「頭髪の日」にちなんで、英語の髪色を表す言葉の話をしたい。
英語で髪色を表す単語は男性か女性かで発音は同じだがつづりが変わるものがある。
blond / blonde
意味:金髪(の)
「金髪の」という形容詞としても「金髪の人」、「金髪(=blond hair)、ブロンド色(色名)」という名詞としても使われる。「髪を金色に染める」という動詞の用法もある。
brunet / brunette
意味:ブルーネット、栗色の髪、栗毛
これも形容詞としても名詞としても使われる。
本来男性にはそれぞれblond、brunet、女性にはblonde、brunetteが使われた。これらはフランス語からの借用語で、フランス語では文法上の性(男性名詞と女性名詞、形容詞の男性形と女性形)があり、それを踏襲したためである。
フランス語のblond/blonde、brunet/brunetteも形容詞、名詞両方で使われ、形容詞の場合は修飾する名詞の性に合わせて、例えば「髪」を意味する「cheveux」は男性名詞なので「cheveux blonds」(金髪)(blondsはblondの複数形)というふうに男性形を用いる。名詞で(その髪色の)人を指す場合は人の性別に合わせる。
発音は、フランス語では男性形はblond[blɔ̃ ブロン]、brunet[bʁynɛ ブリュネ](末尾のd、tは読まない)、女性形は[blɔ̃d ブロンド]、brunette[bʁynɛt ブリュネット]というふうに違う発音をするが、英語ではblondもblondeも[blɑnd ブランド]、brunetもbrunetteも[bɹuːˈnet ブルーネット]と同じように発音する。
英語ではつづりは男女で区別があったが、現在は区別しない傾向がある。英語では女性形も男性形も同じように発音されるということもあって、昔から男女で必ずしも厳密に区別されず曖昧だったようだ。
Blond(e)に関しては現在は男女ともにblondを使う傾向がある。[blɑnd]という発音に対して「blond」とつづるのが自然というのもあるだろう。逆に男性でもblondeが使われた例もある。
一方、brunet(te)に関してはbrunetteの方が多く使われるらしい。女性に対して言うことが多いのと、髪を栗色に染めることを好む女性が多いことが要因だろう。あと、後ろの音節にアクセントがあるため「brunette」とつづるのが自然なのだろう。男性でもbrunetteを使うことが多い。
Brunet/brunetteはbrown(茶色)と同じ語源。「茶髪」とも訳せそうだが、茶髪というと染めた髪色というニュアンスが強い(自然な髪色にはあまり使わない)。
ちなみに「黒髪」は英語で「black hair」。「黒髪の」という形容詞は「black-haired」。
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