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リー・クアンユーとシンガポールの政治

3月23日、シンガポールの政治家で元首相のリー・クアンユー(李光耀)氏が逝去した。リー氏は1959年から1990年までの長期に渡って首相に就任しており、琉球新報の記事でも「独裁者」と評していた。首相職終了後も、シンガポール上級相、内閣顧問のポストに就き、事実上国家の幹部の座に就いていた。

シンガポールは長年人民行動党の事実上の一党独裁体制が敷かれ、経済発展のために権威主義的な政治を行った開発独裁という性格の政治体制だった。人民行動党は初めは社会主義政党だった。党名に「人民」とつく点、社会主義っぽい。社会主義インターナショナルにも加盟していたが、言論弾圧を理由に除名された。その後、反共、国家資本主義の路線を進んでいった。

政治を批判した人を名誉毀損に訴えるなど、法治国家の法を利用した独特な手法で独裁的な政治が続けられた。

シンガポールの民主主義指数は近年まで「混合政治体制」だったが、2014年は「欠陥のある民主主義」(英語版ウィキペディア「Democracy Index」より)に格上げされ、今後の民主化の進展が期待できそう。ちなみに、マレーシアは民主主義指数が始まって以来「欠陥のある民主主義」だが、信教の自由をうたっているにも関わらず、イスラム教からの改宗を認めず、中には180日間拘束された人もいたということもあって、もっと低く評価して「混合政治体制」にすべきだったんじゃないかと私は思った。

かつて、シンガポールは「明るい北朝鮮」と言われていたから、おそらく昔はもっと独裁的だったでしょうね。でも、私が「明るい北朝鮮」の異名にふさわしいと思うのはイギリスだ。なぜならイギリスには貴族制度、貴族院が存在する時代遅れの世襲的身分社会で、北朝鮮の「成分」と呼ばれる階級制度と同然だと思うから。

シンガポールはポイ捨てや、道路などに唾を吐いても罰金、チューインガムは禁止、などといった厳しい罰金制度で知られる。こういった罰金制度もリー・クアンユー政権のもとで確立された。こういった厳しい罰金制度もシンガポールの政治の強権性の一つとして批判もあるようだが、結果的に美しい環境を保つことができ観光客からの良いイメージにもつながっているので、シンガポールの良いところだと私は思う(だた、チューインガム禁止っていうのは行きすぎだと思う)。「Fine country(美しい国/罰金の国)」という言葉で表される。

一方、ドイツも罰金大国のようだ。サッカー日本代表の乾貴士選手がドイツの空港で税関職員の前でおならをして侮辱罪で罰金を突き付けられたというニュースは有名。他にも、警官の前で侮辱ととれるジェスチャーをして罰金になったり、侮辱的な仕草が防犯カメラに映ったため侮辱罪に問われ罰金(琉球新報の海外面の「海外こぼれ話」で見たことがある)になることもある。また、英語の「you」にあたるドイツ語は親しい人に対して使う「du」と初対面の人などに使う丁寧語の「Sie」があるが、警官に「du」を使うと侮辱罪に問われ罰金を要求されることもある。これらはシンガポールで政権批判者に対して名誉棄損に訴えられることと似ている。こういうところシンガポールとドイツは似ていて、ドイツは「西洋のシンガポール」、「ヨーロッパのシンガポール」といえるだろう。

琉球新報の「海外こぼれ話」の件は、本人が無意識のうちにした仕草がたまたま防犯カメラに映っただけなのに、カメラを侮辱した疑いがかけられたというもので、かわいそうだと思った。それよりもポイ捨てなど環境を汚す行為に対して罰金を科すシンガポールの罰金制度のほうがましだと思った。

環境美化に力を入れている点も、シンガポールとドイツで共通していている。ドイツの場合、大気汚染などの公害をなくそうという取り組みが盛んで、脱原発にも積極的に取り組んできた。

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