優しい人だった

皮膚科の医師はいつもと違う大学病院からの女医さんだった

昨日は次亜鉛を薄めるための洗濯からだった

途中しばらくぶりの取引先からの新たな仕事の依頼があった

そんな１日が終わろうとして近所のスーパーまででかけ

惣菜コーナーでコロッケやメンチを物色していると

女性から声を掛けられた

『ここの全部２０％引きなんですか？』・・・？

そばにいた店員さんに聞いたら全部だそうだ

その黒い幅広のツバ付きの帽子を被った３０代の女性に目をやると

３才くらいの女の子を連れて０歳児の子を胸に抱き微笑んだ

『このチラシ使うともう少し安くなりますよ』と私に差し出した

『えっ・・良いんですか頂いてしまって』

『入り口においてありますよ・・（笑）』

取り敢えず頂いて買い物を続けた

店内を一回りして来た時あの女性家族が私を探していたようで

親子揃って私に近づいてきた

小さな女の子の手には先程のチラシを掴み

私に差し出してくれて

『もって来ましたよ・・』笑顔が素敵な女性は手に２・３枚持っていた

差し出してくれた値引きチラシを頂いたが

女の子はまだチラシを差し出していた

わざわざ持って来てくれたんだろう

私はしゃがみ込んで『おねえちゃん有難う・・優しいね・・』

女の子の顔は緊張していた・・きっとお母さんに『あのおじちゃんにあげようね』

と言われたんだろう

お母さんは笑顔で私を見ていた

『優しい方ですね・・有難うございます』

素敵な女性と子供さんだった

後で気づいたが美人だったな～