宇宙時間 ソラノトキ

風樹晶・かざきしょう

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月影の門 36

2009-04-29 21:45:11 | 小説 月影の門
 はぁ  ~
 ミイコが息を吐く。
 目の前の光景に息をするのも忘れていた。
 その、すぐそばで動き出した者がいる、コウジだ。
 彼は、腰に下げた銃を手にし、立ち上がろうとしている蒼いのに近づいていった。
「何者だ?」
 コウジが蒼いのに銃を向ける。
「アトフか? 装着コードとナンバーは?」
 立ち上がろうとしていた蒼いのがコウジを見上げ、膝をついた。
「・・・・V・シアン、NO.16」
 ぼそり と、呟くようなその声に聞き覚えがあるような気がして、ミイコはマドカの腕を掴んだ。
「ね、マドカちゃん・・・」
 声を掛けたその時、
「おい、こら、トシ。勝手に隊を離れるなと言っただろう」
 一見すると華奢そうな男が蒼いのに駆け寄ってきた。
「あ、新橋君」
 蒼いのが立ち上がる。と同時に蒼いのに亀裂が入り外装(らしきもの)が宙に解けるように散っていく。
 そこに現れた姿を見て
「トシ君」「トシ坊」
 ミイコとマドカの声がハモった。
 一斉に、視線がミイコとマドカに集まる。
「知り合いか?」
 コウジの問いにミイコが頷いた。
「え・・・・と、前に話していた迷子です」
「と言うことは、君達のはぐれた連れというのが・・・・」
「その人、です」
 ミイコが立ち上がって頷いた。

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