タイルは不思議だ。僕は次のことを発見した。布の無地には人を魅了する力が潜んでいるが、無地の、即ち、単色のタイルにはそれが全くない。なぜだろう。美しいタイルには彩色や描線が不可欠だ。デザインのないタイルは無味乾燥だ。この世には、嬉しいことに、昔から美しいタイルがあった。例えば、日展に出品された、署名付きの100枚の絵や書よりも、僕は紀元前3000年前の1枚の欠けたタイルの方を愛する。飽きずに眺めていられる。心が欲するものが、そこにはある。機会があれば、僕も自分のためにタイルを作ってみたい。絵でも、詩でも、何でもよいが、自分が「自分のために作る」ということが重要だ。他人の目や感覚、評価よりも、自分の目や感覚、評価を大事にしたい。技能の上手下手に拘るよりは、言わば情熱の輝度を尺度にして、飽くまでも自由に創造の喜びを味わいたい。
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