「レムちゃん、大丈夫?」
濡らした手拭でレムの頭を冷やしながら、カルが心配そうに声をかける。
あぁ、情けない。
レムが赤い顔で息を吐く。
お湯に浸かりすぎてのぼせてしまい、宿の一室に寝転がる破目になるなんて・・・。
「水か何か飲む?」
「いい。飲んだら吐きそう。目が回る」
ふうふう言っているレムに、どこから買ってきたのかカルが扇子でパタパタと風を送った。
「もう、びっくりしたよ。露天風呂から戻ったら、レムちゃん、お湯に沈んでるんだもん」
「面目ない」
浴槽から引き上げられた後、カルの背にしがみついて(半分引きずられて)ようやく、ベッドに辿り着いたのだ。
「もう、寝たら?」
唸っているレムを見てカルが言ったのだが、レムとしては目をつぶると余計目が回る為、眠る事が出来ないのだ。
だけど、困った。
レムが別の意味で、唸り声を上げる。
夜、アガタと待ち合わせをすることになっているのだ。それに、食堂も時間で閉まってしまう。このままでは夕飯抜きだ。
目が回っていても、食べる事は忘れないレムであった。
レムがふと気がつくと、あたりは真暗になっていた。窓の外も暗く、外灯がぼんやりと光を放っている。
いつの間にか眠ってしまったらしい。
その隣ではカルが規則正しい寝息をたてている。この分では、レムが部屋を抜け出しても気付かないだろう。
カルは、一度寝付くととんでもない根性を発揮して、ちょっとやそっとの事では起きたりしない。
前にレムがふざけて眠っているカルの鼻をつまんだことがあったが、目を覚ますどころか全然気付いていない、という程なのである。
それでも、朝、しっかり起きるから不思議だ。
しばらく、カルの様子を観察して、レムがそっと音を立てないようにベッドから滑り降りる。
眠ったせいか、頭を動かしてもくらくらしない。のぼせもすっかり直ったようだ。
よし、とレムがベッドを離れようとして、枕もとのテーブルに何か置いてあるのに気が付いた。
薄暗がりの中、目を凝らしてみてみると、布巾に包まれたサンドイッチであった。
「レムちゃん、サンドイッチここにおいて置くから、おなかすいたら食べてね」
と、夢現に聞いたような気がする。
では、ありがたくいただきます。
濡らした手拭でレムの頭を冷やしながら、カルが心配そうに声をかける。
あぁ、情けない。
レムが赤い顔で息を吐く。
お湯に浸かりすぎてのぼせてしまい、宿の一室に寝転がる破目になるなんて・・・。
「水か何か飲む?」
「いい。飲んだら吐きそう。目が回る」
ふうふう言っているレムに、どこから買ってきたのかカルが扇子でパタパタと風を送った。
「もう、びっくりしたよ。露天風呂から戻ったら、レムちゃん、お湯に沈んでるんだもん」
「面目ない」
浴槽から引き上げられた後、カルの背にしがみついて(半分引きずられて)ようやく、ベッドに辿り着いたのだ。
「もう、寝たら?」
唸っているレムを見てカルが言ったのだが、レムとしては目をつぶると余計目が回る為、眠る事が出来ないのだ。
だけど、困った。
レムが別の意味で、唸り声を上げる。
夜、アガタと待ち合わせをすることになっているのだ。それに、食堂も時間で閉まってしまう。このままでは夕飯抜きだ。
目が回っていても、食べる事は忘れないレムであった。
レムがふと気がつくと、あたりは真暗になっていた。窓の外も暗く、外灯がぼんやりと光を放っている。
いつの間にか眠ってしまったらしい。
その隣ではカルが規則正しい寝息をたてている。この分では、レムが部屋を抜け出しても気付かないだろう。
カルは、一度寝付くととんでもない根性を発揮して、ちょっとやそっとの事では起きたりしない。
前にレムがふざけて眠っているカルの鼻をつまんだことがあったが、目を覚ますどころか全然気付いていない、という程なのである。
それでも、朝、しっかり起きるから不思議だ。
しばらく、カルの様子を観察して、レムがそっと音を立てないようにベッドから滑り降りる。
眠ったせいか、頭を動かしてもくらくらしない。のぼせもすっかり直ったようだ。
よし、とレムがベッドを離れようとして、枕もとのテーブルに何か置いてあるのに気が付いた。
薄暗がりの中、目を凝らしてみてみると、布巾に包まれたサンドイッチであった。
「レムちゃん、サンドイッチここにおいて置くから、おなかすいたら食べてね」
と、夢現に聞いたような気がする。
では、ありがたくいただきます。