昼食を食べる為に食堂へ行くと、やはり
「またまた、すごいね」
朝に負けないくらいの混み様。
長蛇の列に思わず立ちすくむ、3人。そこへ
「あ、あんた・・・」
カウンターの奥から声がかかった。今朝、トシが声を掛けた人だ。
「あ、・・・」
トシもそれに気が付き、カウンターに近づいく。
「やっぱ、手伝います?」
「頼む。みんな出払っていて人手が足りないんだ」
今度は、素直に手助けを頼んだ。
「了解」
言って、トシはくぐり戸を通って厨房へ入っていった。
手伝いは、昨日と同じ返却された食器の片付け。昨日は外から、今日は中からだ。
返却カウンターの上は、昨日と同じ返却食器の山。それを下げ、食器洗浄器に並べいく。コップなどは間に合わず、手洗いだ。
しばらくすると、食器の山も小さくなっていった。
「サンキュー、助かった。前にいた担当がモルドにやられて、入院しちまった上に急に利用者が増えただろ。もう、どうしようかと思ってたんだ・・・・・」
食堂内も随分と落ち着きを取り戻した頃、彼・テツがそう言って息をついた。
厨房内には、他にも隊員が数人。調理用の割烹着と帽子で動き回っている。
トシの分までないので、汚れ防止のエプロンと三角巾姿だ。
“食堂のおばさんみたい”と言ったのは、トシの姿を見たミイコとマドカ。二人は、先に食事を済ませ帰っていった。
「出来れば、しばらく頼みたいよ。ここに住み込んでバイトする気ない?」
テツからの誘いは、本当にありがたいのだが・・・・。
「出来れば、早く部屋に帰りたいんだけど・・・・」
と言うのが、トシの素直な感想だった。