。
その後、諦めたのか言っても無駄だと思ったのか“逃げよう”とは言わなくなった。
その様子を見たレムが一人ごちる。
ま、世の中。何事も経験だと思って、諦めてもらうしかないわね、こうなったら。