フランスは子供のしつけが厳しいお国柄です。
体罰を加えることもあり、お尻をたたくといったことはよく見られます。昔は幼稚園や小学校にむちを置いていたことも多く、むちによる体罰も行われたとのこと。
フランスの親は子供のわがままに妥協しません。例えば買い物中に子供が欲しいものを見つけては「買って買って」と駄々をこねた場合、「ダメなものはダメ」と言って、その後泣こうがわめこうが決して買いません。
子供を叱る時怒鳴る親が多い(そのため、フランス人は短気だと言われることもある)。
金銭的に余裕のあるブルジョアの家庭では、マナー教育や長時間じっとする訓練の一環として時折子供をレストランのディナーに連れていきます(高級レストランは子連れNGの所が多いが、中には子連れOKの所もあり、そこに敢えて連れていく)。子供も2・3時間ほどじっと座っていることが求められ、子供がぐずっても親が子供と一緒に席を離れたり早めに切り上げたりはしません。
フランスの隣のイギリス、ドイツも子供のしつけが厳しい国だと言われています。
イギリスは紳士の国だと言われていてしつけの厳しいことではフランスよりもむしろイギリスの方が有名でした。2000年の九州・沖縄サミットの時、琉球新報でG8各国の文化を紹介する記事があって、イギリスは子供のしつけが厳しい国だと紹介していました。しつけが厳しいという点でフランスと似ているが、フランスと違って怒鳴るのは良くないと考えられていて、優しく諭すように叱るのが一般的だそうです。
しかし、イギリスとドイツでしつけが厳しいというのは昔の話になったと言ってよいでしょう。最近のイギリスやドイツでは子供にやや甘い親が増えているそうです。
ドイツとイギリスでも昔はフランスと同様にお尻をたたくなどの体罰も普通にあったが、今ではほとんどなくなっています(もし体罰をすると通報されます)。
ドイツやイギリス、そして日本やアメリカでも、例えば買い物中に子供が「これ買って」と言って最初は「ダメ」と言ってもその後も「買って買って」と騒いでいるとまわりの人への迷惑を気にしてあきらめて買ってしまう親が少なくない。このようにまわりの状況と折り合いを付けて妥協することもあります。
多くの先進国で叱ることをなるべく避け褒めて伸ばすのが良いという考え方が広まる中、フランスでは21世紀に入ってからも子供は厳しくしつけるべきでしつけのためなら怒鳴ったり体罰を加えても良いという時代遅れの考え方が根強く残っています。こういった国は先進国ではまれでしょう。
フランスは18世紀末に人権宣言を出した国で、自由の国というイメージがあるが、子供のしつけが厳しく人権侵害ともとれる体罰も行われている点は、矛盾を感じます。
フランスは個人主義の国でもあります。しつけが厳しいのは自立心を身につけるためだとも考えられて、また、子供は大人同士の会話の邪魔をしないようにしつけられるなど、人に対して個人として尊重するように教えられている点もあり、厳しいしつけをしているからこそ個人主義の根付いた社会が成り立っているという側面もあるようです。
そんなフランスでも、2019年に家庭での体罰を禁止する法律が成立しました。世界で最初に家庭での体罰を禁止した国はスウェーデンで、1979年にその法律ができました。それ以前は半数以上の親が体罰をした経験があるとのこと。体罰が法律で禁止されたことによって、フランスの子供のしつけのあり方も変わっていくかもしれませんね。
一方、イタリアでは基本的に子供に甘いです。フランスの隣の国でありながらフランスとは対照的です。
イタリアでは公共の場で子供が騒いだり走り回ったりするのは日常茶飯事だそうです。子供がじっとしていないのは当たり前という感覚で、行儀良くじっとするようにしつけるのはかわいそうだと言います。フランスで見られるような、レストランの席で子供に2・3時間じっと座らせるというのは到底考えられません。
特に男の子に甘いそうです。イタリアの男性はよくナンパをすることで知られていますが、大人しくじっとしていることを求めない伸び伸びとした育て方が影響しているのかもしれません。
スペインでも子供に甘いそうです。中南米も似たような感じで、ラテン系の国々では子供に甘いと言うか、良く言えば伸び伸びと育てる傾向が強いようです。
私が大学でペルー出身のスペイン語の先生に、ペルーでの子供のしつけに興味があったので「ペルーでは子供のしつけは厳しいですか?」と聞くと「厳しくない」と言っていました。そのため、精神疾患や自殺が少ないと言っていました。体罰もないとのこと。
ラテン系の国の中でも特に子供に甘いのはイタリアのようで、ヨーロッパで一番子供に甘い国だと言われています。
フランスもラテン文化圏ですが、他のラテン系とは一線を画して、ゲルマン寄りという感じがします。歴史的にラテン系とゲルマン系が混血して今のフランス人が形成されたこともあるでしょう。フランス語もラテン系の言語ですがゲルマン系の語彙が多く入ってきて、発音の面でもゲルマン系の特徴が入り混じった感じがしますからね。
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