関ヶ原辺りから、雪景色。
柏原駅を過ぎた頃、
前の座席の女の子が
携帯カメラで走る窓から雪景色を撮る。
僕は近江長岡駅で下車。
と、その女の子も降りるじゃないか。
改札口から出てどこへ行くのか。
と見ていると、
上り線のプラットホームへ上って行く。
僕の頭の中で、小さな混線が生じる。
なぜ改札口を出ないのか。
単に雪景色を見るために、
わざわざ電車に乗っているのか。
暇な奴じゃ。
それとも、大物か。
あの森敦も「月山」を執筆したのは環状線の中だった。
巡り巡って、
いや、巡ろうと、中断しようと、
結局、人は、
どこへも行けやしないのでは。
伊吹山はまったく見えなかった。
幹線道路だけは除雪されている。
雪は天から地面に落ちて来るとは限らない。
逆に、下から上へ舞い上がっているじゃないか。
僕は舞い降る雪の中を歩くしかなかった。
(略。)
母が言った。
「頭が変になってしまった。
トンころりと逝かせてもらえたらありがたい」と。
もう逆戻り出来ない旅が始まっているのだ。
名言も吐いた。
「一日喜びや」
そんな日本語あったんか。
しかし、
言わんとするところは分かった。
屋根から雪が、時々、ドドッと落下する。
帰る頃になっても、雪は止まない。
墓場も田畑も雪におおわれている。
東海道本線、垂井周辺、
ここまで来ると、
もう雪もほとんどなし。
揖斐川まで来ると、
雪のゆの字もない。
カラカラのカラだ。
畑の土も、空き缶もカンカラだ。
大垣、春だ。
伊吹の雪は、
ありゃ、一体、何でイ。
あそこだけが雪国か。
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筋骨魔人
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