HAVE A NICE SHAVE

クラシックシェービングと男性スキンケアのノート

剃れ味の落ちた替刃をアグレッシブホルダーで延命

2017-12-20 17:23:17 | ヒゲソリ雑記

両刃カミソリのホルダーにはマイルド系とアグレッシブ系と言われる分類がある。
これは同じ替刃を使用した場合、ホルダーの設計によって皮膚への刃の当たり方が違うことを意味する。
・マイルド系ホルダーはやや弱めの刃当たりで、幅広い種類の替刃に対応できる。
・アグレッシブ系ホルダーは刃当たりが強めで髭を刈り取る効率は高いが替刃を選ぶ。
ミューレR89やGillette Superspeed等はマイルド系、メルクール34Cはややアグレッシブ、
ミューレR41(上の写真)はアグレッシブな刃当たりが体験できる。初心者は一般的にマイルド系が勧められる。

私もホルダーの特性に則って、マイルド系ホルダーにはシャープ系の替刃を、アグレッシブ系ホルダーにはマイルド系替刃を使用していた。アグレッシブホルダーはマイルド系替刃と組み合わせて使うものだと勝手に結論づけていた。


私は色々な替刃を折りを見て試用し、自分に合った替刃がないかと探すことを楽しみにしている。
その時に、「切れ味の落ちてきたシャープ系替刃を、アグレッシブホルダーで使用するとどうなるか?」
そんな疑問を持った。
上手くしたら替刃の寿命を延命させることができるかもしれない。

早速試してみることにした。
試してみたのは4日目で剃り味が落ちてきたGillette 7'oclock(green)。
全く剃れないわけではないが、下ろしたてのシャープさは失われている。
これをアグレッシ系ホルダーのParkerValiant(下の写真)に取り替え、剃ってみた。
ParkerValiantは刃角調整が可能なホルダーで最小目盛からアグレッシブな傾向が強いホルダーだ。
まずは目盛1~5のうち1にして剃ってみることにした。

その結果、替刃によっては切れ味が回復し、寿命を伸ばすことができるようになった。
この替刃の場合、剃り跡も痛みも皆無で良好な反り上がりだった。
ただし、替刃によっては引っ掻いたようなヒリヒリ感が残る替刃もあったし、むしろ滑らかさが増して更に快適に剃れる場合もあった。これは替刃の特性によって違うと思われる。
私が試した限りでは、RAPIRA Plutinum Luxなども好感触だった。

私はクラッシックシェービングが趣味なので複数本のホルダーを入手したが、
本来ならば定番のホルダーが1本あれば実際は困らないという認識だった。
だが、アグレッシブホルダーで替刃の延命ができるのなら、2本目を持つことにも意味を見い出せる。
アグレッシブホルダーだけというのは、替刃を選びすぎて扱いづらいだろう。
アグレッシブ系ホルダーにアグレッシブ系の替刃をいきなり使うというのは肌を痛めそうだ。
ヘッドを皮膚へ押し付ける癖が抜けないうちにアグレッシブホルダーだけを使うのもオススメできない。

今回、替刃の延命が望めるアグレッシブホルダーの活用法に気付き、存在意義が高まったと感じた。


理髪店で剃ったような

2017-12-09 10:46:13 | ヒゲソリ雑記
両刃カミソリの仕上がり方で、”まるで理髪店で剃ってもらったような・・・”と表現する場合がある。
顔に蒸しタオルをかけ髭を蒸らし、ストレート剃刀で剃ってもらう。昔ながらのローションやクリームで仕上がった顔はツルツルになり、良い香りがする。庶民にとって贅沢を味わえる時間と言える。
その心地よさが自宅で再現できる両刃シェービングの虜になったのは理髪店での贅沢な時間を味わいたいと言うのもある。

そんな私だが最近は美容室か1000円カットのチェーン店しか行っていない。
ただ今のところ理髪店難民になってる状態だ。
休日に理髪店に出かける習性である私は髪を切るのであれば地元の理髪店を利用することになる。
お気に入りの理髪店を見つけようとGoogle Mapで表示された全ての理髪店を訪ねたのだが、気に入った理髪店は結局見つからなかった。

何をそこまで拘っているのかと思われるであろうがそれほど難しいことを望んでいるわけではない。
ただ気持ちよく髭を剃ってもらえる理髪店を探していただけなのだが、どういうわけかどの理髪店も髭を剃った後1~2日、ヒリヒリして自分で剃った後よりも痛い思いをするのだ。
昔はシェービングソープを顔に塗り、一度蒸しタオルでしばらく放置した後髭を剃ってもらったような記憶がある。剃刀も力は全く入れず、滑らすような感じだった。両刃カミソリもホルダーの重みで剃ることを考えるとその理屈も筋が通っている。
だが、今回私が回ったところは少し顔を濡らした後ジェル状のローションを塗り、髭が水分を含む時間などお構いなしにいきなり圧力をかけつつゴリゴリと言った感じで剃り始めた。
大丈夫だろうかと疑問を持ちつつもプロのやることだし、最先端の手法なのだろうと黙って仕上がるのを待った。

だが当然仕上がりは悲惨だった。剃った直後から顔全体がヒリヒリしてたまらなく痛い。剃り残しは無いが皮膚もかなり傷んだらしく、収まったのは二日後、散々な思いをした。私自信で両刃カミソリを使ってシェービングしてもここまで痛くなったことはない。理髪店に行くのが怖くなった。
それでも懲りず近隣の理髪店を全て訪れて見たのだがシェービングが軒並みダメだった。
ネットを検索するとシェービングに拘りのある理髪店を見つけることができるがいかんせん遠い。そこまでするなら自分でシェービングしたほうが安上がりだ。髪型は一庶民のしかもオヤジである私が特別な髪型をする必要性を感じないので小ざっぱりしていればそれ以上言うことはない。高級店舗で理髪するのはもったいないと思う。

本当は扱いづらいストレートカミソリを難なく使いこなし、鼻歌交じりに作業しつつも出来上がりは完璧なプロの技を拝見してリスペクトするつもりでいたのだがしょうがない。シェービングアイテムが並ぶ棚を拡張することにした。

カートリッジかみそりとクセ

2017-12-08 15:41:15 | ヒゲソリ雑記
私はカートリッジカミソリのコスト高に閉口して両刃カミソリを始めた。
それまでは電気シェーバーとカートリッジ式を併用していた。ウェットシェービングは理髪店で髭を剃った時のような疑似体験ができるので両刃以前よりウェットのほうが好きだった。

やがて両刃カミソリの存在を知って購入することになり、最初はお約束どおりフェザーポピュラーを購入してその後すぐにメルクール33cを購入した。調子に乗ってソープ3種類、ブラシ2種類、替刃のサンプルを多数購入した。
コストを抑えるつもりで始めたクラッシックシェービングだが既にこの時点で小遣いから数万円を投下しておりもう後には引けない。クラッシックシェービングを身につけることは、は私にとって必須目標となったのであった。

ところが当初、全くもって上手く剃れなかった。剃れる部分があったり剃り残している部分があったり、仕上がりが安定しないのだ。出血こそ大したことはなかったが、部分的にヒリヒリしたり、剃り残しがあったり、仕上がりが安定しない。カートリッジ式の頃と比べて仕上がりが安定しないのだ。
正直自信を失いかけ、やはり科学技術の進歩と共に進化した現代のカートリッジを財布のやせ細るのを我慢しつつも購入するするしか無いのだろうか?
ところが後悔後に立たず、既に大金(自分にとって)を投じたクラッシックシェービンググッズが大量に棚に陳列されている。苦し紛れでネットを巡回、いろいろなユーザーのコメントを拝見して自分のシェービングを見直すことにした。

結果を言うとこれがよかった。
剃りが安定しない理由はカートリッジ式カミソリの時に知らずに身についていた手首を使う癖だった。
頭ではわかっていたつもりだったが軽く考えていたのかもしれない。顔の表面は角度が複雑だが、皮膚の湾曲に合わせてホルダーの角度を適切に保つ意識を重要視していなかったようだ。カートリッジ式ならヘッドが上下に動くのが普通なので傾斜角を意識しなくてもある程度傾ければ自分で最適な角度に固定される。
また両刃の場合、ホルダーによっても最適なホルダーの傾斜角は違う。これを神経質なくらい気をつけて剃るようにしたところ仕上がりが安定して平均化し、マイルド系替刃であってもカートリッジ式以上の出来上がりを手に入れる事ができた。その後、角度調整だけでなく、ヘッドを僅かに回転させながら剃る方法にも気が付き、曲面的な肌に対してもスムーズに剃れるようになった。そのことに気がついてしばらくは角度を確認しながら剃っていたが、やがて自然に剃ってても手首を固定して剃るクセが身につき、今では意識しなくても剃れる用になった。

このことで道具を使いこなす喜びを見つける事ができた。やはり両刃ホルダーを使うのは楽しい。
そのうちまた何か気がつくことがあるのかもしれないが達成感を味わえるとは良い道具を持ったと思う。

余談だがKAIゴールドステンレスという昭和の時代から発売されているレトロな姿の使い捨てカミソリを気まぐれで買った。社会人なりたての頃、安いので買ってみたが全然上手く剃れなかった。
ふとそのことを思い出し再挑戦してみたくなった。
今度は両刃カミソリのお陰でこちらにも多少知識がある。
予め髭に水分を十分含めた後、3パスで剃り上げる。もちろん手首は使わずにヘッドの角度を意識しつつシェービング。持ってみるとわかるのだがこのカミソリは非常に軽いので髭を切るときヘッドが暴れる特徴があるようだ。ならばと人差し指をヘッドに軽く添え、ほんの少しだけ圧力を加えつつ剃っていく。

3パス+タッチアップを終え、水洗顔を終えた自分を鏡で見て一人ニヤニヤした。
どうやら自分のシェービングはレベルアップしたようである。





シェービング用品のレビューについて

2017-12-07 09:20:52 | ヒゲソリ雑記
Gillette Slim Ajustable というビンテージホルダーがある。
1961~1968年まで生産されていた替刃の繰り出し量が調整できるホルダーで、今でも人気のあるホルダーである。生産量が多かったため今でもebayなどで新品に近い状態から手頃な価格の中古品まで入手するのにそれほど困ることはない。

Gillette Slim Adjustable


あまりにも有名なホルダーだったので手に入れたいと思っていたところ、ヤフオクで比較的きれいな状態のものが2000円で入手できた。通常は5000円前後だったので比較的お得に買えたと思っている。
落札直後、改めてGillette Slim Ajustableについてのレビューをネット上で閲覧していたところ、こう言う記述があった。

曰く「アストラの替刃で剃ると痛い。このホルダーでは使わないことにした。」

これは参った、私はアストラの替刃を気に入って常用している。替刃を買え直さないと行けないかも知れない。そんな不安な気持ちになりつつ、2日後に届いたホルダーを殺菌洗浄後、アストラの替刃を試用してみた。
ところがどうも感覚が違う。私にはとても滑らかで特に使いにくい印象はなかったのだ。
シェービング後の肌の状態も私の知っているアストラの使用感で痛くもないし特に違和感がない。
念のため続けて3回ほどアストラの替刃を使用してシェービングしてみたのだが、目立って違和感を感じるようなことはなかった。
実はそのレビューで気になった点があった。
Gillette Slim Ajustableでいろいろなブランドの替刃を交換してみたところ、割れる替刃があったと記載されていた。気になったのでそのレビューに書いてあった同じブランドの替刃をセットしてみたが私のホルダーでは割れることはなかった。
そこで思い至ったのだが、そのレビュアー様が手に入れたホルダーは歪みがある可能性がある。よって替刃の使用感が変わっていたのかもしれない。(私のホルダーが歪んでいる可能性もゼロではない)
そのレビュアー様の所持していたGillette Slim Ajustableは(ブログ内に写真が掲載されていた)私のものよりきれいな状態で、一見しただけでは不良箇所があるとは思えない状態だった。私が購入時にその写真を見たなら落札ボタンを押していたかもしれない。

他のユーザー様がどのような環境で、どのような剃り方をしているか、もちろん私が知るすべは無い。
特に両刃ホルダーや替刃などはいろいろな状況によって剃り味が変わる。私が良いと思っていても他のユーザーには良くないと判断されてしまうことは当たり前のようにありえる。
これは良し悪しの問題ではなく、人それぞれ違う髭質を持っておられるのだから当然の結果だろう。
私も所持している製品の感想などを掲載しているが、話半分で見てもらいたい。
結局王道は「自分で試してみる」しかないと思う。それも、長期に渡って試してみる必要があるとも感じる。
その理由は、まず夏と冬とでは湿度の関係から剃り味が変わる。また、剃り方もその時々よって変化するからである。買った当初は大したことないと思ったホルダーがしばらく経った後再び使ってみたところ、使いやすくなっているときもある。その他、ソープやブラシなど、剃り味に変化をもたらす組み合わせは無限にあるため自分自身で探求していくしか無い。

無責任な言い方かも知れないが、正解が無いのがクラッシックシェービングなのかもしれない。
故に奥が深く、興味が尽きない世界。次に出会うアイテムを楽しみたいと思っている。