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「はかる」から派生した複合語

11月1日は計量記念日
そして、11月は計量強調月間。

計量記念日にちなんで、「はかる」から派生し、「はかる」の語幹を含む複合語の話をしたい。
「はかる」の漢字表記は「計る、量る、測る、図る、諮る、謀る」というふうに、常用漢字表にあるものだけで6通りある。ここでは「はかる」の語幹を含む複合語を取り上げて、その意味や、なぜその漢字を使うのかなどについて考察する。

はかりしれない【計り知れない】
「広く深くて、おしはかれない」、「想像できないほどである」、「無限である」の意。
「おしはかる(推し量る、推し測る)」ということから「量り知れない」または「測り知れない」とも書けそうだが、「計算できない」、「程度で計れるものではない」(「程度を数値で表せない」というたとえからか?)という意味合いから「計」が使われるのだろう。
「おしはかる」については「推し量る」または「推し測る」(前者は人の気持ちを想像する、後者は物理的な推測をするというニュアンス)と書き、「推し計る」とは普通書かないが、「計る」だけで「おしはかる」という意味もある。

はからずも【図らずも】
「思いがけなく」の意。
「意図していなかった良いことが起こった」、「意図しなかったけど良い結果になった」というようす
を表す。
広辞苑では見出し語で「計らずも」も併記されている。

あにはからんや【あに図らんや、豈図らんや】
「意外にも」の意。
「なぜそんなことが予測できようか」という意味合い。「予測」または「推し量る」ということから「あに測らんや」、「あに量らんや」とも書きそうなイメージもある。試しにヤフーで「あに計らんや」、「あに量らんや」、「あに測らんや」でフレーズ検索してみたら、「あに量らんや」は数件、「あに測らんや」は数十件、「あに計らんや」は1万件以上ヒットした。『新明解国語辞典』では「計る」という見出し語の例文に「豈─らんや(以下略)」というのがあることから、「豈計らんや」という表記もあると考えられる。
「あにはからんや」というシミ抜き剤の商品があって、その商品名の由来について「『意外にも』という意味の古語から」と説明されているが、現代も使われることがある言葉なので、古語ではない。一応、文語的で古風な感じの言葉ではある。
「あに図らんや、弟計るや」、「あに図らんや、弟も図らんや」などと、「兄」と掛けただじゃれが使われることもある。

かなばかりず【矩計(り)図】
建築設計で、建具の寸法を決めるための図。
寸法ということで、「矩測(り)図」と書きそうなイメージだが、「見積もる」、「プランを立てる(設計する)」という意味合いから「計」が使われるのだろう。
試しにヤフーで「矩測図」、「矩測り図」でフレーズ検索してみたら、数件ヒットした。

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