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集合住宅の名前に使われる言葉

11月6日はアパート記念日。1910年に日本で初めてアパート(木造)が完成した日。

アパートの日にちなんで、集合住宅の建物名に使われる言葉を集めてみました。

アパート···英語のアパートメント(apartment)の略。基本的に賃貸物件を指すが、ごくまれに分譲物件の建物名に「アパート」、「アパートメント」が使われていることもある。
マンション(mansion)···英語では「大邸宅」の意味。和製英語では集合住宅を指す一般名詞となり、分譲物件はもとより賃貸物件にも広く使われる。英語圏でも集合住宅の建物名に「mansion」が使われることはある。
アパルトマン(appartement)···フランス語でアパートのこと。
コンドミニアム(condominium)···英語で分譲マンションのこと。「共同管理」が原義でもっぱら分譲物件を指す言葉だが、日本では賃貸物件の建物名に「コンドミニアム」が使われていることもある。
コーポ、コーポラス···日本独特の略語で、コーポラティブハウス(cooperative house=入居希望者が資金を出し合って建設し、運営する集合住宅。英語ではcoopと略される)の略という説と、コーポレートハウス(corporate house=鉄筋コンクリート造の集合住宅)の略という説がある。「コーポラス」がさらに略され「コーポ」となり、「コーポ」の方が多く使われる。語源に関しては前者の住宅形態とは全く無縁の普通の賃貸アパートに使われているので、近年は後者の説が有力視されている。「コーポ◯◯」と前に付くことが多いが、「◯◯コーポ」と後ろに付くのも見られる。多くは賃貸物件だが、中には分譲マンションに使われることもある。「コーポ」のアルファベット表記(建物名にアルファベットが併記されている場合)は、前者の語源説から「Coope」、「Coop」、後者の語源説から「Corpo」としている例が見られる(「Cooperative House」、「Corporate House」とフルに表記された所もある)。
ハイツ(heights)···英語で「高台」の意味。集合住宅のほか、建て売り住宅地の名前にも使われる。
メゾン(maison)···フランス語で「家」の意味。語源は英語のmansionと同じだが単に「家」という意味。日本では「マンション」のフランス語版というイメージもあるだろう。建物名が「メゾン(・ド)+大家さんの名字」という形で付いていることが多く賃貸物件に多いが、分譲マンションで使われることもある。「メーゾン」や「メイゾン」という表記も見られ、特に「メイゾン」は英語読みだと思われる(ただし、英和辞典を引いてみると「maison」は載っていない)。
メゾネット(maisonette, maisonnette)···フランス語由来のイギリス英語で、1住戸が複数階にまたがる集合住宅のこと。アメリカ英語では「デュープレックス(duplex)」。フランス語では「小さな家」という意味で、集合住宅の意味はない。
フラッツ(flats)···イギリス英語でアパートのこと。基本的に1住戸が1フロアのみのものを言い、メゾネットの対義語とされるが、日本ではメゾネットタイプだけど「フラッツ」が使われている例もある。
ハイム(Heim)···ドイツ語で「家、家庭」の意味(英語のhomeに相当)。分譲マンションに多く使われる。
ハウス(英語:house、ドイツ語:Haus)···「家」の意味。ドイツ語は英語とほぼ同じ発音だが、「ハオス」に近く聞こえる場合もあり、ドイツ語を想定している場合「ハオス」と表記していることがある。
カーサ、カサ(casa)···イタリア語とスペイン語で「家」の意味。どちらかといえば「カーサ」と伸ばすのはイタリア語、伸ばさない「カサ」はスペイン語の発音に近い。
レジデンス(residence)···英語で「住宅、住居、邸宅」の意味(houseより改まった言葉)。賃貸物件に多いが、分譲マンションに使われることもある。
コート(court)···英語で「中庭、宮廷」の意味。分譲マンションに多く使われる。
パレス(palace)···英語で「宮殿」の意味。「宮殿」という豪華なものを表す言葉だが、賃貸物件に多く使われる。
キャッスル(castle)···英語で「城」の意味。
シャトー(château)···フランス語で「城」の意味。分譲マンションに多く使われる。
シャトレ(châtelet)···フランス語で「小さな城、とりで、要塞」の意味。多くは賃貸物件に使われる。
ヴィラ(villa)···ラテン語由来の英語で「別荘、大邸宅」の意味。本来は郊外に構えた大邸宅を指し、転じて別荘の意味になった。賃貸物件にも分譲マンションにも使われる(高級感があり分譲マンションにも好まれる)。
パラッツォ(palazzo)···イタリア語で「宮殿、大邸宅、庁舎、ビル、マンション、アパート」の意味。英語のpalaceと同じ語源だが意味の範囲は広く、大きな建物全般を指す。英語の「mansion」と和製英語の「マンション」両方の意味を含んでいると言える。
エステート(estate)···英語で「不動産」の意味。不動産会社の社名に使われることもあれば、集合住宅の建物名に使われることもある。多くは賃貸物件に使われる。
アビタシオン(habitation)···フランス語で「住宅、住居、居住、住まい」の意味。英語では同様のつづりと意味で「ハビテイション」と発音するが、フランス語の発音に基づいた「アビタシオン」が一般的に使われる。スペイン語では「habitación」とつづり、アルファベットが併記されている場合「Habitación」が使われていることもあるだろう。多くは賃貸物件に使われる。
ドミール(demeure)···フランス語で「住宅、住居」の意味。しかし、実際のフランス語の発音は「ドムール」に近い。おそらく(「寝泊まりする所」ということで)フランス語で「寝る」という意味の「dormir(ドルミール)」から来たのではとも思う。多くは賃貸物件に使われる。
ラフィーネ(raffine)···フランス語で「洗練された」の意味。分譲マンションに多く使われる。
コンフォート(comfort)···英語で「快適な、心地よい」の意味。分譲マンションに多く使われる。
ファミーユ、ファミール(famille)···フランス語で「家族」の意味。多くは賃貸物件に使われる。
荘···和風のネーミングに使われる。「荘」には「仮住まい」という意味がある一方で、「荘園」からりっぱなお屋敷をも連想させられ、この点では英語の「ヴィラ」に近いニュアンスを持った感じもする。アパートかマンションかで言うとアパートというイメージが強く、「◯◯荘」と付いたものはほとんどが賃貸物件だが、中には分譲マンションもある。
文化住宅、文化···日本でかつて和洋折衷の集合住宅を「文化住宅」、略して「文化」と呼んだ。現在は近畿地方に限って「◯◯文化(住宅)」という名前の木造アパートが多く見られる。

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