楽善な日々

新社会人となった楽と、大学生善、おとん、そしておかんの日々を綴ります。新しい街に引っ越して、新しいスタートを切りました。

よく眠る秋

2023年10月02日 | 2023年日記
今朝は寝心地がよかった。
窓から秋風が吹き込んで
涼しくて、さわやかで、
なかなか目が覚めない。
もうちょっとだけ、このままでいたいなあ。
あとちょっとだけ、このままで。
そして寝坊してしまった。

隣の部屋の善も、
どうやら同じ気持ちだったらしい。
きっと、もうちょっとこのままで・・
あとちょっとこのままで・・・
と繰り返していたのだろう。
大学をあやうく遅刻するところだった。
よく眠れる秋。

寝ている私や善がいる一方
起きてくる花もいる。
夏の暑さで咲かなくなっていた
マリーゴールドとパンダスミレが
秋になってまた花を咲かせるようになってきた。
緑色が目立っていた庭に、彩りが増えてきた。

なぜか野良猫ちゃんたちも遊びに来るようになった。
キャットニップの茂みに遊びに来ているのかな。

さらっとした秋風が気持ちよいこんな一日、
お昼もうつらうつらと夢の中。
燃え盛る夏の、疲れをいやす一日でした。

「身は浮雲になずらへて、頼まず、まだしとせず。
 一期の楽しみは、うたたねの枕の上にきはまり、
 生涯の望みは、をりをりの美景に残れり」   方丈記

<わが一身は空に浮く雲と考えて、あてにもしないし、不足とも
考えない。一生の楽しみは、うたたねをしている気軽さに尽きるし、この世の希望は四季おりおりの美しい風光を見ることに
残っているだけだ>

10月2日     おかん















思い出と一緒に京都旅

2023年10月01日 | 2023年日記
楽と一日京都旅に行ってきた。

窓はカーテンで覆われて景色も見えず、
電気も消された真っ暗な車内。
聞こえてくるのは、人の寝息とゴーゴーと響く走行音。
そんな夜行バスのステップを降りて、
朝の京都に着地した。
暗闇から一転、朝の新鮮な空気の中へ。
不思議な気持ちで、京都の空気を深呼吸した。

朝はホテルのビュッフェにて。
スペイン語を話す外国人観光客がたくさんいて、
わいわいとにぎやかに食べていた。
サラダが豊富だったので、楽も私もサラダ多めに。

楽は京都が好きで、何度も一人旅で訪れている。
だから、「まかせて!」とばかりに先頭にたち、
京都初心者の私を案内してくれた。

金閣寺は開門時間に行って、観光客の多さに驚いて、
その中にビュッフェのスペイン人団体さんたちを見つけて、
お互いたくさん楽しみましょうね、と心の中で声をかけた。
竜安寺では、小学生たちに石庭の説明をする先生の言葉に
ふむふむと耳を傾け、豆知識を学んだ。
下鴨河合神社では、お顔の絵馬にお化粧を施して美麗祈願。
一日バス券を使って、本当にたくさんの場所を歩いた。

お昼は、楽が、なんとコース料理をご馳走してくれた。
鴨川の納涼床で、気持ちよい風に吹かれながら。
「美味美味」とつぶやき合いながら。
地ビールを、楽と私で一本ずつ頼んで飲んでみた。
どちらもすっきり飲みやすかった。

私の前を歩く楽の背中を見ていたら、
小さいころの楽の後ろ姿と重なって見えた。

福山に住んでいた頃、保育園の裏山によく野蒜を採りに行った。
お味噌汁の具材にすることが多かったっけ。
「おかんは野蒜がどれだかわらないけえ、楽にまかせて!」
そう言って、善とふたり先頭に立って、私を案内してくれた。
ふたりとも自信満々で、前を歩いていく。
「おかん、大丈夫?ついてきてる?」
「足元に気を付けて歩くんだよ」
おかんのことを心配して、ちょくちょく振り返って、声をかけてくれる。
小さくて、頼りがいのある、ふたつの背中だった。

私よりも大きくなった楽の背中は
今も自信に満ちて、頼りがいがある。
京都の町を、私を引き連れて、元気に闊歩していた。
「おかん、大丈夫?ついてきてる?」

心に残る旅をありがとう。

10月1日    おかん









楽とちょこっと旅へ

2023年09月28日 | 2023年日記
大学生の長い夏休みも終わり、
善は後期の授業を受けている。
今日は英会話があるらしい。
自分で選択した講座なのに、朝から緊張して
" Hi, my name is Zen.  
When I was a high school student, I was a handball player."
と自己紹介の練習をしていた。
親友のKがアメリカに留学中なので
自分も英語を!と思い立ったのだろうか。
うまく自己紹介できたかな。

楽とおとんは山から元気に帰ってきた。
おとんは久しぶりの山で、体力が全然なかったらしい。
楽に「おとんは全然だめ」と言われていた。
肌寒い秋の山で、二人山登り。
岩場を乗り越え、壮大な景色を眺め、美しい夕日を見て。
よかったね。良い思い出だ。

今日の夜から、
今度は私と楽がちょこっと旅へ。
高速バスにのって、目的地には朝に到着して、
その夜に新幹線で帰ってくるという。
ほんとうに、ちょこっと旅。
今からとても楽しみ。
わくわくどきどき。遠足の前日の小学生のように。

子供たちがどんどん大きくなったら、
なかなか一緒に旅なんて、できなくなるのだろうか。
今のこの日々を
「あの頃は一緒にたくさん時間をすごしたなあ」と
懐かしく思うのだろうか。
刻々と変化する家族模様。
一瞬一瞬を大事に過ごしていこう。

9月28日     おかん


読後感に浸る午後

2023年09月26日 | 2023年日記
本を読み終わったあとの時間が好きだ。
次の本を読み始めるまでの間、
読み終わった本の世界を引きずって
しばらくはその世界に心が浮かんだままになる。
その本の世界がもう終わってしまったことに
ちょっとした寂しさを感じたりしながら。

良い本だったなあ。
ああ、読み終わってしまったなあ。
なんて思いながら。

Fredrick Backman著 "A Man Called Ove"を読み終わった。
妻を亡くして、
悲しみの中で一人過ごす頑固者のOveの日常が
隣に引っ越してきたイラン人妊婦さんとその家族と関わるうちに
どんどんと騒がしくなっていく。
そのうち、猫とも暮らし始めて、
いつの間にかOveの周りには、楽しい面々が集まっていた。
心温まるご近所さんストーリーだった。
Oveと猫は毎日、テラスハウスの周辺を見回る。
空き巣に荒らされているといけないから。
私のご近所にも、この二人組が見回りに来てくれると嬉しい。
見回る一人と一匹の後ろ姿を見ながら、
にっこり笑いたい。

夕暮れ時、
お隣のおじいちゃま、おばあちゃまの声が
窓の外から聞こえてきたので、
私もベランダに出てご挨拶。
しばらくの間、涼風に吹かれながら、世間話。
「涼しくなったね」
「トンボが飛んでるね」
「今日も一日が終わるわね」と。
そのうち、蚊が寄ってきたので、
みんな、慌てて家に入った。
私のご近所さん。

さて、次の本はどうしましょう。
ちょっと怖そうなミステリーにしましょうか。
おとんのおすすめの本にしましょうか。
読みたい本が山積みだ。
家族が帰ってくるまで
次の本の世界へ行ってきます。

9月26日      おかん









山の上の二人

2023年09月25日 | 2023年日記
空に半月が輝いている。
ちょっと太った半月が煌々と。
今日は家に誰もいないので、
ベランダから、お月見をしながら、
のんびり虫たちの合唱を聞いている。
風が涼しい。

遅い夏休みをとったおとんと楽は
二人で山登りに出かけた。
赤岳の山荘に泊まっているらしい。
家族lineにたくさん写真が送られてくる。
大好きな娘と山登りなものだから、
写真のおとんは、どれも嬉しそう。
楽は笑いをかみ殺して、真顔で映っている。
照れ隠しをしている様子が可愛い。
小学生だった楽に、山の楽しさを教えたのは、おとん。
でも、今は、健脚の楽についていくので精一杯だそうだ。
楽も大きく強くなったものだ。
感慨深い山登りになりそう。

善は遅くまでバイト。
ちゃんと役に立っていますか。
失敗して怒られていませんか。
甘えん坊の善がバイトだなんて
ちょっと前までは想像もできなかった。
善もたくましくなったものだ。

月光を眺めながら
時の流れを想う。
子供たちは成長して
私たちは年を取った。
虫の声が心に染み入る。
今宵は一人で
秋の夜長を楽しもう。

9月25日    おかん